海外で「Abcde(アブシディー)」という名前の女児が航空会社職員に笑われ、母親が抗議したというニュースが話題になりました。日本でも、名前を理由にバカにされるなどのトラブルが起こり得ます。では、日本の法律上、こうした行為に法的対処は可能なのでしょうか。
侮辱罪が成立する可能性について
人をバカにする行為は、刑法231条の侮辱罪に該当する可能性があります。侮辱罪が成立した場合、拘留または科料が科されます。
もっとも、侮辱罪は軽微な犯罪であり、実際に立件され刑罰が課されるケースは多くありません。
民事上の不法行為は成立する?
民法709条の不法行為が成立するかどうかを考えるためには、まず侮辱罪の成立要件を確認する必要があります。
侮辱罪の成立には「公然」と「侮辱」が必要になります。「公然」とは多数人が認識し得る状態のこと、「侮辱」とは事実を示さずに相手の社会的評価を下げる言動を指します。
今回のケースに当てはめると
空港という公開された場所で職員に笑われた場合、「公然」性は認められる可能性があります。
しかし、名前を見て笑ったというだけでは、相手の社会的評価を下げたとまでは言えず、「侮辱」には該当しないと考えられます。
もし「こんな名前をつけるなんておかしい」など、社会的評価を下げる言葉が伴った場合には、侮辱罪が成立する可能性があります。
不法行為責任を問えるか
侮辱罪が成立するほどの行為であれば、民事上の不法行為も成立し、損害賠償請求が可能です。
ただし、侮辱罪が成立しない程度の行為であれば、一般的には不法行為も成立しません。
名誉感情が侵害された場合に人格権侵害と評価されることもありますが、今回のケースではそのレベルに達していない可能性が高く、民事上の請求も難しいと考えられます。
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千葉県弁護士会所属
プロスペクト法律事務所
弁護士 坂口 靖
