マンションや駐輪場で、自転車へのいたずらや嫌がらせに悩む相談は少なくありません。弁護士ドットコムニュースでは、駐輪中の自転車が何者かに太いワイヤーで鉄柱に固定され、動かせなくなったという相談が紹介されました。
私は取材を受け、このようなケースでワイヤーを切断してよいのか、また固定した相手にどのような罪が成立する可能性があるのかについて解説しました。取材記事はこちらです。
https://www.bengo4.com/c_1009/n_12611/
今回は、この問題をよりわかりやすく整理し、トラブルに巻き込まれたときの適切な対応方法をお伝えします。
ワイヤーを切断すると器物損壊罪になるのか
形式的には器物損壊に該当する
他人のワイヤー錠を切断すると、それが数千円の安価なものであっても「他人の物を損壊した」という評価になります。したがって、形式的には器物損壊罪が成立する可能性があります。
しかし、正当防衛として違法性が阻却される可能性もある
自転車を勝手に固定され、使用不能の状態にされた行為自体が器物損壊に当たる可能性があります。そのため、固定されたワイヤーを切断する行為が「違法な侵害に対する防衛」と評価され、正当防衛になる余地もあります。
それでも切断は最終手段にすべき
ワイヤーの持ち主が逆に告訴し、トラブルが泥沼化する可能性があります。まずは警察や管理会社への相談が優先であり、切断は「どうしても動かせない」場合の最終手段と考えるのが安全です。
自転車を勝手にワイヤーで固定する行為は犯罪か
こちらも器物損壊罪に該当しうる
器物損壊罪の「損壊」には、物理的に壊した場合だけでなく、「物の効用を害する行為」も含まれます。自転車を使用不能にするワイヤーロック行為は、まさに効用を害する行為と評価できます。
迷惑行為として管理規約や条例違反となる場合も
マンションの駐輪場では管理規約が適用されます。不当な固定行為はルール違反として注意や指導の対象になります。
トラブルを避けるための最適な対応
1. まずは写真を撮って証拠を確保する
状況を正確に残すことで、後のトラブル防止につながります。
2. 管理会社または警察に相談する
特に警察は第三者として介入でき、適切な判断をしてくれます。
3. 切断は警察の指示がある場合に限る
警察が「切って構いません」と判断する場合もあります。自己判断での切断は避けるべきです。
自転車トラブルでお困りの方へ
刑事事件の観点からもアドバイス可能
嫌がらせ、器物損壊、住民トラブルは、状況によって適切な対処が異なります。弁護士の介入でスムーズに解決するケースは多くあります。
24時間365日ご相談に対応
突然のトラブルにも対応いたします。千葉はもちろん、全国からご相談いただけます。
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千葉県弁護士会所属
プロスペクト法律事務所
弁護士 坂口 靖
