進研模試の解答売買は犯罪になるのか|偽計業務妨害や詐欺の可能性を弁護士が解説
全国で多くの高校生が受験する「進研模試」。その実施日にズレがあることを悪用し、問題や解答が試験前にネット上で出回るケースが続いています。中には、答案の売買まで行われているという報道もあります。
では、こうした行為は法律上どのような問題になるのでしょうか。刑事事件を多く扱ってきた弁護士として、分かりやすく整理します。
解答を事前に知って受験する行為は犯罪になるのか
偽計業務妨害罪に該当する可能性がある
まず、模試の目的は受験生の学力や理解度を正確に測ることにあります。しかし、実施前に問題や解答を知って受験してしまうと、本来の評価が大きく歪んでしまいます。
そのため、この行為は偽計業務妨害罪(刑法233条)に該当する可能性があります。主催者が想定していない方法で受験し、業務(模試の実施)を妨害していると評価されるためです。
さらに、意図的に主催者を欺いて受験している点からも、「偽計を用いた」と判断されやすい行為といえます。
模試の成績で得た恩恵は詐欺罪になるか
授業料免除などのメリットを得た場合は詐欺罪の可能性
次に、模試の結果によって予備校の授業料免除や特待制度を受けた場合についてです。
もし事前に問題を知った不正な高得点によって金銭的なメリットを受けていた場合、これは詐欺罪(刑法246条)に該当する可能性があります。主催者を欺いて利益を得たと評価されるためです。
クラス分けなど金銭が絡まない場合は詐欺の可能性は低い
一方で、模試の結果が学校のクラス分けや内部進学に影響した場合、直接的な金銭の授受がないことから、詐欺罪が成立する可能性は低いと考えられます。
ただし、不正受験が発覚した場合、信用を大きく失い、得ていた待遇は取り消されるのが通常です。
不正受験は長期的に大きな不利益を招く
短期的には「良い点数が取れる」というメリットがあるように見えても、実力に見合わない位置に立つことは、後々の学習で大きな負担となります。
また、不正が発覚した際の信用失墜は非常に大きく、その後の人生にも影響します。たとえ周囲が行っていたとしても、不正受験は絶対に避けるべきものです。
この記事の内容は公開日時点の法律に基づいています。
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