千葉県弁護士会所属、プロスペクト法律事務所の弁護士坂口靖です。
海外から届いたチョコレートバー、グミ、食品、サプリメント、電子タバコ用リキッドなどに麻薬成分や違法薬物が含まれていた場合、日本国内では薬物輸入事件として重大な刑事事件になることがあります。
「海外では合法だと思っていた」
「麻薬成分が入っているとは知らなかった」
「友人から送られてきただけだった」
「中身を知らずに受け取った」
「少量だから大きな事件にはならないと思っていた」
このような場合でも、税関や警察の捜査対象になることがあります。
このページでは、海外から届いた食品や荷物に麻薬成分が含まれていた場合に、どのような刑事責任が問題になるのか、逮捕後の流れ、故意の有無、不起訴の可能性、取調べで注意すべきことを解説します。
このページで知ってほしいこと
海外から届いた食品や荷物に違法薬物が含まれていた場合、麻薬及び向精神薬取締法違反、関税法違反、麻薬特例法違反などが問題になることがあります。
もっとも、薬物輸入事件では、単に荷物を受け取ったというだけで直ちに結論が決まるわけではありません。
本人が中身を知っていたのか、麻薬成分が含まれていることを認識していたのか、誰が注文したのか、誰が発送を依頼したのか、購入履歴や通信履歴、決済記録がどうなっているのかが重要になります。
そのため、薬物輸入事件では、早い段階で事実関係と証拠関係を整理することが大切です。
麻薬入り食品・海外から届いた荷物で問題になること
海外では合法的に販売されている食品や製品であっても、日本国内では違法薬物として扱われる成分が含まれている場合があります。
たとえば、チョコレートバー、グミ、キャンディ、サプリメント、オイル、電子タバコ用リキッドなどの形で、麻薬成分や大麻成分、その他の規制薬物が含まれていることがあります。
本人としては「普通の食品だと思っていた」「海外の合法商品だと思っていた」という場合でも、日本の法律上、輸入が禁止される成分が含まれていれば、薬物事件として捜査される可能性があります。
特に国際郵便や海外通販を利用した場合には、税関で発見され、その後、警察や麻薬取締部の捜査につながることがあります。
薬物輸入事件で重要になる「故意」とは
薬物輸入事件で特に重要になるのは、本人に故意があったかどうかです。
ここでいう故意とは、簡単にいえば、違法薬物が含まれていることを知っていたのか、少なくともその可能性を認識していたのかという問題です。
たとえば、
海外から発送された荷物の中身を知らなかった
友人や第三者が勝手に荷物を送ってきた
自分では注文していない
商品説明では通常の食品やサプリメントのように見えていた
決済記録や購入履歴に本人の関与が見当たらない
通信履歴から違法薬物と知っていた事情が確認できない
といった事情がある場合には、故意の有無が大きな争点になることがあります。
ただし、「知らなかった」と言えばそれだけで不起訴になるわけではありません。
発送元、購入経緯、決済記録、スマートフォンの履歴、相手とのやり取り、過去の注文歴、受け取り方などを総合的に見て判断されます。
逮捕された場合の刑事手続の流れ
薬物輸入事件で逮捕されると、まず警察や関係機関で取調べを受けることになります。
逮捕後は、原則として最大72時間の身体拘束の中で、検察官が勾留を請求するかどうかを判断します。
裁判所が勾留を認めると、さらに原則10日間、延長されると最大20日間の身体拘束が続くことがあります。
薬物事件では、共犯者の有無、入手経路、証拠隠滅のおそれなどが問題になりやすく、勾留が続くケースも少なくありません。
そのため、逮捕直後の段階から、本人の認識、荷物の受け取り経緯、購入や決済への関与、通信履歴の内容を整理することが重要になります。
取調べで注意すべきこと
薬物輸入事件では、取調べでの供述内容が非常に重要です。
本人が本当に中身を知らなかった場合でも、あいまいな説明をしたり、事実と違う内容に合わせてしまったりすると、後から争うことが難しくなる場合があります。
たとえば、
「たぶん自分が頼んだと思う」
「中身は何となく分かっていたかもしれない」
「相手に頼まれて受け取っただけだが、詳しくは覚えていない」
「違法なものかもしれないとは思った」
といった供述が、本人の認識を示す事情として扱われる可能性があります。
分からないことは分からない、覚えていないことは覚えていないと整理することが大切です。
また、供述調書に署名押印する前には、内容が自分の認識と合っているかを慎重に確認する必要があります。
不起訴となる可能性が問題になるケース
薬物輸入事件でも、事案によっては不起訴となる可能性があります。
特に、本人が違法薬物と知らずに受け取った可能性がある場合や、購入・発送・決済・通信履歴などから本人の関与を十分に立証できない場合には、不起訴の可能性が問題になります。
もっとも、不起訴になるかどうかは、荷物の内容、数量、発送元、受け取り経緯、本人の供述、スマートフォンの履歴、関係者とのやり取り、前科前歴などによって変わります。
そのため、「知らなかったから大丈夫」と自己判断するのは危険です。
不起訴を目指す場合には、本人の認識を裏付ける事情や、故意を争うために必要な資料を早めに整理することが重要です。
弁護士が確認するポイント
薬物輸入事件で弁護士が確認するポイントは、主に次のような事情です。
荷物は誰が注文したのか
発送元はどこか
本人は荷物の中身を知っていたのか
商品説明や購入画面にどのような記載があったのか
決済は誰が行ったのか
スマートフォンやSNSにどのようなやり取りが残っているのか
過去にも同じような荷物を受け取っていたのか
受け取り時に不自然な行動があったのか
共犯者や関係者とされる人物がいるのか
これらの事情を整理したうえで、取調べ対応、勾留に対する意見、検察官への意見書提出、不起訴に向けた主張、必要に応じた保釈請求などを検討します。
薬物輸入事件は早期相談が重要です
海外から届いた食品や荷物が問題となる薬物事件では、早い段階での対応が重要です。
特に、故意の有無が争点になる事件では、最初の取調べでどのように説明するか、どの資料を整理するかが、その後の見通しに影響することがあります。
本人が「知らなかった」と話している場合でも、その説明を裏付ける事情を整理しなければ、捜査機関に十分に伝わらないことがあります。
また、ご家族としても、突然の逮捕で何をすればよいか分からないことが多いと思います。
そのような場合には、どこの警察署にいるのか、容疑名は何か、いつ逮捕されたのか、荷物はどのようなものだったのか、本人が認めているのか否認しているのかを確認し、早めに弁護士へ相談することが大切です。
千葉で薬物事件・刑事事件にお困りの方へ
プロスペクト法律事務所では、薬物事件、逮捕後の接見、取調べ対応、勾留に対する対応、不起訴に向けた事情整理、保釈請求、刑事裁判への対応などを行っています。
薬物輸入事件では、事実関係や証拠関係によって対応方針が大きく変わります。
海外から届いた荷物、麻薬入り食品、チョコレートバー、グミ、サプリメント、リキッドなどが問題となっている場合には、自己判断で説明する前に、まず状況を整理することが重要です。
千葉で薬物事件や刑事事件についてお困りの方は、早めにご相談ください。
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