知床観光船事故の法的責任はどうなるのか
北海道・知床半島沖で観光船「KAZU1(カズワン)」が遭難し、多数の死者が出た事故について、 刑事責任と民事責任の両面から考えられる法的問題をわかりやすく整理しました。 まず、この事故がどのような点で法的責任に発展しうるのかを確認します。
詳細は、弁護士ドットコムニュースの取材記事をご覧ください。
https://www.bengo4.com/c_18/n_14415/
刑事責任が問われる可能性
まず、船舶事故では「業務上過失往来危険罪」や「業務上過失致死傷罪」が成立する可能性があります。 特に、航行中に危険が生じたり死傷者が出た場合、これらの罪が問題になります。
■ 法定刑
業務上過失往来危険罪:3年以下の禁錮または50万円以下の罰金
業務上過失致死傷罪:5年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金
操船を担当する船長は、天候判断や航行に関する注意義務を負っています。 そのため、過失が認められれば責任が問われます。さらに、事故当日の天候悪化も重要な要素です。 しかしながら、船長が行方不明である点から、刑事責任の追及が難しくなる可能性も否定できません。
会社代表者が責任を負うケース
次に、会社側の管理・監督責任が問われる可能性です。 当日は強風・波浪注意報が出ていたほか、以前の事故歴や修繕不足が報じられています。 特に、会社側の判断や管理体制が不十分であった場合、代表者の責任が問題になります。
たとえば「出航すべきではなかった」「修繕を怠っていた」などの事情が認められれば、 会社の代表者に注意義務違反があったと評価される可能性があります。 ただし、過失と事故の因果関係を立証するのは容易ではなく、現時点では責任追及が可能かどうかは断言できません。
民事責任について
一方で、観光船事業者は乗客に対して不法行為責任(民法709条・715条)や債務不履行責任(民法415条)を負う可能性があります。 また、操船した船長にも不法行為責任が及ぶ場合があります。 さらに、観光船事業者は通常保険に加入しているため、被害者が損害賠償を受けられないという事態は考えにくいといえます。
こうした背景から、被害者やご家族にとっては民事責任の追及が非常に重要です。 特に、事故原因の解明と損害の範囲の確認が欠かせません。
事故は複数の要因が絡み合う
事故では、天候判断、機関故障、事故歴、管理体制など、 複数の要因が複雑に関係している可能性があります。 したがって、最終的な責任判断には、今後の捜査結果や専門分析を待つ必要があります。
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千葉県弁護士会所属
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弁護士 坂口 靖
