アニメ「スーパーカブ」を特集したフリーペーパーがフリマアプリで売買され、大量持ち出しも確認されたと報じられました。「無料の冊子を何冊持ち出そうと自由では?」と思われる方もいるかもしれません。
私は弁護士ドットコムニュースの取材を受け、この問題がどのような法的リスクにつながるのかを解説しました。取材記事はこちらです。
https://www.bengo4.com/c_1009/n_13308/
ここでは、フリーペーパーの「大量持ち出し」や「転売」にどのような違法性が生じる可能性があるのかを、千葉で刑事事件を扱う立場からわかりやすく説明します。
フリーペーパーの大量持ち出しは窃盗罪に当たるのか
施設の意思に反して持ち出すと窃盗罪になる可能性
窃盗罪は「占有者の意思に反して占有を取得する」場合に成立します。フリーペーパーは無料ですが、発行者や設置施設が「転売目的の持ち出し禁止」などを掲示している場合、その意思に反した持ち出しは窃盗に当たり得ます。
「無料だから自由」ではない理由
フリーペーパーはたしかに無料ですが、配布の目的は「多くの読者に行き渡らせること」です。大量に持ち出して転売されると、その目的が阻害されます。そのため、管理者の意思との抵触が認められれば、窃盗罪の成立が視野に入ります。
転売目的かどうかはどのように判断されるのか
1冊程度なら立件可能性は低い
1冊だけ持ち出した場合、転売目的かどうかは外形上わからないため、窃盗罪として処理される可能性はほとんどありません。
「後から転売」では窃盗罪にならない
取得時に転売目的がなく、後から売ってしまった場合は、占有取得時点では管理者の意思に反しておらず、窃盗罪は成立しません。
数十冊の持ち出しは明確にアウトの可能性が高い
常識的に「施設の意思に反する」と評価される
1人が数十冊を持ち出す行為は、施設側が想定していない行動です。この場合は転売目的の有無に関係なく、管理者の意思に反する行為として、窃盗罪が成立する可能性が非常に高くなります。
刑事処分の対象となる可能性はあるのか
掲示がある場合は窃盗罪の成立が強く意識される
「転売禁止」「大量持ち出し禁止」などの明確な掲示があれば、「意思に反した取得」が成立しやすくなり、立件される可能性が高まります。
掲示の有無でも判断は変わる
掲示がない場合でも、あまりに大量であれば、施設の意思に反する行為として評価され、窃盗罪が問題となり得ます。
フリーペーパー持ち出しトラブルで不安がある方へ
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千葉県弁護士会所属
プロスペクト法律事務所
弁護士 坂口 靖
