性犯罪と呼ばれる事件には、不同意わいせつ・不同意性交等、痴漢、盗撮、児童買春・児童ポルノなどがあります。同じ分野の事件でも、問題になる行為や証拠は同じではありません。
警察から連絡があったときは、事件名だけを見て不安になる必要はありません。ただ、軽く考えるべきでもありません。何を疑われているのかを確認し、相手への連絡やデータの削除をせず、手元の記録を残してください。
性犯罪に含まれる主な事件
不同意わいせつ罪や不同意性交等罪では、相手が同意していなかったか、同意しない意思を示すことが難しい状態だったかなどが問題になります。事件前後の連絡や、当日の状況を示す記録も確認されます。
痴漢は、行為の内容によって、不同意わいせつ罪や千葉県迷惑防止条例違反などが検討されます。盗撮も一律ではなく、撮影した場所や対象などにより、性的姿態等撮影罪や条例違反が問題になります。
18歳未満の相手に対する対価の提供や約束、画像や動画の所持・提供などは、児童買春・児童ポルノに関する事件として確認が必要です。複数の犯罪が同時に問題になる場合もあります。
| 事件 | 主に問題になる点 | 詳しい案内 |
|---|---|---|
| 不同意わいせつ | 同意の有無、当時の状態、事件前後の経緯 | 不同意性交等・不同意わいせつ事件 |
| 不同意性交等 | 同意の有無、行為の内容、当事者の関係 | |
| 痴漢 | 接触の内容、場所、目撃者や映像 | 事案ごとに個別確認 |
| 盗撮・撮影 | 撮影場所、対象、端末データ、送信の有無 | 盗撮・性的姿態等撮影事件 |
| 児童買春・児童ポルノ | 相手の年齢、対価、画像の取得・保存・提供 | 児童買春・児童ポルノ事件 |
同意・年齢・撮影の状況を分けて確認します
性犯罪では、本人と相手の説明が食い違うことがあります。その場合も、どちらかの説明だけで直ちに結論が出るわけではありません。
同意が問題になる事件では、知り合った経緯、当日の状況、事件後のLINEや通話履歴などを確認します。相手の年齢が問題になる事件では、プロフィールや会話の内容、年齢を確認した経緯が判断材料になります。
撮影や画像が関係する事件では、誰が撮影したのか、どこに保存されたのか、誰かへ送ったのかを分けます。端末に画像があるという事実だけで、すべて同じ評価になるわけではありません。
ご自身の事件に近い類型を確認する
- 相手との性的な行為や接触が問題になっている → 同意の有無と当時の状態を確認
- 電車や店舗などでの接触を疑われている → 痴漢として行為と場所を確認
- 撮影や画像データを疑われている → 撮影、保存、送信を分けて確認
- 18歳未満の相手や画像が関係している → 年齢認識、対価、取得経緯を確認
逮捕か在宅捜査かは事件名だけでは決まりません
性犯罪でも、逮捕される事件と、在宅のまま捜査が進む事件があります。被害者や関係者への接触、証拠への働きかけ、住居や出頭状況などが確認されます。
警察から任意の呼び出しを受けた場合も、軽く考えるべきではありません。いつ、どこで、誰と会い、どのようなやり取りがあったのかを、記録と照らしておく必要があります。
家族が逮捕の連絡を受けた場合は、警察署、担当部署、連絡を受けた時刻を記録してください。相手やその家族へ連絡する前に、本人との接見と今後の対応を検討します。
事件後の連絡と端末データには注意が必要です
謝罪したい場合でも、本人や家族から相手へ直接連絡することは勧められません。謝罪のつもりでも、威圧や口止め、接触の継続と受け取られるおそれがあります。
被害者の連絡先を無理に探すことも避けてください。被害弁償や示談を検討する場合は、事実関係を確認したうえで、連絡方法を決めます。示談が成立しても、必ず不起訴になるわけではありません。
スマートフォン、パソコン、クラウドに残るメッセージ、写真、動画、位置情報などは、事件の経緯を確認する資料になります。削除や改変をせず、そのまま残してください。
仕事・学校・家族への影響も事件ごとに異なります
性犯罪に関わったことが、直ちに勤務先や学校へ知られるとは限りません。ただし、逮捕による欠勤、会社の端末の押収、学校との連絡などから説明が必要になる場合があります。
家族は、警察からの連絡や押収された物を記録できます。一方で、本人を責めることに終始したり、相手や関係先へ勝手に連絡したりすることは避けてください。
警察から呼び出された、端末を提出した、家族が逮捕された、被害者対応に迷っているという段階では、相談を検討してください。複数の弁護士から説明を受け、対応方針や費用を比較して決めても構いません。
