財産犯罪は「お金や物に関するトラブル」として一括りにされがちですが、実際に疑われている行為の内容によって、確認すべき事実や弁護の進め方は変わります。無断で持ち去ったのか、だまして受け取らせたのか、預かっていた物を処分したのか。ここを整理しないまま相談すると、確認すべき証拠を見落とすことがあります。
このページでは、財産犯罪の代表的な類型の違い、被害弁償・示談や否認する場合の考え方、警察や会社から連絡を受けた際に確認しておきたい点を、千葉県内でのご相談を踏まえて短く整理します。
財産犯罪は行為の内容によって分かれます
他人の物を無断で持ち去った場合は窃盗、相手をだまして財物や利益を渡させた場合は詐欺として捜査されることがあります。預かっていた物やお金を自分のために処分した場合は横領、任された仕事に背いて損害を与えた場合は背任が問題になります。脅しによって財物を渡させた場合は恐喝、暴行や脅迫を用いて財物を奪った場合は強盗、他人の物を壊した場合は器物損壊として検討されます。
| 事件 | 問題になる行為 | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| 窃盗 | 他人の物を無断で持ち去った | 誰の物か、持ち去った経緯、本人の認識 |
| 詐欺 | だまして財物や利益を渡させた | 伝えた内容、相手の判断、契約時の認識 |
| 横領 | 預かっていた物やお金を処分した | 管理状況、処分権限、使途 |
| 背任 | 任務に背き、財産上の損害を与えた | 立場、権限、行為の目的、承認の有無 |
| 恐喝 | 脅して財物や利益を渡させた | 言動の内容、相手との関係、記録 |
| 強盗 | 暴行や脅迫を用いて財物を奪った | 暴行・脅迫の程度、映像、目撃者 |
| 器物損壊 | 他人の物を壊し、使えなくした | 所有関係、壊れた状況、修理資料 |
窃盗と詐欺は、財物を得た経緯が異なります
窃盗では、他人の物だと認識していたか、無断で持ち去る意思があったかが問題になることがあります。防犯カメラやレシート、購入履歴、事件後の所持状況などが確認の対象です。万引きや職場からの持ち出しについては、千葉の窃盗・万引き事件のページで詳しく説明しています。
詐欺では、本人が相手に何を伝え、相手がそれを信じて何を渡したのかを確認します。支払いの遅れや事業の失敗があったというだけで、当然に詐欺になるわけではありません。契約時の説明や送金履歴については、千葉の詐欺・特殊詐欺事件のページで取り上げています。
横領と背任は、立場と権限を確認します
会社のお金を使ったという事実だけで、直ちに横領になるわけではありません。その財産をどのような立場で管理し、使う権限がどこまであったかを確認します。背任では、任務に背く行為があったか、本人や第三者の利益を図る目的または本人に損害を加える目的があったか、財産上の損害が生じたかが問題になります。契約書や稟議書、承認の有無や社内慣行が判断材料になります。詳しくは千葉の背任事件のページをご覧ください。
被害弁償・示談と、否認する場合の対応
被害品の返還や被害弁償、示談は、その後の処分を考える事情になる場合があります。ただし、返金をすれば犯罪が成立しなくなるわけではなく、示談が成立しても必ず不起訴になるとは限りません。示談の進め方や不起訴に向けた考え方は、事件の内容に応じて個別に検討します。
事実関係を争う場合は、契約書やメール、決済記録などの客観的な資料と、本人の記憶が一致しているかを確認します。取調べを受ける前に、話す内容を整理しておく意味があります。
警察や会社から連絡が来たら
警察から呼び出しを受けた、会社から事情を聞かれている、被害弁償を求められている。千葉県内でこうした連絡を受けた場合も、この段階では資料を削除せず、事実経過を整理してください。取調べの前や、被害者・会社へ連絡する前であれば、弁護士に相談する意味があります。
