賭博罪、アイスやジュースを賭けてもアウトになる可能性はあるのか?|弁護士解説
大阪桐蔭高校の男子ゴルフ部で、部員が100〜200円を賭けてプレーしていたことが報告され、アイスやジュースを賭けた行為から始まって現金を賭けるようになっていた事例が話題になりました。
「少額なら大丈夫なのでは?」「アイスやジュースなら罪にならないのでは?」と考える方も少なくありませんが、実際のところ賭博罪はどのように判断されるのでしょうか。刑事事件を多く扱う弁護士として解説します。
賭博罪はどこまでが「アウト」なのか
数百円でも賭博罪が成立する可能性がある
賭博罪の成立には「財物を賭けること」が要件です。ここでいう財物は広く解釈され、金銭や物だけに限らず、財産上の利益も含まれます。
判例では、金額の大小に関係なく、金銭を賭ける以上は「一時の娯楽に供する物」と評価されず、形式的には賭博罪が成立するという考え方が採られています。
そのため、100円や200円のような金額であっても、賭博罪が成立する可能性があります。
ただし実際に処罰される可能性は低い
単発で数百円を賭けた程度で刑事処罰されることは、実務上ほとんど考えられません。しかし、常習的に繰り返していた場合には、処罰や少年事件として家庭裁判所での審判対象になる可能性は十分にあります。
アイスやジュースでも罪に問われる?
「一時の娯楽に供する物」なら賭博罪は成立しない
アイスやジュースのような低額の物品を賭ける行為は、状況によっては「その場で消費する娯楽のための物」と評価され、賭博罪にあたらないケースがあります。
ただし、次のような場合は賭博罪が成立する可能性があります。
- 反復継続して賭けを行っている
- アイスやジュースの数量が多くなり、当日中に消費できない量になっている
- 実質的に金銭と同じ扱いになっている
未成年者の場合は刑事罰ではなく家庭裁判所の審判となりますが、内容によっては保護観察などの処分が下される可能性もあります。
部活内の「断りにくい空気」で参加してもダメ?
部活内の雰囲気で断れず参加していた場合でも、法律上は「賭けた」という事実があれば賭博罪は成立します。
もっとも、強制的な状況や上下関係があった場合は、その事情が酌まれ、処分が軽くなることは考えられます。高校生の場合、不処分となる可能性もあります。
まとめ
賭博行為は金額の大小に関係なく成立する可能性があります。アイスやジュースであっても、状況によっては賭博罪となるリスクがあります。
軽い気持ちで始めたとしても、学校・部活動・家庭裁判所などに問題が拡大する可能性もあります。疑問や不安がある場合は、早めに弁護士へ相談してください。
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千葉県弁護士会所属
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弁護士 坂口 靖
