先日、覚醒剤取締法違反事件での保釈について大変苦労した事件がありました。
起訴後、第1回公判期日前までに保釈を得られるかどうかというのは
被告人にとっては非常に重要です。
この点、公判期日がある程度進行した場合には保釈が認められる可能性は非常に高まります。
今回の事件では、検察官が強硬に保釈に反対していたため、なかなか保釈が認められませんでした。
起訴直後に保釈請求を実施したものの、保釈却下決定となり、直ちに準抗告申立をしましたが、棄却されてしまいました。
その後、約1週間後に再度保釈請求を実施しましたが、再び保釈却下となり、直ちに準抗告をしましたが、棄却されてしまいました。
さらにその数日後、3回目の保釈請求をしたところ、保釈許可決定が出され、今度は検察官が準抗告をしましたが、棄却され、依頼者はようやく保釈されました。
この短期間で、我ながらしつこい保釈請求をしたものだと感心します。
この点、起訴直後の保釈が却下されてしまった場合、事情変更がなければ保釈は認められないよ等と説明して、2回目の保釈請求は第1回公判後まで申立をしてくれない
等というケースをよく見かけますし、セカンドオピニオンでもよく耳にします。
しかし、事情変更というのは、「第1回公判が実施されること」だけを指すものではありません。
事情変更というのは、弁護人のアイデア等によって作り出していくこともできます。
何をヒントに事情変更を作り出すというのかというと、
それは、保釈請求をした際に裁判所に提出される検察官求意見であったり、
準抗告をした際の裁判所の決定理由などが非常に大きなヒントになります。
にもかかわらず、多くの弁護士は、保釈請求をしても、検察官の求意見書を読んだりしていませんし、
準抗告もしていなかったりします。
そのような最低限のことすらやっていないのにもかかわらず、事情変更が無いと保釈は認められない等と依頼者に説明するというのは
非常に不誠実です。
仮に、保釈請求が認められないと悩んでいる方のご家族様であれば、
その担当弁護士さんに、検察官求意見を確認しているのか、準抗告はしたのかを確認してみてください。
それらをしていない弁護士さんであった場合には、残念ですが、
明確に外れの弁護士さんですし、能力も低いものと言わざるを得ません。
早期保釈を希望するのであれば、ちゃんとしっかりとした実績のある弁護士に依頼するようにしてください。