警察から職務質問を受ける場面は珍しくありません。まず、多くの人が「拒否できるのか」と不安を感じます。また、警察署への同行を求められるケースもあります。
今回取り上げる相談では、仕事で使う工具を持ち歩いていた人が職務質問を受けました。さらに、バッグの中身をすべて見せるよう求められ、不快に感じたようです。
職務質問は法律上は拒否できる
職務質問は警察官職務執行法に基づくものです。しかし、あくまで任意の手続きです。したがって、バッグの提示や同行は本来拒否できます。
ただし、実際には簡単ではありません。なぜなら、警察は「異常な挙動」などを広く解釈する傾向があるからです。また、強く説得してくる場面も多くあります。
現場で拒否が難しい理由
職務質問が適法と判断されると、有形力が認められる場合があります。つまり、進路を塞ぐなどの行為が許されることがあります。
さらに、これを無理に振り払うと、公務執行妨害で逮捕されるおそれもあります。したがって、その場で強く拒否することは現実的には難しくなります。
拒否するなら録音・録画が重要
職務質問でのトラブルは「言った言わない」になりがちです。また、警察官の証言が優先されることも多くあります。
そのため、拒否するのであれば録音や録画が必須です。つまり、自分の行動を客観的に残すことが最も有効な対策になります。
「拒否したら連れて行く」は許されない
職務質問での同行は任意です。したがって、「拒否したら連れて行く」という発言は不当です。また、誤解を与える危険性もあります。
さらに、このような発言で強制的に連行した場合、違法な身体拘束と評価される可能性があります。
不安を感じた段階で早めの相談を
職務質問の対応は、その後の流れにも影響します。つまり、軽く見てしまうと不利な状況に進む可能性があります。
プロスペクト法律事務所では、刑事事件の相談を随時受け付けています。まずは早めにご相談いただくことをお勧めします。
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千葉県弁護士会所属
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弁護士 坂口 靖
