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文書偽造事件とは|私文書・公文書・行使・逮捕後の流れを弁護士が解説

署名欄のある書面と書類データを前にした文書偽造事件のイメージ

このページで知ってほしいこと

文書偽造事件では、どの文書を、誰の名義で、どのような目的で作成し、実際に提出・使用したのかが重要になります。 私文書なのか公文書なのか、紙の書面なのか電子データなのかによって、問題となる犯罪や見通しは変わります。

また、文書を作っただけでなく、提出したことや使ったことが重く見られる場合もあります。 事案によって見通しは異なるため、逮捕の有無、文書の種類、提出先、被害の有無、示談や被害回復の可能性を早い段階で整理することが大切です。

文書偽造事件で不安を抱えている方の中には、「他人名義の書類を作っただけでも問題になるのか」「提出してしまった場合はどうなるのか」「私文書と公文書では何が違うのか」「示談をすれば不起訴の可能性があるのか」など、さまざまな悩みを抱えている方がいらっしゃると思います。

文書偽造事件は、その場で発覚するというより、契約先、勤務先、役所、学校、金融機関などに書類を提出したことをきっかけに、後日問題になることが少なくありません。

また、一口に文書偽造事件といっても、常に同じ一つの犯罪名だけで処理されるわけではありません。 私文書偽造、公文書偽造、偽造文書行使、電磁的記録不正作出など、問題となる類型は一つではありません。

そのため、まずは、どの文書が問題になっているのか、誰の名義で作成されたのか、どこに提出されたのか、どのような効果を生じさせようとしたのかを整理することが大切です。

千葉で刑事事件に直面し、まず何を確認すべきか知りたい方は、 千葉で刑事事件により逮捕された方へ もあわせてご覧ください。

文書偽造事件とは何か

文書偽造事件とは、一般に、権限がないのに他人名義の文書を作成したり、真正に作成されたものではない文書を本物のように見せたりしたとされる場合に問題となる事件です。

実際の刑事事件では、文書の種類に応じて、私文書偽造、公文書偽造、偽造文書行使、電磁的記録不正作出などが問題になります。

もっとも、本人としては「少し書き足しただけ」「代わりに作ってあげただけ」「内容は間違っていない」と考えていることもあります。 しかし、名義人の意思に基づかない形で文書を作成したり、真正な文書のように見せたりしたとされる場合には、重大な問題になる可能性があります。

そのため、軽い気持ちだったとしても、どの文書が、どのように作成され、どのように使われたのかを早い段階で確認する必要があります。

文書偽造事件で問題になりやすい文書

文書偽造事件で問題になりやすいのは、契約書、委任状、申請書、同意書、領収書、在職証明書、勤務関係の書類、学校関係の届出書、金融機関に提出する書類などです。

提出先が会社、役所、金融機関、学校、裁判所関係である場合には、発覚後に大きな問題へ発展しやすくなります。

また、紙の文書だけでなく、PDF、画像データ、システム入力、電子的な証明データなどが問題になることもあります。 そのため、「紙ではないから文書偽造とは関係ない」と決めつけることはできません。

どの形式で、どのような内容を作成し、誰に見せたり提出したりしたのかを丁寧に見ていく必要があります。

私文書偽造と公文書偽造の違い

文書偽造事件では、まず私文書なのか公文書なのかを分けて考えることが重要です。

私文書は、個人や会社などが作成する文書が問題になる類型です。 契約書、委任状、領収書、同意書、会社関係の証明書などが典型的に問題となります。

これに対し、公文書は、公務所や公務員が作成すべき文書が問題になる類型です。 役所の証明書、公的な申請書類、公務員名義の文書などが問題になることがあります。

この違いは、処分の重さや見通しにも関わります。 本人は同じように「書類を作っただけ」と感じていても、どの種類の文書なのかによって、法的な整理は大きく変わります。

文書を作っただけでなく行使も問題になります

文書偽造事件では、文書を作成した場面だけでなく、それを提出したり、使ったりした場面も重要です。 実際には、偽造したとされる文書を会社、役所、金融機関、学校などに提出したことによって事件化することが多くあります。

そのため、「作っただけで終わり」「提出しなければ大丈夫」と単純に考えることはできません。 作成の時点で何を目的としていたのか、実際に誰に見せたのか、どのような効果を生じさせようとしたのかが問題になります。

また、偽造文書を使ったことによって、金銭の取得、契約の成立、審査の通過、資格や地位の取得などが問題になる場合には、別の犯罪があわせて問題になることもあります。

電磁的記録が問題になることもあります

近年は、紙の書面だけでなく、電磁的記録が問題になることもあります。 データ上で作成された記録、システム入力、電子的な証明データ、PDFや画像データの加工などについて、内容によっては別の類型として問題になることがあります。

そのため、データだから文書偽造とは無関係と決めつけないことが大切です。 どの形式で、どのような内容を作成し、誰に提出し、どのような処理に使われたのかを丁寧に確認する必要があります。

また、パソコン、スマートフォン、クラウド上のデータ、メールやチャットの履歴などが証拠として問題になることもあります。 自己判断で削除したり、内容を直したりすると、かえって証拠隠滅を疑われるおそれがあります。

文書偽造事件では逮捕されることがあるのか

文書偽造事件でも、逮捕に至ることがあります。 提出先からの通報、社内調査、関係者の供述、原本との照合、メールやデータの記録などから捜査が進み、後日になって呼出しや逮捕につながることがあります。

特に、証拠隠滅のおそれがある場合、関係書類やデータの改変が疑われる場合、共犯者がいると見られる場合、別の犯罪も重なっている場合には、身柄を取られる可能性があります。

そのため、「しばらく何も言われていないから大丈夫」とは限りません。 後日、提出先の調査や関係者の説明をきっかけに、警察から連絡が来ることもあります。

逮捕の可能性や初動対応について不安がある方は、 千葉で刑事事件により逮捕された方へ をご覧ください。

文書偽造事件の刑事手続の流れ

文書偽造事件では、まず警察からの呼出し、事情聴取、関係書類や端末の提出要請などから始まることがあります。 事案によっては、その後、逮捕、勾留という流れに進むこともあります。

逮捕された場合には、警察で取調べを受け、その後、検察官が勾留を請求するかどうかを判断します。 勾留が認められると、原則として10日間、必要がある場合にはさらに延長されることがあります。

また、在宅事件として進む場合であっても、不起訴になるとは限りません。 文書の種類、作成経緯、提出の有無、被害の有無、供述の内容、前科前歴など、さまざまな事情がその後の処分に影響します。

刑事手続の全体像を整理したい方は、 千葉の刑事手続に関する弁護 もあわせてご覧ください。 取調べへの対応が不安な方は、 千葉で取調べを受ける方へ も参考になります。

会社や役所への提出が問題を大きくすることがあります

文書偽造事件では、作成そのものだけでなく、提出先や使用場面によって問題が大きくなることがあります。 会社の内部手続、役所への申請、金融機関への提出、学校への提出などでは、文書の信用性が重く見られやすいためです。

そのため、「形式だけ整えた」「内容はだいたい合っている」といった考え方では足りません。 誰の名義で、誰に提出し、どのような効果を生じさせようとしたのかを丁寧に整理する必要があります。

また、勤務先や学校、取引先が関係する事件では、刑事処分だけでなく、仕事、資格、学校生活、信用への影響が問題になることがあります。 刑事手続と生活面の影響を分けずに、全体として対応を考えることが大切です。

取調べで気をつけるべきこと

文書偽造事件の取調べでは、誰が文書を作ったのか、誰の名義を使ったのか、名義人の承諾があったのか、どこに提出したのか、どのような目的だったのかなどが詳しく聴かれることがあります。

この場面で大切なのは、事実と推測を混ぜないことです。 たとえば、「承諾があると思っていた」「以前は代わりに作ってよいと言われていた」「内容は正しいと思っていた」と説明する場合でも、その時点で本当にどのように認識していたのかを整理する必要があります。

うその説明をしてよいわけではありませんが、記憶が曖昧な部分まで断定的に話す必要はありません。 何が確かに言えるのか、何が記憶にないのか、何が自分の推測にすぎないのかを分けて考えることが大切です。

また、供述調書に署名する前には、内容をよく確認してください。 実際にはそう言っていないのに「無断だと分かっていた」「最初からだますつもりだった」といった表現になっていないか、前後の事情が抜けていないかを確認する必要があります。

示談や被害回復が重要になる理由

文書偽造事件では、被害者対応が重要になることがあります。 文書の名義人、提出先、関係会社などに対して、どのような不利益が生じたのかによっては、謝罪や被害回復が意味を持つ場面があります。

もっとも、どの事件でも単純に示談だけで解決できるわけではありません。 文書の信用そのものが問題になる類型では、被害が金銭に限られないこともあります。

そのため、示談や被害回復を検討する場合には、何が被害とされているのか、誰と話をするべきなのか、どの段階でどのように謝罪や対応を進めるべきなのかを整理しながら慎重に進めることが大切です。

示談は有利な事情になり得ますが、それだけで当然に不起訴になるとは限りません。 示談については、 千葉で刑事事件の示談を考える方へ も参考になります。

文書偽造事件で不起訴を目指すには

文書偽造事件でも、不起訴になることはあります。 もっとも、当然に不起訴になるわけではなく、文書の種類、作成の経緯、提出や行使の有無、被害の有無、被害回復の状況、反復性、供述の内容などを踏まえて判断されます。

不起訴を目指すうえでは、まず、どの文書が問題になっているのかを正確に整理することが必要です。 そのうえで、被害者や提出先がいる場合には、謝罪や被害回復の可能性を検討し、再発防止策を具体的に整えることが重要になります。

また、仕事や学校関係の書類が問題になっている場合には、今後同じことを繰り返さないための環境づくりも意味を持ちます。 単に反省しているというだけでなく、なぜその行為に至ったのか、今後どのように防ぐのかを具体的に示すことが大切です。

不起訴の可能性や前科を避けるための考え方については、 千葉で不起訴を目指す方へ も参考になります。

文書偽造事件で前科はつくのか

前科が問題になるのは、有罪判決を受けた場合や、略式命令による罰金などの刑事処分が確定した場合です。 不起訴で終われば、通常は前科はつきません。

もっとも、前科を避けられるかどうかは、初犯かどうかだけで決まるものではありません。 文書の種類、提出や行使の有無、被害の有無、被害回復の状況、反復性、本人の認識など、多くの事情が関係します。

文書偽造事件は、客観的な書類やデータが残りやすい事件です。 そのため、早い段階で証拠関係と供述の内容を整理し、今後どのような見通しになるのかを確認することが重要です。

この事件で当事務所が大切にしていること

プロスペクト法律事務所では、文書偽造事件について、事件名だけで方針を決めることはしません。 まず、何の文書が問題になっているのか、私文書なのか公文書なのか、誰の名義なのか、提出や行使までされているのかを確認します。

そのうえで、逮捕されているのか、在宅事件なのか、被害者や提出先への対応が必要なのか、仕事や学校への影響がどの程度あるのかを整理します。

文書偽造事件では、ご本人が軽い気持ちだったとしても、提出先や捜査機関からは、文書の信用を損なう重大な問題として見られることがあります。 反対に、形式的には文書偽造が疑われていても、作成経緯や名義人との関係を丁寧に確認しなければ、実際の見通しを正しく判断できないこともあります。

弁護士坂口靖は、法律上できることと、現実的に優先すべきことを分けて整理することを重視しています。 取調べ対応、書類やデータの扱い、被害者対応、前科・仕事・学校・家族への影響を踏まえながら、今の段階で必要な対応を検討していきます。

解決実績を確認したい方へ

当事務所では、これまで対応してきた刑事事件の一部を 解決実績 として掲載しています。 結果は事案ごとに異なり、同じ罪名でも同じ結果になるとは限りません。

文書偽造事件でも、見通しは、証拠関係、文書の種類、提出や行使の有無、被害の有無、示談状況、前科・前歴、本人の生活状況などによって変わります。 相談前に具体的な対応例を確認したい方は、解決実績もあわせてご覧ください。

家族が文書偽造事件で警察から連絡を受けたときに大切なこと

家族が文書偽造事件で警察から連絡を受けたり、逮捕されたりした場合、まずは、何の文書が問題になっているのか、誰名義の文書なのか、提出先はどこか、現在どの段階にあるのかを確認することが大切です。

本人の説明だけでは、実際に何が捜査対象になっているのかが十分に見えていないこともあります。 とくに、原本、提出資料、データ、メールやメッセージのやり取りなどは、事件の見通しに関わることがあります。

また、家族が関係する書類やデータを自己判断で処分したり、内容を直したりすることは慎重であるべきです。 かえって証拠隠滅を疑われ、状況を悪化させるおそれがあります。

なお、被疑者本人のほか、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹などは、独立して弁護人を選任することができます。 本人と十分に連絡が取れない段階でも、ご家族が早めに相談し、状況を確認することには意味があります。

ご家族がすでに逮捕されている場合には、 家族が逮捕されたらすぐ弁護士へ も参考になります。

文書偽造事件で早期に弁護士へ相談する重要性

文書偽造事件では、早めに弁護士へ相談することが重要です。 理由は、初動対応によってその後の流れが大きく変わることがあるからです。

取調べへの対応、関係書類やデータへの対応、被害者対応、家族が把握すべき事項など、早期に整理すべきことは少なくありません。 特に、書類を処分する、データを修正する、関係者と口裏合わせをする、提出先に直接強く連絡するなどの行動は、かえって不利になることがあります。

また、文書偽造事件は、刑事手続だけでなく、仕事、資格、信用、学校、今後の生活などへの影響も大きくなりやすい事件です。 単に「事件としてどうなるか」だけでなく、生活全体への影響も見据えた対応が必要になります。

仕事や家族、周囲への影響をできる限り抑えたいと考えている方は、 千葉の刑事事件で生活への影響を抑えたい方へ もあわせてご覧ください。

千葉で文書偽造事件について不安を抱えている方へ

千葉で文書偽造事件について不安を抱えている方は、まず、何の文書が問題になっているのか、私文書なのか公文書なのか、提出や行使まで問題になっているのか、すでに刑事手続に入っているのかを整理することが大切です。

文書偽造事件では、書面の種類と使用場面が非常に重視されます。 だからこそ、感情的に動いたり、自己判断で書類やデータを処分したりせず、現在の状況に応じて対応を考える必要があります。

ご本人だけで抱え込まず、ご家族の方も含め、できるだけ早く今後の見通しを確認することが重要です。 その他の事件全体の中で位置づけを確認したい方は、 千葉のその他の刑事事件に関する弁護 もあわせてご覧ください。

文書偽造事件に関するよくあるご質問

公文書偽造と私文書偽造で罰則はどう違いますか

一般に、公文書偽造のほうが重く扱われます。 公文書は公務所や公務員が作成すべき文書が問題になる類型で、私文書は個人や会社などが作成する文書が問題になる類型です。 どの種類の文書なのかによって、法的な整理や見通しが大きく変わります。

偽造した文書を実際に使わなかった場合も罪になりますか

問題になることがあります。 文書の作成段階自体が問題になる場合がありますし、さらに提出や使用まであれば、別に重く見られることがあります。 どの段階まで進んでいるのかを整理することが大切です。

PDFや電子データの偽造も文書偽造罪に含まれますか

内容によっては、紙の文書ではなく、電磁的記録不正作出など別の類型として問題になることがあります。 そのため、データだから文書偽造とは無関係と決めつけないことが大切です。

実印や署名の有無は問題になりますか

問題になります。 どのような名義表示や認証方法が使われているのかは、文書の種類や成立する犯罪を考えるうえで重要です。 実際には、文書全体の性質や作成経緯とあわせて見られます。

文書偽造事件では必ず逮捕されますか

必ず逮捕されるわけではありません。 ただし、提出先からの通報、社内調査、関係者の供述、データ記録などから後日捜査が進み、呼出しや逮捕につながることがあります。

示談ができれば不起訴になりますか

示談や被害回復が有利な事情になることはありますが、成立したからといって必ず不起訴になると断言できるわけではありません。 文書の種類、提出の有無、被害の内容などによって見通しは変わります。

書類やデータを直しておけば問題は小さくなりますか

そのようにはいえません。 事件化した後に書類やデータを直したり、処分したりすると、かえって証拠隠滅を疑われるおそれがあります。 自己判断で処理せず、まず状況を整理することが大切です。

文書偽造事件で前科を避けるために大切なことは何ですか

まず大切なのは、何の文書がどう使われたとされているのかを正確に整理することです。 そのうえで、文書の種類、提出の有無、被害の有無、被害回復の状況、取調べへの対応などを踏まえて、不起訴の可能性を検討していくことになります。

家族ができることはありますか

あります。 何の文書が問題になっているのか、誰名義なのか、どこに提出されたのか、現在どの段階にあるのかを整理し、弁護士への相談につなげることが大切です。 特に、関係書類やデータを自己判断で処分しないことが重要です。

プロスペクト法律事務所の弁護士坂口靖の写真

弁護士 坂口 靖

プロスペクト法律事務所 / 千葉県弁護士会所属

千葉で刑事事件に注力。逮捕・示談・不起訴のご相談に対応しています。

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