覚せい剤の使用で家族や友人が逮捕されてしまった!という場合の弁護人の選び方ってあるのでしょうか??
覚せい剤使用の場合、尿検査の結果、覚せい剤成分の陽性反応が出たら、99パーセント起訴され刑事裁判になることを覚悟してください。
そして、刑罰としては、どんな優秀な弁護人が就こうとも初犯なら執行猶予付きの懲役1年6月前後の判決となります。
そして、2回目以上ならば、ほぼ実刑(執行猶予が付かず刑務所に服役すること)になります。したがって、初犯であれば、執行猶予が付されることは当然であり、
その点では弁護人の力などというのは関係無いのに等しいのです。
このようなことから、最終的な刑罰のみを考えると、国選弁護人を選任できる場合であれば、わざわざ高いお金をかけて、私選弁護人を選任する必要はないものと思われます。
では、覚せい剤使用事件で私選弁護人を選任することによるメリットはあるのでしょうか?
それは、最終的な刑罰という以外の点では多少あるかと思います。
具体的には、
①早期の身柄解放に向けた活動
②覚せい剤使用の再犯防止に向けた活動
においてメリットがあるものと私は考えています。
突然大事な方が逮捕されてしまった場合
逮捕されご本人はもちろんのことそのご家族やご友人としては、
少しでも早くその方に帰ってきてもらいたい(帰りたい)と思うのは当然であると思います。
また、同様に、もう2度と覚せい剤などに手を出してほしくない(手を出したくない)と思うのも当然だと思います。
このような依頼者の要望を実現してくれる弁護士を私選弁護人として選任できれば、
高いお金をかけただけのメリットは十分にあるのではないでしょうか。
では、①および②のための具体的な活動とは何なのでしょうか?
①とは、保釈や勾留延長決定などに対する準抗告などの活動があります。
この活動においては、弁護士の力量が問われる面はあります。
いかに検察官や裁判官を説得することができるかが重要になってくるからです。
また、裁判所から信頼されている弁護士か否かという点も事実上重要だったりもします。
結局、弁護士の能力とか裁判所からの信頼だとかは、直接目に見えるものでは無いので、
弁護士から刑事事件の実績(経験)を教えてもらい(具体的に受任件数などを教えてもらう)、
それを判断するほかないといったところでしょうか。
②の活動は
「弁護士という人間」と「覚せい剤を使用した人間」という「人間」と「人間」の「微妙なコミニュケーション」の中で行われるものです。
というのも、覚せい剤使用の再犯の防止のためには、その覚せい剤を使ってしまった人に
覚せい剤をもう2度と使わないと自ら決意させなければならないからなのです。
したがって、あくまでコミュニケーションの機会が最も重要なのですから、
少なくとも接見にたくさん行ってくれる弁護士を選ぶべきでしょう。
(よく私選弁護人であっても、
現段階では、接見に行く必要がないからとのことで、初めに1回だけ接見に行って、
その後はほとんど接見に行かないなんていう弁護士もいます。
このような弁護士は、依頼者が期待している覚せい剤使用の再犯の防止という点を
全く理解していない弁護士と言わざるを得ません。)
そして、コミュニケーションが重要なのですから、
ただ単に偉そうな弁護士ではなく、
被疑者被告人が腹を割って話せるような雰囲気を持っている弁護士を選ぶべきでしょう。