保釈は、起訴後に身体拘束を解くために検討する手続です。逮捕直後や起訴前の勾留中に使う制度ではありません。まずは現在の段階が、逮捕直後なのか、勾留中なのか、起訴後なのかを確認することが大切です。
保釈を考えるときにまず確認すべきこと
保釈は、起訴された後の被告人について問題になる制度です。起訴前に外へ出たい場合は、保釈ではなく、勾留を避ける対応、準抗告、勾留取消しなどを検討します。
起訴後に保釈を目指す場合は、住居、家族の監督体制、仕事や通院の必要性、裁判への出頭見込み、事件関係者と接触しない環境などを具体的に整理します。
1 現在の段階
起訴前なのか、起訴後なのかを最初に確認します。
2 保釈の見通し
逃亡や罪証隠滅のおそれが問題になる事情を整理します。
3 家族の準備
身元引受、生活場所、保釈保証金、保釈後の監督体制を確認します。
このページで分かること
- 保釈とは何か
- 保釈はいつから請求できるのか
- 必要的保釈と裁量保釈の考え方
- 保釈保証金の意味
- 保釈後に注意すべきこと
早めに相談した方がよい場面
- 起訴後も勾留が続いている
- 保釈保証金や身元引受人について確認したい
- 仕事、通院、家族への影響が大きい
- 保釈が認められる見通しを知りたい
- 起訴前で、保釈ではなく釈放の方法を知りたい
保釈とは何か
保釈とは、起訴された後に、裁判所の許可を得て、保釈保証金を納付することなどを条件に、身体拘束を解いてもらう制度です。
保釈が認められても、事件が終わるわけではありません。裁判は続きます。保釈後も、裁判への出頭や、裁判所が定めた条件を守る必要があります。
起訴後の裁判の流れは、起訴後の流れも確認してください。
保釈はいつから請求できるのか
保釈は、起訴後に問題になる制度です。逮捕直後や、起訴前の被疑者勾留中に、当然に保釈請求ができるわけではありません。
起訴前に身体拘束からの解放を目指す場合は、勾留請求を避ける対応、勾留決定に対する準抗告、勾留取消しなどを検討します。
起訴前の釈放については、釈放を目指す方へを確認してください。
必要的保釈と裁量保釈
保釈には、法律上の除外事由がない限り認められる必要的保釈と、裁判所が事情を考慮して認める裁量保釈があります。
必要的保釈
- 保釈請求があった場合、法律上の除外事由がなければ認められる類型
- 罪証隠滅のおそれ、証人等への働きかけ、氏名・住居不明などが問題になる
- 個別の事件ごとに、除外事由に当たるかを確認する
裁量保釈
- 必要的保釈に当たらない場合でも、裁判所の判断で認められることがある
- 身体拘束が続くことによる不利益も問題になる
- 住居、家族の監督、仕事、通院、裁判への出頭見込みを整理する
どちらの場合でも、抽象的に「逃げません」「証拠隠滅しません」と言うだけでは足りません。生活状況や家族の監督体制などを具体的に示す必要があります。
保釈請求で整理すべき事情
保釈請求では、裁判所が不安に感じる点を具体的に減らしていくことが重要です。特に、逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれ、関係者への働きかけのおそれが問題になります。
住居
保釈後に生活する場所が決まっているかを確認します。
身元引受人
家族などが、保釈後の生活を監督できるかを整理します。
仕事・通院
身体拘束が続くことで生じる不利益を具体的に確認します。
接触防止
被害者や関係者と接触しない環境を整えます。
裁判への出頭
裁判にきちんと出頭できる体制を示します。
証拠関係
罪証隠滅のおそれが低い事情を整理します。
保釈請求は誰ができるのか
保釈請求は、勾留されている被告人本人だけでなく、弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系親族、兄弟姉妹などが行うことができます。
ただし、実際には、事件の内容や生活状況を整理して、裁判所にどのような事情を伝えるかが重要です。そのため、弁護士が事情を整理して保釈請求を行うことが多いです。
弁護士を選んで依頼することを検討している場合は、私選弁護人についても確認してください。
保釈保証金とは
保釈が認められる場合、裁判所は保釈保証金の金額を定めます。保釈保証金は、裁判への出頭や条件の遵守を担保するためのものです。
保釈保証金は罰金ではありません。裁判所が定めた条件を守り、裁判に出頭していれば、通常は裁判終了後に返還されます。
ただし、逃亡、罪証隠滅、接触禁止などの条件違反があると、保釈が取り消され、保証金の全部または一部が没取されることがあります。
保釈後に注意すべきこと
- 裁判にきちんと出頭する
- 裁判所が定めた住居や行動の制限を守る
- 被害者や関係者との接触禁止を守る
- 旅行や転居について、必要な確認をする
保釈の流れ
保釈は、起訴された後に、保釈請求を行い、検察官の意見を経て、裁判所が判断します。保釈が許可された場合でも、保釈保証金を納付してから釈放されます。
保釈が認められないこともあります
保釈請求をしても、必ず認められるわけではありません。逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれ、証人や被害者への働きかけのおそれがあると判断される場合には、保釈が認められないことがあります。
もっとも、一度認められなかった場合でも、事情の変化によって再度検討できることがあります。証拠調べの進行、示談の成立、生活環境の整理、家族の監督体制の具体化などが問題になることがあります。
被害者がいる事件では、示談についての解説も確認してください。
保釈された後も裁判は続きます
保釈は、身体拘束を解く手続です。保釈されたからといって、無罪になったわけでも、事件が終わったわけでもありません。
保釈後も、裁判への出頭、公判準備、証拠関係の確認、今後の弁護方針の整理が必要です。保釈後に条件に違反すると、保釈が取り消される可能性があります。
起訴後の流れは、起訴後の流れを確認してください。
保釈対応で坂口靖が確認すること
私は、保釈の相談では、まず現在の段階を確認します。起訴前であれば、保釈ではなく勾留への対応を優先すべき場面があるからです。
起訴後であれば、住居、家族の監督体制、仕事や通院の必要性、事件関係者と接触しない環境、公判への出頭見込み、保釈保証金の準備を整理します。
保釈対応で確認する主なポイント
起訴後かどうか
保釈請求ができる段階か、勾留対応を優先すべき段階かを確認します。
保釈後の生活
住居、仕事、通院、家族の監督体制を整理します。
接触防止
被害者や関係者と接触しない方法を具体的に確認します。
保証金の準備
保釈保証金の準備方法と、条件違反のリスクを説明します。
当事務所の対応例については、解決実績も確認してください。結果は事案ごとに異なりますが、相談前に対応のイメージを持つ参考になります。
保釈は、起訴後の生活と裁判準備を整えるための制度です
保釈は、単に外へ出るためだけの制度ではありません。裁判への出頭を前提に、生活を立て直し、公判に向けた準備を進めるための制度でもあります。
保釈を目指す場合は、請求書を出すだけでなく、裁判所が不安に感じる点を具体的に整理し、保釈後の生活環境を整えることが大切です。

保釈を目指す場合は、起訴後の手続、保釈保証金、家族の監督体制、事件関係者との接触防止、公判への出頭体制を具体的に整理します。起訴前の場合は、保釈ではなく釈放・勾留対応を検討します。
