▶ 無罪判決4件(裁判員裁判含む)刑事事件600件   

少年審判とは 流れ・観護措置・保護処分・逆送を弁護士が解説

家庭裁判所の少年審判を連想させる審判廷のイメージ

少年事件で不安を抱えている方の中には、「家庭裁判所では何が行われるのか」「少年審判ではどのような処分が決まるのか」「少年院送致になるのか、それとも保護観察なのか」など、さまざまな悩みを抱えている方がいらっしゃると思います。少年事件では、捜査が終わればすぐに大人と同じ刑事裁判になるわけではなく、家庭裁判所で少年審判の手続が進むことがあります。

また、少年審判では、成人の刑事裁判と同じ考え方だけでは整理できません。非行事実の有無だけでなく、少年の性格、家庭環境、学校や交友関係、今後の立ち直りの可能性なども含めて見られることがあるためです。そのため、少年審判では、現在どの段階にあるのか、どのような資料や事情が見られるのかを、早い段階で整理することが大切です。

少年事件全体の流れを先に確認したい方は、少年事件とはや、少年事件の流れとは|家庭裁判所に送られた後の手続と処分を解説もあわせてご覧ください。

少年審判とは何か

少年審判とは、家庭裁判所が少年事件について、非行事実の有無や、どのような処分が相当かを判断するための手続です。大人の刑事裁判のように刑罰を科すことを中心にするのではなく、少年の更生や再非行防止の観点から、どのような対応が相当かを見ていく点に特徴があります。

もっとも、少年審判は単に「やさしい手続」というわけではありません。事案の内容によっては、少年院送致や検察官送致が問題になることもあります。そのため、少年審判では、軽い手続だと決めつけず、今後の見通しを正確に把握することが重要です。

成人の刑事裁判との違い

成人の刑事裁判は、検察官が立証し、裁判所が有罪か無罪か、どの刑罰を科すかを判断する手続です。これに対し、少年審判では、非行事実だけでなく、その少年がどのような環境で生活し、今後どう立ち直っていくかが重視されます。

そのため、少年審判では、事件の一場面だけではなく、生活歴、家庭環境、学校での状況、交友関係、保護者の監督状況なども見られます。少年事件では、「何をしたのか」だけでなく、「今後どう更生していくのか」が大きなテーマになります。

少年審判の対象になる事件

家庭裁判所が扱う少年事件には、罪を犯した14歳以上20歳未満の少年の事件、14歳未満の触法少年の事件、18歳未満のぐ犯少年の事件があります。14歳未満の少年は刑罰の対象ではありませんが、触法少年として家庭裁判所の手続が問題になることがあります。

そのため、少年審判のページでは、何歳の少年なのか、どのような非行類型なのかによって、見通しや処分の幅が変わることを意識しておくことが大切です。

家庭裁判所に送られた後の流れ

少年事件では、警察や検察官などから家庭裁判所に事件が送られ、その後、必要に応じて観護措置が取られ、家庭裁判所調査官による調査が行われます。そのうえで、少年審判が開かれ、最終的な処分が決められていきます。

もっとも、すべての事件が同じ流れで進むわけではありません。観護措置が取られないまま在宅で進むこともありますし、試験観察を経て最終的な処分が決まることもあります。少年審判では、いま観護措置の段階なのか、調査段階なのか、審判直前なのかによって、考えるべきことが変わります。

観護措置とは何か

観護措置とは、家庭裁判所に送られた少年について、審判を円滑に進めたり、処分を適切に決めたりするために必要がある場合に、少年鑑別所に収容する措置をいいます。事件の内容だけでなく、出頭しないおそれがあるか、周囲の悪影響から離す必要があるかなども見られることがあります。

観護措置が取られると、ご家族としては急に先が見えなくなり、不安が大きくなりやすいと思います。しかし、観護措置が取られたからといって、そのまま必ず少年院送致になるわけではありません。観護措置は、あくまでその後の判断のための段階として位置付けられます。

家庭裁判所調査官の調査とは

少年審判では、家庭裁判所調査官による調査が重要になります。通常は、家庭裁判所から呼出しがあり、少年や保護者が家庭裁判所に出向いて面接を受けることになります。

この調査では、事件の内容だけでなく、家庭の状況、学校や仕事、友人関係、これまでの生活歴などが聴かれます。これは、非行に至った原因を探り、どうすれば再非行を防げるかを見極めるためです。そのため、少年審判では、事件の一場面だけではなく、少年を取り巻く生活全体が見られることになります。

付添人の役割とは何か

少年事件で弁護士は、付添人として活動します。付添人は、非行事実についての整理や主張を行うだけでなく、少年がどのように反省し、どのような環境を整えれば立ち直りにつながるのかを家庭裁判所に伝える役割も担います。

また、観護措置が取られている場合には、その必要性についての意見を述べたり、保護者や学校と連携しながら、更生環境を整えるための資料を集めたりすることもあります。少年審判では、付添人がどのように関与するかによって、見え方が変わる場面があります。

試験観察とは何か

少年審判では、すぐに最終的な処分を決めるのではなく、試験観察に付されることがあります。試験観察は、最終的な処分を決める前に、一定の期間、少年の様子を見ながら、立ち直りの可能性を見極めるための制度です。

この期間中は、家庭裁判所調査官が助言や指導を行いながら、少年が自分の問題点を改善しようとしているかどうかが見られます。その結果を踏まえて、保護観察や少年院送致などの最終的な処分が決まることになります。

少年審判で決まる主な処分

少年審判の結果としては、保護処分、不処分、審判不開始、検察官送致などが問題になります。保護処分には、保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致があります。

保護観察は、社会内での立ち直りが可能と判断された場合に選ばれることがあります。これに対し、少年院送致は、より強い働きかけが必要と考えられる場合に問題になります。また、すべての事件で処分がされるわけではなく、調査や教育的な働きかけの結果、不処分や審判不開始で終わることもあります。

不処分や審判不開始とは何か

不処分や審判不開始という言葉だけを見ると、何もしないで終わるように感じるかもしれません。しかし、実際には、家庭裁判所が調査や教育的な働きかけをしたうえで、保護処分までは必要ないと判断して終局している場合があります。

そのため、不処分や審判不開始は、単に「軽かったから終わった」とだけ理解するのではなく、調査や働きかけの結果として、その段階では処分までは不要と判断されたものとして理解することが大切です。

逆送とは何か

少年審判では、家庭裁判所が保護処分ではなく、刑事処分が相当と判断した場合、事件が検察官に送られることがあります。これが、いわゆる逆送です。検察官送致がされると、その後は成人の刑事裁判に近い流れへ進むことになります。

特に、重大事件では逆送が大きな争点になります。そのため、少年審判の段階で、家庭裁判所が保護処分を考えるのか、それとも検察官送致を視野に入れているのかは、見通しを考えるうえで非常に重要です。

特定少年とは何か

18歳・19歳の少年は、特定少年として扱われます。特定少年も少年法の適用対象ですが、17歳以下の少年とまったく同じ扱いではありません。

特に、逆送の範囲や、その後の扱いで違いが問題になる場面があります。そのため、18歳・19歳の事件では、「少年事件だから大丈夫」と単純に考えるのではなく、特定少年としてどのような扱いがあり得るのかを踏まえて見通しを考える必要があります。

保護者にとって大切なこと

少年審判では、少年本人だけでなく、保護者の対応も見られることがあります。家庭裁判所は、少年だけでなく、その家庭環境や監督状況も確認するためです。そのため、保護者としては、何が起きたのかを感情だけで処理するのではなく、いま家庭裁判所が何を見ているのかを意識することが大切です。

また、保護者が少年を強く責め続けるだけでは、必ずしもよい方向に働くとは限りません。反省をどう形にするのか、今後の生活をどう立て直すのか、学校や生活環境をどう整えるのかも含めて考えることが重要です。

少年審判で早期に弁護士へ相談する重要性

少年審判では、早めに弁護士へ相談することが重要です。少年事件では、弁護士は付添人として活動し、少年や保護者の話を整理し、家庭裁判所に何を伝えるべきかを考え、手続の見通しを整えていきます。

また、少年審判では、非行事実を争うのか、事実は認めたうえで処分を軽くする方向を考えるのかによって、対応が大きく変わります。観護措置が取られている場合、逆送が問題になる場合、少年院送致の可能性がある場合などでは、特に早い段階での整理が重要です。

千葉で少年審判について不安を抱えている方へ

千葉で少年審判について不安を抱えている方は、まず、事件が家庭裁判所に送られているのか、観護措置が取られているのか、調査段階なのか、審判が近いのかを整理することが大切です。少年審判では、いまどの段階にあるのかによって、考えるべき対応が変わります。

少年事件は、大人の刑事事件と同じ感覚で見てしまうと、見通しを誤ることがあります。千葉で少年事件に直面し、不安の中でどう動けばよいか分からない方は、ご本人だけで抱え込まず、ご家族の方も含め、できるだけ早く今後の見通しを確認することが重要です。

少年事件全体の流れを確認したい方は、少年事件とはや、少年事件の流れとは|家庭裁判所に送られた後の手続と処分を解説もあわせてご覧ください。

少年審判に関するよくあるご質問

少年審判とは何ですか

少年審判とは、家庭裁判所が、非行事実の有無や、どのような処分が相当かを判断するための手続です。大人の刑事裁判のように刑罰を科すことを中心とするのではなく、少年の更生や再非行防止を重視して進められる点に特徴があります。

観護措置が取られた場合、本人はどこに収容されますか

観護措置が取られた場合、通常は少年鑑別所に収容されます。観護措置は、審判を円滑に進めたり、処分を適切に決めたりするために必要がある場合に取られる措置であり、そのまま必ず少年院送致になるわけではありません。

付添人は具体的に何をするのですか

付添人は、非行事実についての整理や主張を行うだけでなく、少年の反省の状況、家庭環境、学校や生活の立て直しなどを家庭裁判所に伝え、どのような処分が相当かについて意見を述べます。観護措置や逆送が問題になる場面でも重要な役割を果たします。

少年審判ではどのような処分がありますか

主なものとして、保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等送致といった保護処分があります。そのほか、不処分、審判不開始、検察官送致が問題になることもあります。どの処分が相当かは、事件の内容だけでなく、家庭環境や立ち直りの可能性も含めて見られます。

試験観察とは何ですか

試験観察とは、すぐに最終的な処分を決めるのではなく、一定の期間、少年の様子を見ながら立ち直りの可能性を見極めるための制度です。その結果を踏まえて、保護観察や少年院送致などの最終的な処分が決められます。

逆送とは何ですか

逆送とは、家庭裁判所が保護処分ではなく刑事処分が相当と判断して、事件を検察官に送ることをいいます。逆送がされると、その後は成人の刑事裁判に近い流れへ進むことになります。重大事件では特に重要な分岐点になります。

特定少年になると何が違うのですか

18歳・19歳の少年は特定少年として扱われます。少年法の適用対象ではありますが、17歳以下の少年と同じではなく、逆送の範囲などで違いが問題になる場面があります。そのため、18歳・19歳の事件では特定少年としての扱いを前提に見通しを考える必要があります。

保護者は何をすればよいですか

まずは、いま事件がどの段階にあるのかを整理することが大切です。そのうえで、家庭環境や今後の生活をどう整えるのか、学校や生活面でどのような支えができるのかを考える必要があります。少年審判では、保護者の対応も見られることがあります。

プロスペクト法律事務所の弁護士坂口靖の写真

弁護士 坂口 靖

プロスペクト法律事務所 / 千葉県弁護士会所属

千葉で刑事事件に注力。逮捕・示談・不起訴のご相談に対応しています。

千葉県内全域(千葉市、船橋市、市川市、松戸市、柏市、木更津市、館山市、匝瑳市、東金市、銚子市など)の刑事事件に迅速対応。 年中無休対応即日接見対応。