少年事件が家庭裁判所へ送られた後は、調査を受け、必要に応じて少年審判が開かれます。少年鑑別所へ入る場合もありますが、それだけで少年院送致が決まったわけではありません。
この段階では、事件の内容だけでなく、家庭、学校、交友関係、今後の生活も見られます。現在どの手続にいるのかを確認し、その段階に合った準備を進めることが必要です。
家庭裁判所へ送られた後に調査が始まります
犯罪をしたと疑われる少年の事件は、警察や検察の捜査を経て、原則として家庭裁判所へ送られます。成人事件のように、検察官の判断だけで手続が終わる仕組みではありません。
家庭裁判所へ送られた時点では、処分の内容は決まっていません。非行事実があったのか、どのような処遇が本人の立ち直りにつながるのかが調べられます。
事件の内容に争いがある場合は、証拠の確認も必要です。事実を認めている場合でも、事件に至った背景や、同じ問題を繰り返す可能性が検討されます。
家庭裁判所送致後の大まかな流れ
- 警察・検察から家庭裁判所へ送致
- 家庭裁判所調査官による調査
- 必要に応じて少年鑑別所での観護措置
- 少年審判、または審判不開始の判断
- 保護処分、不処分、検察官送致などの決定
少年事件全体の特徴や、警察の捜査段階については、千葉の少年事件のページで説明しています。
少年鑑別所へ入る観護措置がとられることがあります
家庭裁判所は、審判や処分を検討するために必要があると判断した場合、少年を少年鑑別所へ送ることがあります。これを観護措置といいます。
少年鑑別所では、面接、心理検査、行動観察などが行われます。事件の取調べをする施設ではなく、本人の性格や生活上の問題、立ち直りに必要な支援を調べる施設です。
収容期間は通常は最長4週間です。一定の事件で証拠調べが必要な場合には、さらに延長されることがあります。
観護措置によって、学校や仕事を休まなければならない場合があります。面会や手紙にも施設のルールがあるため、保護者は連絡方法を確認してください。
鑑別所へ入ったからといって、少年院へ送られることが決まったわけではありません。鑑別の結果は、家庭裁判所が処遇を判断する資料の一つです。
調査官面談では事件以外の生活状況も聞かれます
家庭裁判所調査官は、本人や保護者と面談します。事件に至った経緯のほか、家庭生活、学校、仕事、友人関係、これまでの生活歴などが聞かれます。
目的は、本人を責めることだけではありません。なぜ事件が起きたのか、同じ問題を防ぐには何を変えるべきかを調べます。
面談でよく見せようとして、事実と違う説明をするべきではありません。分からないことや記憶が曖昧なことは、無理に断定せず、そのまま伝えます。
保護者も、家庭に問題はなかったと取り繕う必要はありません。これまで十分に見られていなかった事情があれば、その点を認めたうえで、今後の対応を説明します。
少年審判では非行事実と今後の処遇が判断されます
少年審判は非公開で行われます。裁判官が本人や保護者、付添人などから話を聞き、非行事実と今後の処遇を判断します。
事件を否認している場合は、非行事実が認められるかが問題になります。事実を認めている場合は、反省の言葉だけでなく、生活環境が具体的に変わったかも見られます。
すぐに最終処分を決めず、一定期間の生活状況を見る試験観察が行われる場合もあります。その期間の通学、就労、家庭生活などを踏まえて、改めて処分が判断されます。
| 主な結論 | 内容 | 生活への主な影響 |
|---|---|---|
| 保護観察 | 保護観察官や保護司の指導を受ける | 家庭などで生活しながら更生を目指す |
| 児童自立支援施設等送致 | 施設で生活指導や教育を受ける | 家庭や学校を離れて生活する場合がある |
| 少年院送致 | 少年院で矯正教育を受ける | 一定期間、施設に収容される |
| 不処分 | 審判を行ったうえで保護処分をしない | 指導などを受けて事件が終了する |
| 審判不開始 | 調査後、審判を開始せず事件を終える | 調査段階での指導を受ける場合がある |
事件の内容によっては、家庭裁判所から検察官へ送られる場合もあります。不処分、保護観察、少年院送致など、特定の結果を事前に保証することはできません。
保護者は続けられる生活環境を準備します
家庭裁判所へ示すためだけに、一時的な約束を作っても意味はありません。誰が本人を見守るのか、通学や就労をどう続けるのかを具体的に考えます。
学校の出席状況、勤務先との調整、家庭でのルールなどを資料にする場合があります。事件の原因が交友関係や生活時間にあるなら、その点への対応も必要です。
被害者がいる事件では、謝罪や被害弁償への向き合い方も確認されます。ただし、保護者が被害者やその家族へ直接連絡することは避けてください。
通院や支援機関への相談が必要な場合もあります。ただし、相談を始めただけで再非行が防げる、特定の処分になると保証できるものではありません。
保護者の具体的な関わり方は、少年事件で親がすべきことでも説明しています。
付添人は調査と審判に向けた準備を行います
家庭裁判所へ送られた後、弁護士は付添人として活動します。本人の説明を確認し、調査官面談や少年審判に向けた準備を進めます。
少年鑑別所へ入っている場合は、本人と面会し、現在の状況や考えを確認します。保護者、学校、勤務先などとの環境調整は、外で並行して進めます。
事件を争う場合は、捜査記録や本人の説明を確認します。事実を認める場合は、被害への向き合い方と、再非行を防ぐための環境を家庭裁判所へ伝えます。
家庭裁判所から呼出状が届いた、観護措置が決まった、調査官面談や審判の期日が決まったという段階では、相談を検討してください。複数の弁護士から説明を受け、方針や費用を比較して決めても構いません。

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