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少年事件の保護処分とは|保護観察・少年院送致・家庭裁判所の判断を解説

千葉で少年事件の流れ、家庭裁判所送致、調査官調査、観護措置、試験観察、少年審判、保護処分を弁護士が解説するアイキャッチ画像

少年事件では、成人の刑事事件のように「罰金」「懲役」という結論だけで考えるのではなく、家庭裁判所が少年の更生可能性や生活環境を踏まえて、保護観察、少年院送致などの保護処分を判断することがあります。

保護処分でまず知っておきたいこと

保護処分とは、家庭裁判所が、非行のあった少年について、更生のために必要があると判断した場合に行う少年法上の処分です。

代表的な保護処分には、保護観察、児童自立支援施設等送致、少年院送致があります。どの処分になるかは、事件名や被害額だけで機械的に決まるのではなく、非行事実、家庭環境、学校生活、交友関係、反省、被害者対応、再非行のおそれなどを踏まえて判断されます。

少年事件では、早い段階で家庭裁判所に何を伝えるべきか、家庭でどのような環境を整えるべきかを整理することが大切です。

少年事件では、警察や検察での手続を経たあと、事件が家庭裁判所に送られ、家庭裁判所が少年に対する処分を検討します。

成人の刑事事件では、起訴、不起訴、罰金、懲役などが中心になります。しかし、少年事件では、少年の健全な育成という考え方が重視されます。そのため、単に処罰するかどうかだけではなく、少年が再び非行に至らないために、どのような処遇や環境調整が必要かが見られます。

その中で重要になるのが、保護処分です。保護処分は、家庭裁判所が少年を更生させるために行う処分であり、保護観察、児童自立支援施設等送致、少年院送致などがあります。

このページでは、千葉で少年事件に不安を抱えている保護者の方に向けて、保護処分とは何か、保護観察と少年院送致は何が違うのか、家庭裁判所は何を見て判断するのか、弁護士がどのように関与できるのかを整理します。

少年事件における保護処分とは

保護処分とは、家庭裁判所が、非行のある少年について、更生のために必要があると判断した場合に行う少年法上の処分です。

成人の刑事事件のように、刑罰を科すことを主な目的とするものではなく、少年の性格、生活環境、家庭状況、学校や仕事の状況、交友関係、事件後の反省や再発防止の状況などを踏まえて、少年の立ち直りに必要な処遇を決めるものです。

少年事件では、事件そのものの重さだけでなく、「今後、同じような非行を繰り返さないために何が必要か」という視点が重視されます。

そのため、同じ罪名であっても、家庭環境、学校への復帰可能性、被害者対応、保護者の関わり方、本人の反省の深さによって、処分の見通しが変わることがあります。

保護処分の主な種類

家庭裁判所が選択する保護処分には、主に、保護観察、児童自立支援施設等送致、少年院送致があります。

処分の種類内容ポイント
保護観察家庭や社会の中で生活しながら、保護観察官や保護司の指導・監督を受ける処分です。家庭や学校、仕事などの生活環境を整え、社会内で更生できるかが重要になります。
児童自立支援施設等送致児童自立支援施設などに送致し、生活指導や自立支援を受ける処分です。年齢や家庭環境、生活上の課題などを踏まえて検討されます。
少年院送致少年院で矯正教育を受ける処分です。再非行のおそれが強い、社会内での更生が難しいと判断される場合に問題になります。

このほか、家庭裁判所が審判を開かない審判不開始、審判を開いたうえで保護処分を行わない不処分、検察官に事件を戻す検察官送致、いわゆる逆送などが問題になることもあります。

保護処分になるのか、審判不開始や不処分を目指せるのか、あるいは少年院送致や逆送が問題になるのかは、事案ごとに慎重に検討する必要があります。

保護観察とは

保護観察とは、少年が家庭や社会の中で生活しながら、保護観察官や保護司による指導や監督を受ける処分です。

少年院に入る処分ではなく、家庭、学校、職場などで生活を続けながら、更生を目指す社会内処遇です。

保護観察では、決められた約束を守ること、生活状況を報告すること、交友関係を見直すこと、学校や仕事に向き合うこと、必要に応じて家庭環境を改善することなどが重要になります。

家庭裁判所が、家庭や社会の中での更生が可能だと判断すれば、保護観察が選ばれることがあります。ただし、保護観察は「軽く済んだ」という意味ではありません。約束を守れず、再び非行に至れば、より重い処分が問題になることがあります。

少年院送致とは

少年院送致とは、少年を少年院に収容し、矯正教育を受けさせる保護処分です。

少年院では、生活指導、教科教育、職業指導、再非行防止のための教育などを通じて、少年が社会に戻るための準備を進めます。

少年院送致は、社会内での更生が難しいと判断された場合に問題になります。たとえば、非行内容が重い、再非行のおそれが強い、家庭での監督が難しい、交友関係を断ち切れていない、これまでの指導では改善が難しいと見られる場合などです。

もっとも、重大な事件だから必ず少年院送致になる、初犯なら必ず少年院を避けられる、という単純なものではありません。家庭裁判所は、非行事実と要保護性を総合して判断します。

児童自立支援施設等送致とは

児童自立支援施設等送致は、少年を児童自立支援施設などに送致し、生活指導や自立支援を受けさせる処分です。

家庭環境や生活上の問題が大きい場合、年齢が低い場合、非行の背景に生活習慣や家庭内の課題がある場合などに検討されることがあります。

少年院送致とは目的や処遇の内容が異なるため、どの施設でどのような支援が必要なのかを、事案に応じて検討する必要があります。

家庭裁判所は何を見て判断するのか

少年事件で家庭裁判所が見るのは、事件そのものだけではありません。

もちろん、非行事実の内容、被害の大きさ、被害者の意向、共犯者の有無、計画性、本人の関与の程度などは重要です。

しかし、それに加えて、少年の性格、家庭環境、学校生活、交友関係、これまでの生活状況、保護者の監督体制、事件後の反省、被害者対応、再発防止策なども重視されます。

このように、少年事件では、非行事実と要保護性の両方が重要です。要保護性とは、少年を保護し、更生に向けた処遇を行う必要性を意味します。

少年事件では「事件の軽重」だけで決まりません。

同じような事件でも、家庭での監督体制が整っているか、学校や職場に戻れる見通しがあるか、被害者対応が進んでいるか、本人が何を理解しているかによって、家庭裁判所の判断は変わることがあります。

観護措置と保護処分の関係

少年事件では、家庭裁判所に送致されたあと、観護措置が問題になることがあります。

観護措置とは、少年を少年鑑別所に収容し、心身の状態や生活環境、非行の背景などを調査する手続です。観護措置が取られると、一定期間、少年鑑別所で生活しながら調査を受けることになります。

観護措置は、最終的な保護処分そのものではありません。しかし、少年鑑別所での生活状況、調査官の調査、家庭環境の確認などは、家庭裁判所が最終的な処分を考えるうえで重要な資料になります。

そのため、観護措置が取られた場合には、少年本人だけでなく、保護者も、家庭でどのような受入れ体制を整えるのかを早い段階で考える必要があります。

保護観察を目指すために大切なこと

少年院送致を避け、保護観察など社会内での更生を目指す場合には、家庭や学校、仕事などの環境を整えることが大切です。

単に「反省しています」と言うだけでは十分ではありません。なぜ事件が起きたのか、同じことを繰り返さないために何を変えるのか、保護者がどのように関わるのか、学校や職場とどのように連携するのかを具体的に示す必要があります。

たとえば、帰宅時間やスマートフォンの使い方を見直す、問題のある交友関係を断つ、アルバイトや学校生活を立て直す、家庭内で話し合いの機会を作る、必要に応じて医療や福祉につなげるなど、具体的な再発防止策が重要になります。

少年事件では、保護者の関わり方も大きな意味を持ちます。家庭裁判所に対して、家庭での監督体制や今後の生活設計を具体的に伝えられるようにしておくことが大切です。

被害者対応や示談は保護処分に影響するのか

被害者がいる少年事件では、被害弁償や示談が重要になることがあります。

少年事件は、成人事件と同じように単純に「示談ができたから終わり」となるものではありません。しかし、被害者に対する謝罪、被害弁償、示談の有無、被害者の受け止め方は、家庭裁判所が少年の反省や再発防止を考えるうえで重要な事情になります。

もっとも、保護者や少年本人が直接被害者に連絡することは慎重に考える必要があります。相手方に不安や負担を与えたり、かえって感情を悪化させたりすることがあるためです。

示談や被害者対応を考える場合には、事件の内容、被害者側の状況、接触してよい段階かどうかを確認したうえで進めることが重要です。

少年事件で付添人弁護士ができること

少年事件では、弁護士が付添人として関与することがあります。

付添人弁護士は、少年本人から事情を聴き、保護者とも話し合いながら、家庭裁判所に伝えるべき事情を整理します。

たとえば、事件に至った経緯、家庭環境、学校や職場の状況、被害者対応、反省の内容、再発防止策、保護者の監督体制などを整理し、家庭裁判所の調査や審判に向けた準備を進めます。

また、観護措置が取られている場合には、少年との面会、家庭への連絡、学校や職場との調整、審判での意見陳述などを通じて、少年の今後にとって必要な環境を整えることが重要になります。

少年事件では、早い段階から「家庭裁判所に何を分かってもらうべきか」を意識して動くことが大切です。

保護処分と前科の関係

保護処分は、成人の刑事裁判で有罪判決を受ける場合とは異なります。

保護観察や少年院送致は、少年の更生を目的とする保護処分であり、成人事件の前科とは同じものではありません。

もっとも、だからといって将来への影響がまったくないと軽く考えるべきではありません。少年事件として記録が残る場面があり、再非行があった場合には過去の処分が重要な事情として見られることがあります。

また、事件の内容や学校、仕事、資格、進学への影響については、個別に整理する必要があります。保護処分になった場合の生活への影響が不安な方は、早めに確認しておくことが大切です。

特定少年の場合に注意すべきこと

18歳、19歳の少年は、少年法上「特定少年」として扱われます。

特定少年についても家庭裁判所で処分が検討されますが、18歳未満の少年と同じように考えてよいわけではありません。事件の内容によっては、検察官送致、いわゆる逆送が問題になることがあります。

また、保護観察の内容や期間なども、通常の少年とは異なる整理がされる場合があります。

18歳、19歳の少年事件では、成人に近い年齢であることも踏まえ、事件の重大性、反省、被害者対応、生活環境、再発防止策を早い段階で整理することが特に重要です。

保護者がすぐに確認すべきこと

お子さんが少年事件で家庭裁判所に送致された、あるいは保護処分が心配だという場合、保護者の方はまず現在の段階を確認してください。

警察段階なのか、家庭裁判所に送致されたのか、観護措置が取られているのか、審判期日が決まっているのかによって、必要な対応は変わります。

次に、事件の内容、被害者の有無、学校や職場への影響、本人の生活状況、家庭での監督体制を整理する必要があります。

保護者が感情的に叱るだけでは、家庭裁判所に対する説明としては十分ではありません。どのように見守り、どのように再発防止をするのかを具体的に示すことが重要です。

弁護士坂口靖が少年事件で大切にしていること

少年事件では、事件名だけを見て処分を予測することはできません。

私が少年事件で大切にしているのは、少年本人が何をしたのかだけでなく、なぜその行動に至ったのか、家庭や学校、交友関係にどのような背景があったのかを丁寧に確認することです。

少年本人がうまく言葉にできないこともあります。保護者の方も、突然の事件で不安や怒り、戸惑いを抱えていることが多いです。その中で、家庭裁判所に伝えるべき事情を整理し、再発防止のために現実的にできることを一緒に考えることが重要です。

保護処分を考えるうえでは、反省、被害者対応、家庭での監督、学校や職場との関係、今後の生活設計を具体的に整える必要があります。少年事件では、早い段階から準備することが、お子さんの将来を守るために大切です。

当事務所の解決実績では、少年事件を含む刑事事件の対応実績を掲載しています。結果は事案ごとに異なりますが、相談前に弁護士の対応姿勢や刑事事件への取組みを確認したい方は、あわせてご覧ください。

千葉で少年事件の保護処分が不安な方へ

少年事件の保護処分は、お子さんの今後の生活、学校、家庭、交友関係に大きく関わる問題です。

保護観察になるのか、少年院送致が問題になるのか、審判不開始や不処分を目指せるのかは、事件内容だけでなく、事件後の対応によっても変わることがあります。

千葉で少年事件について不安を抱えている方は、まず現在の手続段階と、家庭裁判所に伝えるべき事情を整理することが大切です。

お子さんの将来を守るためにも、家庭だけで抱え込まず、早い段階で専門家に相談してください。

少年事件の保護処分に関するよくある質問

Q 保護処分とは何ですか?

A 保護処分とは、家庭裁判所が、非行のある少年について、更生のために必要があると判断した場合に行う少年法上の処分です。保護観察、児童自立支援施設等送致、少年院送致などがあります。

Q 保護観察とはどのような処分ですか?

A 保護観察は、少年が家庭や社会の中で生活しながら、保護観察官や保護司の指導・監督を受ける処分です。家庭での監督体制や学校、仕事、交友関係の改善が重要になります。

Q 少年院送致とは何ですか?

A 少年院送致は、少年を少年院に収容し、矯正教育を受けさせる保護処分です。社会内での更生が難しいと判断される場合に問題になります。

Q 初犯でも少年院送致になることはありますか?

A 事案によってはあります。初犯かどうかだけで決まるわけではなく、非行内容の重さ、再非行のおそれ、家庭環境、被害者対応、本人の反省などが総合的に判断されます。

Q 保護観察を目指すには何が大切ですか?

A 家庭での監督体制、学校や仕事への復帰、問題のある交友関係の整理、被害者対応、再発防止策などを具体的に整えることが大切です。単に反省していると述べるだけではなく、今後どう変えるのかを示す必要があります。

Q 被害者との示談は保護処分に影響しますか?

A 影響することがあります。示談や被害弁償は、少年の反省や事件後の対応を考えるうえで重要な事情になることがあります。ただし、示談ができれば必ず軽い処分になるわけではありません。

Q 観護措置が取られると少年院送致になるのですか?

A そうとは限りません。観護措置は、少年鑑別所で少年の心身や生活環境を調査するための手続です。最終的な保護処分は、家庭裁判所が調査結果や審判での事情を踏まえて判断します。

Q 保護処分になると前科になりますか?

A 保護観察や少年院送致は、成人の刑事裁判で有罪判決を受ける場合とは異なり、成人事件の前科とは同じものではありません。もっとも、少年事件として記録が残る場面があり、将来への影響を軽く見るべきではありません。

Q 特定少年では保護処分の考え方が変わりますか?

A 18歳、19歳の特定少年については、18歳未満の少年とは異なる取り扱いがあります。事件の内容によっては検察官送致が問題になることもあるため、早い段階で見通しを整理することが重要です。

Q 保護者は何をすればよいですか?

A まず現在の手続段階、事件内容、被害者の有無、学校や職場への影響、家庭での監督体制を整理してください。そのうえで、再発防止のために家庭で何を変えるのかを具体的に考えることが大切です。

Q 弁護士は少年事件で何をしてくれますか?

A 弁護士は付添人として、少年本人や保護者から事情を聴き、家庭裁判所に伝えるべき事情を整理します。被害者対応、学校や職場との調整、再発防止策、審判での意見陳述などを通じて、少年の更生に向けた環境整備を支援します。

プロスペクト法律事務所の弁護士坂口靖

弁護士 坂口 靖

プロスペクト法律事務所 /千葉県弁護士会所属

千葉で少年事件を含む刑事事件のご相談に対応しています。逮捕、観護措置、家庭裁判所の審判、保護観察、少年院送致、被害者対応など、事件の状況に応じて必要な対応を一緒に整理します。

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