少年事件でご家族が不安を抱える場面の中でも、「少年鑑別所に入ることになった」「少年院とはどう違うのか分からない」「中で何をしているのか知りたい」と感じる方は多いと思います。少年事件では、家庭裁判所に送られたあと、必要があると判断されると、少年が少年鑑別所に収容されることがあります。
もっとも、少年鑑別所に入ると聞くと、すぐに少年院を連想してしまう方も少なくありません。しかし、少年鑑別所は、少年院とは役割が違います。少年審判を進めるために、少年の心身の状態や生活環境、今後の立ち直りの方向を見極めるための施設であり、その意味を正確に理解することが大切です。
少年事件全体の流れを先に確認したい方は、少年事件とはや、少年審判とは|流れ・観護措置・保護処分・逆送を弁護士が解説もあわせてご覧ください。
少年鑑別所とは何か
少年鑑別所とは、家庭裁判所が少年審判を進めるにあたって、少年の処分を適切に決めるために必要な鑑別を行う施設です。少年の性格、生活歴、家庭環境、心身の状況などを把握するために、面接や心理検査などが行われます。
そのため、少年鑑別所は、処分を決める前に少年を見極めるための場所という性格が強い施設です。少年院のように、保護処分として送られた後に長期間の矯正教育を受ける施設とは位置付けが異なります。
少年鑑別所に入るのはどんなときか
家庭裁判所に事件が送られたあと、審判を円滑に進めたり、処分を適切に決めたりするために必要があると判断されると、観護措置が取られ、少年が少年鑑別所に収容されることがあります。
たとえば、心身の状況を詳しく見極める必要がある場合、調査や審判に出頭しないおそれがある場合、周囲からの悪影響を一時的に遮断する必要がある場合などに、観護措置が問題になります。観護措置が取られたからといって、そのまま必ず少年院送致になるわけではありません。
観護措置とは何か
観護措置とは、家庭裁判所が、少年審判のために必要があると判断した場合に、少年を少年鑑別所に送致して一定期間収容する措置をいいます。これは、刑罰そのものではなく、審判を適切に行うための前段階の措置です。
ご家族としては、観護措置が取られると急に不安が大きくなると思いますが、観護措置の目的は、少年の状態を見極めることにあります。そのため、観護措置が決まった段階では、まだ最終的な処分が決まったわけではありません。
どれくらいの期間収容されるのか
少年鑑別所に収容される期間は、通常は最長4週間です。ただし、一定の事件で証拠調べが必要な場合などには、さらに延長されることがあります。
そのため、短期間で終わる場合もあれば、一定期間の収容が続く場合もあります。ご家族としては、いま観護措置がいつまでなのか、延長の可能性があるのかを早めに確認することが大切です。
少年鑑別所では何が行われるのか
少年鑑別所では、面接、行動観察、心理検査などを通じて、少年の性格や心身の状態、非行に至った背景、今後の処遇の方向などが見られます。単に事件の内容だけを見るのではなく、少年がどのような生活を送り、どのような問題を抱えていたのかが確認されます。
また、施設内では、日々の生活の中での行動や態度も見られます。少年審判では、事件の一場面だけでなく、その少年がどのような環境の中で生活し、どのように立ち直っていけるかが重視されるため、少年鑑別所での観察や検査も大きな意味を持ちます。
少年院との違い
少年鑑別所と少年院は同じではありません。少年鑑別所は、処分を決める前に、少年の心身の状況や処遇の方向を見極めるための施設です。これに対し、少年院は、保護処分として送られた少年が、矯正教育を受ける施設です。
つまり、少年鑑別所は「処分前の見極め」、少年院は「処分後の教育」という違いがあります。そのため、少年鑑別所に入ったと聞いても、直ちに少年院送致が決まったと考えるのは正確ではありません。
面会や連絡はできるのか
少年鑑別所では、面会が認められることがあります。保護者、付添人、そのほか必要と認められる方との面会が問題になります。
もっとも、実際の運用は事案や施設の判断によって変わることがあります。そのため、ご家族としては、面会がいつからできるのか、どのような方法で連絡を取れるのかを、付添人や施設を通じて確認することが大切です。
鑑別結果はどう使われるのか
少年鑑別所での鑑別結果は、家庭裁判所が少年審判で処分を決める際の重要な資料になります。少年の性格や非行の背景、再非行のおそれ、更生に向けた環境などが、処分を考えるうえで参考にされます。
そのため、少年鑑別所で何が見られているのかを理解せずにいると、見通しを誤りやすくなります。少年審判では、事件の内容だけではなく、少年の立ち直りの可能性が大きく見られていることを意識することが大切です。
保護者にとって大切なこと
少年鑑別所に入ると、ご家族としては大きな不安やショックを受けると思います。しかし、保護者の対応は、その後の少年審判でも見られることがあります。家庭裁判所は、少年本人だけでなく、家庭環境や監督状況も確認するためです。
そのため、保護者としては、ただ感情的に叱るだけではなく、今後どのように生活を立て直すのか、学校や生活環境をどう整えるのか、再非行防止のために何ができるのかを考えることが重要です。
少年鑑別所の段階で弁護士へ相談する重要性
少年鑑別所の段階で、早めに弁護士へ相談することはとても重要です。少年事件では、弁護士は付添人として、少年や保護者の話を整理し、家庭裁判所に何を伝えるべきかを考え、手続の見通しを整えていきます。
また、観護措置が取られている場合には、その必要性や、今後の処分の見通しも重要な問題になります。少年院送致の可能性があるのか、保護観察や不処分の可能性を考えられるのかを見極めるためにも、早い段階で整理することが大切です。
千葉で少年鑑別所について不安を抱えている方へ
千葉で少年鑑別所について不安を抱えている方は、まず、事件が家庭裁判所に送られているのか、観護措置がいつまでなのか、今後の審判の予定はどうかを整理することが大切です。少年鑑別所は、少年院とは違い、処分を決める前に少年の状況を見極めるための施設です。
ご本人だけで抱え込まず、ご家族の方も含め、できるだけ早く今後の見通しを確認することが重要です。少年事件全体の流れを確認したい方は、少年事件とはや、少年審判とは|流れ・観護措置・保護処分・逆送を弁護士が解説もあわせてご覧ください。
少年鑑別所に関するよくあるご質問
少年鑑別所とは何ですか
少年鑑別所とは、家庭裁判所が少年審判のために、少年の心身の状況や処遇の方向を見極めるための施設です。面接や心理検査などを通じて、処分を適切に決めるための資料が整えられます。
少年鑑別所と少年院は何が違うのですか
少年鑑別所は、処分を決める前に少年の状況を見極めるための施設です。これに対し、少年院は、保護処分として送られたあとに矯正教育を受ける施設です。役割も時期も異なります。
少年鑑別所にはどのくらい入るのですか
通常は最長4週間です。ただし、一定の事件では延長されることがあります。実際にどのくらいになるかは、事件の内容や手続の進み方によって変わります。
観護措置が延長されるのはどのような場合ですか
一定の事件で証拠調べが必要な場合などには、観護措置の期間が延長されることがあります。延長の有無や見通しは、事件の内容や家庭裁判所の判断によって変わるため、早めに確認することが大切です。
少年鑑別所では何をするのですか
面接、行動観察、心理検査などを通じて、少年の性格、心身の状態、非行の背景、今後の処遇の方向などが見られます。事件の内容だけでなく、生活全体や立ち直りの可能性が確認されます。
面会はできますか
面会が認められることがあります。保護者、付添人、そのほか必要と認められる方との面会が問題になります。ただし、具体的な運用は事案や施設によって異なることがあるため、早めに確認することが大切です。
少年鑑別所に入ると、そのまま少年院に行くのですか
そのようには限りません。少年鑑別所は、処分前の見極めのための施設です。少年院送致になることもありますが、保護観察、不処分、審判不開始など、ほかの結論になることもあります。
鑑別結果は審判にどう影響しますか
鑑別結果は、家庭裁判所が処分を決める際の重要な資料になります。少年の性格、非行の背景、再非行のおそれ、更生環境などが、保護観察、少年院送致、不処分などの見通しに関わることがあります。
保護者は何をすればよいですか
まずは、観護措置がいつまでなのか、今後の審判の予定はどうかを確認することが大切です。そのうえで、家庭環境や生活環境をどう整えるのか、今後の立て直しに向けて何ができるのかを考える必要があります。

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