起訴とは、検察官が裁判所に対して刑事裁判を求める手続です。起訴されたからといって、その時点で有罪や実刑が決まるわけではありません。ここから先は、公判、証拠調べ、弁論、判決に向けて、何を争うのか、保釈を考えるのか、示談や再発防止をどう整えるのかを確認していきます。
起訴後にまず確認すべきこと
起訴後は、不起訴を目指す段階とは考えるべきことが変わります。まず、通常の公判請求なのか、略式命令請求なのか、身柄拘束が続いているのかを確認します。
事実関係を争うのか、罪名や法的評価を争うのか、事実関係は認めたうえで量刑を中心に考えるのかによって、準備すべき内容は変わります。
1 起訴の種類
公判請求なのか、略式命令請求なのかを確認します。
2 身柄の状況
起訴後も勾留が続いているか、保釈を検討できるかを整理します。
3 公判の方針
事実を争うのか、量刑を中心に準備するのかを確認します。
このページで分かること
- 起訴とは何か
- 公判請求と略式命令請求の違い
- 起訴後の公判の流れ
- 起訴後の勾留と保釈
- 起訴後に弁護士へ相談する意味
早めに相談した方がよい場面
- 起訴されたと聞いたが、今後の流れが分からない
- 起訴後も勾留が続いている
- 保釈を検討したい
- 略式命令に応じてよいか迷っている
- 実刑を避けたい、執行猶予を目指したい
起訴とは何か
起訴とは、検察官が裁判所に対して刑事裁判を求めることです。検察官が起訴状を裁判所に提出すると、刑事裁判の手続が始まります。
それまで被疑者と呼ばれていた立場は、起訴されると被告人になります。もっとも、起訴されたこと自体は、有罪判決が出たことを意味しません。
起訴後は、起訴状の内容、身柄の状況、保釈の見通し、公判での争点を確認することが重要です。
起訴と不起訴の違い
不起訴であれば、事件は刑事裁判に進みません。これに対し、起訴されると、裁判所で公判が開かれ、証拠を踏まえて審理が進み、最後に判決が言い渡されます。
不起訴
- 刑事裁判に進まない
- その事件について有罪判決は出ない
- 前科はつかない
起訴
- 刑事裁判の手続が始まる
- 被疑者から被告人になる
- 公判、証拠調べ、判決に向けて準備する
不起訴について確認したい方は、不起訴を目指す方へも確認してください。
起訴されたら、もう有罪が決まっているのか
起訴されたからといって、有罪が確定しているわけではありません。起訴は裁判を始めるための手続であり、有罪か無罪かは、公判で取り調べられた証拠をもとに裁判所が判断します。
ただし、起訴に至っている以上、検察官は裁判所に審理を求めるだけの理由があると考えていることになります。そのため、起訴後は、何が争点になるのか、どの証拠が重要なのか、どのような方針で公判に臨むのかを整理する必要があります。
起訴にはどのような種類があるのか
起訴には、公開の法廷で審理が行われる公判請求と、書面審理で罰金・科料を科す略式命令請求があります。
公判請求
- 公開の法廷で審理が行われる
- 証拠調べ、証人尋問、被告人質問が行われることがある
- 事実関係や量刑について正式に争うことができる
略式命令請求
- 簡易裁判所が書面審理で進める手続
- 罰金・科料を科すための手続
- 被疑者の同意が前提になる
起訴されたと聞いた場合は、通常の公判請求なのか、略式命令請求なのかをまず確認してください。
略式命令を受けるかどうかは慎重に考える必要があります
略式手続は、公開の法廷に出廷せずに手続が進むため、早く終わるように見えることがあります。
しかし、略式命令で罰金刑が確定すれば、前科がつくことになります。事実関係に争いがある場合や、そもそも犯罪が成立するか疑問がある場合には、略式手続に同意するかどうかを慎重に考える必要があります。
略式命令で注意すること
- 罰金が確定すれば前科がつく
- 事実関係に争いがある場合は慎重に考える
- 正式裁判を求めるべきかは、証拠関係や見通しを確認する
- 急いで同意する前に、手続の意味を確認する
公判請求された後の流れ
公判請求されると、刑事裁判の第一審手続が始まります。裁判では、冒頭手続、証拠調べ、論告・弁論、最終陳述、判決という流れで進むのが一般的です。
事件に争いがあるのか、事実関係を認めているのかによって、公判の回数や進み方は変わります。
起訴状で確認すること
起訴状には、被告人を特定するための事項、公訴事実、適用される罰則などが記載されます。
起訴後は、この起訴状の内容を踏まえながら、何を認め、何を争い、どこが重要な論点になるのかを整理していきます。
起訴状の内容を見ただけでは、証拠関係や見通しが分からないこともあります。公判で何を争うのかを考えるには、証拠の内容も確認する必要があります。
起訴後も勾留が続くことはあるのか
起訴された後も、被告人について勾留が続くことがあります。起訴後の勾留は、捜査段階の被疑者勾留とは別に考えます。
身柄が続くと、仕事や家庭への影響がさらに大きくなりやすいため、保釈を検討できるかどうかが重要になります。
勾留について確認したい方は、勾留についての解説も確認してください。
保釈とは何か
保釈とは、起訴後に勾留されている被告人について、保釈保証金を納めることなどを条件に、身体拘束を解いてもらう制度です。
起訴前の被疑者勾留中は、保釈を請求することはできません。起訴後に身体拘束が続いている場合に、保釈を検討します。
保釈については、保釈についての解説も確認してください。
起訴後に考えるべきこと
起訴後は、何が争点になるのか、どの証拠が重要なのか、どのような見通しがあるのかを整理することが大切です。
事実関係を争うのか、罪名や法的評価を争うのか、事実関係は認めたうえで量刑を中心に検討するのかによって、準備する内容は変わります。
事実関係を争う事件
証拠の内容、供述の信用性、客観証拠との関係を確認します。
法律上の評価を争う事件
罪名、故意、共犯性、違法性などが問題になることがあります。
量刑を中心に考える事件
示談、被害弁償、反省、再発防止、生活環境を整理します。
公判で量刑が問題になる場合
事実関係に争いがない事件でも、公判で何も準備しなくてよいわけではありません。有罪を前提にした場合でも、どのような刑が相当か、執行猶予が付く可能性があるか、再発防止策や生活環境をどう整えるかが重要になることがあります。
被害者がいる事件では、示談や被害弁償、謝罪の状況が問題になることがあります。薬物事件、交通事件、性犯罪、暴力事件などでは、再発防止策や治療、通院、家族の監督体制が意味を持つこともあります。
執行猶予については、執行猶予についての解説も確認してください。
起訴後でも示談に意味があることがあります
起訴後でも、事件によっては示談や被害回復が今後の見通しを考えるうえで意味を持つことがあります。
起訴されたから、もう何もできないというわけではありません。被害者がいる事件では、示談、被害弁償、謝罪、再発防止策をどう整えるかを検討します。
示談については、刑事事件の示談についてを確認してください。
ご家族が知っておきたいこと
ご家族としては、起訴されたと聞いた瞬間に、もう終わりだと感じてしまうことがあるかもしれません。しかし、起訴は裁判が始まるという意味であって、その時点で判決が出ているわけではありません。
今後の期日、身柄の状況、保釈の可能性、生活への影響を順番に整理することが重要です。
家族の立場での初動対応は、家族が逮捕された方へも参考になります。
起訴後対応で坂口靖が確認すること
私は、起訴後の相談では、まず起訴状の内容、起訴の種類、身柄の状況、公判の見通しを確認します。
そのうえで、事実関係を争う事件なのか、法律上の評価が問題になる事件なのか、量刑が中心になる事件なのかを整理します。事件の性質によって、公判で準備すべき証拠や主張は変わります。
起訴後対応で確認する主なポイント
起訴状・罪名
公訴事実、罪名、適用される罰則を確認します。
身柄・保釈
起訴後も勾留が続くか、保釈を検討できるかを確認します。
公判の争点
事実関係、法律上の評価、量刑のどこが問題になるかを整理します。
量刑事情
示談、被害弁償、再発防止、生活環境、家族の支援を確認します。
当事務所の対応例については、解決実績も確認してください。結果は事案ごとに異なりますが、相談前に対応のイメージを持つ参考になります。
起訴後に大切なのは、悲観だけで止まらないことです
起訴という言葉には重みがあり、聞いた直後は強い不安に包まれるのが自然です。しかし、起訴は、そこで結論が出たという意味ではありません。
公判の流れ、争点、保釈、示談、生活への影響など、ここから先に考えるべきことが続いていきます。起訴されたという事実だけで先を決めつけず、今どの段階にあり、何を優先して整理するべきかを見極めることが大切です。
第一審判決後の対応については、控訴についての解説も確認してください。

起訴後は、公判の争点、保釈、示談、執行猶予、生活への影響を整理する必要があります。起訴されたと聞いて不安な方、ご家族が勾留されたまま起訴された方は、早めにご相談ください。
