大阪府大阪狭山市のスーパーマーケットで、高齢ドライバーによる大きな事故が起きました。運転していた89歳の男性は、過失致傷の疑いで現行犯逮捕されています。一方で、池袋暴走事故では逮捕されなかった飯塚幸三受刑者との違いが、再び注目されています。
私は弁護士ドットコムニュースの取材を受け、この差が生じる理由について解説しました。取材記事はこちらです。
https://www.bengo4.com/c_2/n_13807/
今回は、交通事故で逮捕される基準や、現場での判断がどのように作用するのかを、千葉で交通事故・刑事事件を扱う立場からお伝えします。
交通事故で逮捕される基準とは
法律上の逮捕要件は厳しい
逮捕が認められるのは、住所不定や、逃亡の可能性がある場合です。また、証拠隠滅のおそれがある場合も含まれます。ただし、交通事故では客観的な証拠が残りやすく、隠滅は困難です。
今回の事故では結果が重大だった
男性1名が亡くなり、2名が重傷を負っています。重大事故では、警察が逃亡の可能性を高く見積もる傾向があります。そのため、結果の重さが逮捕判断に影響したと考えられます。
では、なぜ現行犯逮捕が行われたのか
現場の判断が大きく作用する
現行犯逮捕は、裁判所の令状が不要です。警察官が「逃亡のおそれがある」と判断すれば、現場の評価だけで逮捕に至ります。そのため、実務では逮捕されるケースが多くあります。
判断にばらつきが生じやすい
被害の大きさを見て、「重い刑を避けるため逃げるかもしれない」と評価されることがあります。その結果、実務では要件が形式どおりに運用されていない場合もあります。
池袋暴走事故と何が違ったのか
池袋事故では証拠が十分に残っていた
当時の防犯カメラやドライブレコーダーにより、証拠は多く残っていました。したがって、隠滅の可能性は低かったといえます。
社会的地位や生活状況も影響した
飯塚受刑者は、しっかりした住居や生活基盤がありました。逃亡の可能性が低いと判断され、逮捕には至りませんでした。
公平とは言いがたい運用が実務の現実
運用に差が生じる背景には、現場警察官の判断という性質があります。しかし、勾留の段階では裁判所の審査が入ります。ここで、より公平な判断に近づきます。
交通事故で逮捕された場合に重要な点
勾留を回避できる可能性は十分にある
逮捕後、勾留されるかどうかは別問題です。適切な弁護活動によって、勾留が避けられるケースも多くあります。
早い段階で弁護士に相談することが大切
交通事故では、初動対応がその後の処分に直結します。ご家族が逮捕された場合や、警察対応に不安がある場合は、早めにご相談ください。
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千葉県弁護士会所属
プロスペクト法律事務所
弁護士 坂口 靖
