盗撮を疑われた場合、警察は端末に画像や動画が残っているかを確認します。何を、どのように撮影したのかも確認されます。撮影した場所だけで、罪名や処分の見通しが決まるわけではありません。「意図せず写った」という説明も、カメラの向きや操作状況と照らして確認されます。周囲の記録も確認の対象になります。本人が覚えている経緯を整理します。端末に残るデータと一致しているかも確認します。そこが、その後の対応を考える出発点になります。
撮影の対象や送信方法で変わる罪名
一般に盗撮と呼ばれる行為でも、対象や方法によって、性的姿態等撮影罪が問題になるのか、千葉県の迷惑防止条例など別の規定が問題になるのかが変わります。性的姿態等撮影罪には、正当な理由なく、ひそかに対象となる性的な姿態等を撮影する行為が含まれます。このほか、同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態に乗じた撮影なども規定されています。公共の場所か私的な空間かという区別だけで罪名が決まるわけではありません。
画像や動画を第三者に送信した場合は、撮影行為とは別の問題が生じます。インターネット上に公開した場合も、提供や公然陳列などに当たるかが確認されます。撮影された相手が18歳未満の場合は、児童ポルノに関する規定が問題になることもあります。どの規定が問題になるかによって、その後の手続や見通しの考え方も変わってきます。詳しくは千葉の児童買春・児童ポルノ事件をご確認ください。
撮影場所や意図によって確認される事情
駅のホームや店舗内での撮影と、個室での撮影では確認される事情が異なります。更衣室やトイレなどでは、さらに確認範囲が広がることがあります。個室での撮影が疑われる場合は、機器の設置方法を確認します。設置していた時間や、撮影対象が誰だったのかも確認されることがあります。設置と回収を本人がどのように行ったかも、事件の見方を左右する事情になります。
故意に撮影したのかを確認します。意図せず撮影範囲に入ったのかも、事件の見方を左右します。端末を持っていた位置や、レンズの向きを確認します。撮影を続けた時間なども確認の対象です。「風景を撮っていた」「カメラが誤作動した」という説明がされることもあります。その場合は、端末の操作履歴や画像の内容と説明が一致するかを確認します。同じ場所で繰り返しカメラを向けていたかを確認します。拡大や角度を調整していた事情があれば、本人に不利な材料になることがあります。反対に、撮影の前後の行動が本人の説明と一致していれば、それも確認すべき事情になります。
端末のデータと現場の記録
警察は、端末に残る画像・動画を確認します。撮影日時やファイル情報も確認されることがあります。クラウドへの同期や、SNS・メッセージの送信履歴も確認対象になる場合があります。駅や店舗では、防犯カメラが確認されることがあります。本人がどこから歩いてきたか、どこでカメラを向けたかが残っている場合もあります。目撃者や施設職員の説明も、本人の話と照らし合わせて確認されます。端末内に似た画像が複数ある場合は、撮影日時や取得経緯を分けて確認します。インターネットから取得した画像と、自分で撮影した画像を混同しないことも必要です。
画像やアプリを削除したり、端末を初期化したりしないでください。相手や目撃者へ連絡して説明を合わせようとすることも避けるべきです。こうした行為は、かえって疑いを強める材料になりかねません。
過去の撮影が確認されることもあります
端末に複数の日時にわたる画像が残っている場合があります。その場合、今回発覚した行為だけでなく、過去の別の撮影も確認されることがあります。同じ場所で日を分けて撮影していた形跡が確認されることがあります。削除された画像の復元データなどから、余罪の有無が問題になる場合もあります。すでに認めている行為と、確認中の行為は分けて整理します。記憶が曖昧な部分を、推測で埋めないことも大切です。余罪の範囲によって、処分の見通しや示談の進め方も変わってきます。
逮捕されるか、在宅で捜査が進むか
撮影がその場で発覚することがあります。そのまま施設職員から警察に引き渡される場合もあります。一方、防犯カメラや端末情報をもとに、後日連絡を受ける事件もあります。盗撮事件だから必ず逮捕されるとは限りません。反対に、逮捕されないとも言い切れません。住居や連絡先、呼び出しへの対応などが確認されます。データを消すおそれや、被害者への接触の有無も確認対象になります。
任意の呼び出しであっても、準備をせずに取調べを受けるべきではありません。いつ、どこで、何を撮影したのかを整理します。自分の記憶と、手元の資料は分けて確認してください。覚えていないことを推測で答える必要はありません。供述調書は、話した内容と違っていないかを確認します。違う部分があれば、訂正を求めます。取調べや供述調書については、話した内容と記録の一致を確認しておく必要があります。
被害者への対応と示談
謝罪をしたい場合でも、本人や家族が被害者へ直接連絡することは勧められません。謝罪のつもりでも、不安を与えたり、口止めと受け取られたりするおそれがあります。被害者の氏名や連絡先が分からなくても、SNSなどで無理に探すのは避けてください。
示談は、その後の処分で考慮される場合があります。ただし、成立すれば必ず不起訴になるわけではありません。不起訴に向けた対応は、事件の内容や証拠関係、被害者対応などを踏まえて検討します。撮影を否認している事件では、謝罪文や示談書の内容にも注意が必要です。本人の説明と矛盾しないかを確認したうえで方針を決めます。
家族が対応すべきこと
家族が警察から連絡を受けたら、警察署名と担当部署を記録してください。連絡時刻も残しておきます。端末が押収された場合は、交付された書類と持って行かれた物を保管しておきます。自宅の捜索や差押えを受けた場合は、交付された書類や押収品目録などを保管してください。
家族が本人の端末に入り、画像や履歴を整理することは避けるべきです。被害者や施設へ家族から連絡することも、新たな問題につながる場合があります。勤務先や学校に必ず事件が知られるとは限りません。ただし、逮捕による欠勤などで説明が必要になることがあります。端末の押収が影響する場合もあります。性犯罪全体の違いは、千葉の性犯罪のページで案内しています。
関与を認める事件では、端末の使い方を見直すことがあります。日々の行動を本人と一緒に確認する場合もあります。ただし、すべての事件を一律に病気や依存の問題と決めつけることはできません。事件ごとの経緯を確認したうえで考える必要があります。
相談を検討する段階
警察から呼び出された段階でも、状況を整理しておく必要があります。端末を提出した場合や、家族が逮捕された場合も同様です。被害者対応に迷っている場合も、現在の状況を確認してください。弁護士が依頼を受けた場合、逮捕されていれば接見して本人の説明を確認します。手元の記録とも照らし合わせます。そのうえで、取調べへの対応や証拠関係を整理します。被害者対応や示談交渉の窓口となることもあります。在宅で捜査が進む場合も、取調べ前に想定される質問や記憶を整理しておくことができます。複数の弁護士から説明を受けても構いません。方針や弁護士費用を比較したうえで決めることもできます。
