このページで知ってほしいこと
不正アクセス事件では、他人のIDやパスワードを使ったログイン、アクセス制御を回避した利用、認証情報の取得や保管、フィッシングなどが問題になることがあります。 また、行為の内容によっては、不正アクセス禁止法だけでなく、電子計算機使用詐欺や電子計算機損壊等業務妨害など、別の犯罪があわせて問題になることもあります。
重要なのは、ログインの有無だけで判断せず、何のアカウントやシステムが問題になっているのか、被害や利益取得があるのか、端末やデータがどう扱われているのかを早い段階で整理することです。 事案によって見通しは異なるため、現在の状況に応じて対応を考えることが大切です。
不正アクセス事件で不安を抱えている方の中には、「ログインしただけでも犯罪になるのか」「他人のIDやパスワードを使っただけで逮捕されるのか」「示談をすれば不起訴の可能性があるのか」など、さまざまな悩みを抱えている方がいらっしゃると思います。
不正アクセス事件は、その場で発覚するというより、アクセスログ、通信履歴、スマートフォンやパソコンの解析、サービス事業者からの通報などをきっかけに、後日になって捜査が進むことが多い類型です。
また、一口に不正アクセス事件といっても、単に「他人のアカウントに入った」という場面だけではありません。 他人のIDやパスワードの悪用、セキュリティ上の弱点を突いたアクセス、フィッシング、識別符号の不正取得や保管など、問題になる行為は一つではありません。
さらに、アクセスの結果として金銭的な利益を得た、システムに支障を生じさせた、データを書き換えたとされる場合には、刑法上の別の犯罪があわせて問題になることもあります。 そのため、まずは何をしたとされているのかを早い段階で整理することが大切です。
千葉で刑事事件に直面し、まず何を確認すべきか知りたい方は、 千葉で刑事事件により逮捕された方へ もあわせてご覧ください。
不正アクセス事件とは何か
不正アクセス事件とは、一般に、正当な権限がないのに、他人のアカウントやシステムにログインしたり、アクセス制御を回避して利用したりしたとされる場合に問題となる事件です。 実際の刑事事件では、不正アクセス行為の禁止等に関する法律が中心になります。
もっとも、本人としては「少し中を見ただけ」「知っているパスワードを使っただけ」「以前教えてもらった情報を使っただけ」と考えていることもあります。 しかし、現在そのアカウントやシステムを利用する正当な権限がない場合には、行為の内容によって不正アクセスとして扱われる可能性があります。
そのため、軽い気持ちだったとしても、放置してよい事件ではありません。 いつ、どのアカウントに、どの方法でアクセスしたのか、どのような情報を見たのか、何か操作をしたのかを整理する必要があります。
不正アクセス禁止法で問題となる主な行為
不正アクセス禁止法で問題になりやすいのは、他人のIDやパスワードを使ってログインする行為、システムの弱点を突いて権限のない利用をする行為、フィッシングによって識別符号を入力させようとする行為、他人の識別符号を不正に取得する行為、不正アクセスに使う目的で識別符号を保管する行為などです。
そのため、不正アクセス事件は、実際にログインした場面だけが問題になるとは限りません。 準備段階の行為や、他人の認証情報を取得・保管・提供した行為も問題になることがあります。
たとえば、他人のログイン情報をメモしていた、SNSやメールで取得した認証情報を保存していた、第三者にIDやパスワードを渡したといった事情がある場合には、実際にどの範囲まで行為が行われたのかを確認する必要があります。
不正アクセス事件で問題になり得る別の犯罪
不正アクセス事件では、不正アクセス禁止法だけで終わらないことがあります。 行為の内容によっては、電子計算機損壊等業務妨害、電子計算機使用詐欺、電磁的記録不正作出及び供用など、刑法上の別の犯罪が問題になることもあります。
たとえば、アクセスした結果としてシステムに支障を与えたり、業務を妨害したりしたとされる場合には、電子計算機損壊等業務妨害が問題になることがあります。 また、不正な入力や操作によって財産上の利益を得たとされる場合には、電子計算機使用詐欺が問題になることもあります。
そのため、「ログインしただけの問題」と決めつけるのではなく、実際に何が起きたのか、どのデータやシステムに影響があったのか、金銭的な利益や損害が発生しているのかを丁寧に整理することが重要です。
その他の事件全体の中で位置づけを確認したい方は、 千葉のその他の刑事事件に関する弁護 も参考になります。
不正アクセス事件では逮捕されることがあるのか
不正アクセス事件でも、逮捕に至ることがあります。 アクセスログ、通信履歴、端末の解析、関係者の供述、サービス事業者からの資料などをもとに捜査が進み、後日になって呼出しや逮捕につながることもあります。
特に、証拠隠滅のおそれがある場合、共犯者や認証情報の入手先とのつながりが疑われる場合、被害が大きい場合、別の犯罪も重なっている場合には、身柄を取られる可能性があります。
そのため、「その場で発覚しなかったから大丈夫」「警察からすぐ連絡がないから終わった」とは限りません。 サイバー犯罪では、ログや通信履歴をきっかけに、後日になって捜査が進むことがあります。
逮捕の可能性や初動対応について不安がある方は、 千葉で刑事事件により逮捕された方へ をご覧ください。
不正アクセス事件の刑事手続の流れ
不正アクセス事件では、まず警察からの呼出し、事情聴取、端末の提出要請や差押えから始まることがあります。 事案によっては、その後、逮捕、勾留という流れに進むこともあります。
逮捕された場合には、警察で取調べを受け、その後、検察官が勾留を請求するかどうかを判断します。 勾留が認められると、原則として10日間、必要がある場合にはさらに延長されることがあります。
また、在宅事件として進む場合であっても、不起訴になるとは限りません。 アクセスの内容、回数、被害の有無、認証情報の入手経路、供述の内容、前科前歴など、さまざまな事情がその後の処分に影響します。
刑事手続の全体像を整理したい方は、 千葉の刑事手続に関する弁護 もあわせてご覧ください。 取調べへの対応が不安な方は、 千葉で取調べを受ける方へ も参考になります。
パソコンやスマートフォンの押収が問題になることがあります
不正アクセス事件では、パソコン、スマートフォン、USBメモリ、クラウド上の記録などが重要な証拠になることがあります。 そのため、端末の差押えやデータの解析が問題になる場面は少なくありません。
また、アクセスログや通信履歴について、保存要請や複写取得が問題になることもあります。 このような事件では、自己判断でデータを消したり、端末を初期化したり、アカウントを削除したりすることは避けるべきです。
それで問題がなくなるとは限らず、かえって証拠隠滅を疑われるおそれがあります。 ご本人だけでなく、ご家族も、関係する端末やデータを自己判断で処分しないことが重要です。
端末の押収やデータの扱いが不安な場合には、まず現在の状況を整理し、弁護士に相談したうえで対応を考えることが大切です。
取調べで気をつけるべきこと
不正アクセス事件の取調べでは、いつ、どのアカウントに、どの方法でアクセスしたのか、IDやパスワードをどこで入手したのか、何を見たのか、どのような操作をしたのか、利益を得たのかといった点が聴かれることがあります。
この場面で大切なのは、事実と推測を混ぜないことです。 たとえば、「入れたから問題ないと思った」「以前教えてもらったから使ってよいと思った」「中を見るだけなら大丈夫だと思った」といった説明をする場合でも、その時点で本当にどのように認識していたのかを整理する必要があります。
うその説明をしてよいわけではありませんが、記憶が曖昧な部分まで断定的に話す必要はありません。 何が確かに言えるのか、何が記憶にないのか、何が自分の推測にすぎないのかを分けて考えることが大切です。
また、供述調書に署名する前には、内容をよく確認してください。 実際にはそう言っていないのに「不正だと分かっていた」「最初から悪用するつもりだった」といった表現になっていないか、前後の事情が抜けていないかを確認する必要があります。
示談や被害回復が重要になる理由
不正アクセス事件では、被害者対応が重要になることがあります。 被害企業や被害者に対する損害の有無、システムへの影響、情報流出の有無、復旧費用の有無などによっては、被害回復や謝罪が意味を持つ場面があります。
もっとも、どの事件でも単純に示談だけで解決できるわけではありません。 サイバー犯罪では、被害の内容が複雑なことも多く、被害者が法人であることもあります。
そのため、被害者対応を検討する場合には、何が被害とされているのか、どの範囲の損害が問題になっているのか、被害者がどのような対応を求めているのかを整理しながら慎重に進めることが大切です。
示談は有利な事情になり得ますが、それだけで当然に不起訴になるとは限りません。 示談については、 千葉で刑事事件の示談を考える方へ も参考になります。
不正アクセス事件で不起訴を目指すには
不正アクセス事件でも、不起訴になることはあります。 もっとも、当然に不起訴になるわけではなく、アクセスの内容、被害の有無、被害回復の状況、反復性、認証情報の入手経路、供述の内容などを踏まえて判断されます。
不起訴を目指すうえでは、まず、どの行為が問題になっているのかを正確に整理することが必要です。 そのうえで、被害がある場合には被害回復や謝罪の可能性を検討し、再発防止策を具体的に整えることが重要になります。
また、端末やアカウントの管理方法を見直すこと、同じような行為を繰り返さないための環境を整えることも、事件後の対応として意味を持つことがあります。
不起訴の可能性や前科を避けるための考え方については、 千葉で不起訴を目指す方へ も参考になります。
不正アクセス事件で前科はつくのか
前科が問題になるのは、有罪判決を受けた場合や、略式命令による罰金などの刑事処分が確定した場合です。 不起訴で終われば、通常は前科はつきません。
もっとも、前科を避けられるかどうかは、初犯かどうかだけで決まるものではありません。 アクセスの内容、被害の有無や程度、反復性、認証情報の入手経路、被害回復の状況、本人の反省や再発防止策など、多くの事情が関係します。
不正アクセス事件は、客観的なログやデータが重視されやすい事件です。 そのため、早い段階で証拠関係と供述の内容を整理し、今後どのような見通しになるのかを確認することが重要です。
この事件で当事務所が大切にしていること
プロスペクト法律事務所では、不正アクセス事件について、事件名だけで方針を決めることはしません。 まず、どのアカウントやシステムが問題になっているのか、アクセスの方法は何か、被害や利益取得があるのか、端末やログの状況はどうかを確認します。
そのうえで、逮捕されているのか、在宅事件なのか、端末の押収や解析が問題になっているのか、被害者対応が必要なのか、仕事や学校への影響がどの程度あるのかを整理します。
不正アクセス事件では、ご本人が軽い気持ちだったとしても、被害者側や捜査機関からは重大な問題として見られることがあります。 反対に、単なるログインだけでなく、実際には何が行われ、どこまで被害があるのかを丁寧に見なければ、必要以上に重く受け止めてしまうこともあります。
弁護士坂口靖は、法律上できることと、現実的に優先すべきことを分けて整理することを重視しています。 取調べ対応、端末やデータの扱い、被害者対応、前科・仕事・学校・家族への影響を踏まえながら、今の段階で必要な対応を検討していきます。
解決実績を確認したい方へ
当事務所では、これまで対応してきた刑事事件の一部を 解決実績 として掲載しています。 結果は事案ごとに異なり、同じ罪名でも同じ結果になるとは限りません。
不正アクセス事件でも、見通しは、証拠関係、アクセスの内容、被害の有無、示談状況、前科・前歴、本人の生活状況などによって変わります。 相談前に具体的な対応例を確認したい方は、解決実績もあわせてご覧ください。
家族が不正アクセス事件で警察から連絡を受けたときに大切なこと
家族が不正アクセス事件で警察から連絡を受けたり、逮捕されたりした場合、まずは、何のサービスやシステムへのアクセスが問題になっているのか、どの端末が関係しているのか、現在どの段階にあるのかを確認することが大切です。
本人の説明だけでは、実際に何が捜査対象になっているのかが十分に見えていないこともあります。 とくに、アクセス先、使用したIDやパスワード、端末、通信履歴、アカウント情報などは、事件の見通しに関わることがあります。
また、家族が関係するデータや端末を自己判断で消去したり、処分したりすることは慎重であるべきです。 かえって証拠隠滅を疑われ、状況を悪化させるおそれがあります。
なお、被疑者本人のほか、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹などは、独立して弁護人を選任することができます。 本人と十分に連絡が取れない段階でも、ご家族が早めに相談し、状況を確認することには意味があります。
ご家族がすでに逮捕されている場合には、 家族が逮捕されたらすぐ弁護士へ も参考になります。
不正アクセス事件で早期に弁護士へ相談する重要性
不正アクセス事件では、早めに弁護士へ相談することが重要です。 理由は、初動対応によってその後の流れが大きく変わることがあるからです。
取調べへの対応、端末やデータへの対応、被害者対応、家族が把握すべき事項など、早期に整理すべきことは少なくありません。 特に、データを削除する、端末を初期化する、関係者と口裏合わせをする、被害者に直接連絡するなどの行動は、かえって不利になることがあります。
また、不正アクセス事件は、刑事手続だけでなく、仕事、学校、信用、今後の生活などへの影響も大きくなりやすい事件です。 単に「事件としてどうなるか」だけでなく、生活全体への影響も見据えた対応が必要になります。
仕事や家族、周囲への影響をできる限り抑えたいと考えている方は、 千葉の刑事事件で生活への影響を抑えたい方へ もあわせてご覧ください。
千葉で不正アクセス事件について不安を抱えている方へ
千葉で不正アクセス事件について不安を抱えている方は、まず、何のアカウントやシステムが問題になっているのか、どのような行為が問題視されているのか、端末の押収や解析が問題になっているのか、すでに刑事手続に入っているのかを整理することが大切です。
不正アクセス事件では、ログやデータなど客観的資料が非常に重視されます。 だからこそ、感情的に動いたり、自己判断でデータを消したりせず、現在の状況に応じて対応を考える必要があります。
ご本人だけで抱え込まず、ご家族の方も含め、できるだけ早く今後の見通しを確認することが重要です。 その他の事件全体の中で位置づけを確認したい方は、 千葉のその他の刑事事件に関する弁護 もあわせてご覧ください。
不正アクセス事件に関するよくあるご質問
他人のIDやパスワードを使ってログインしただけでも問題になりますか
問題になることがあります。 本人としては少し確認しただけのつもりでも、正当な権限がないのに他人の認証情報を使ってログインしたとされる場合には、不正アクセスとして問題になる可能性があります。
不正アクセスと電子計算機損壊等業務妨害は何が違うのですか
不正アクセスは、権限のないアクセスそのものが問題になる類型です。 これに対し、アクセスの結果としてシステムに支障を与えたり、業務を妨害したりしたとされる場合には、電子計算機損壊等業務妨害など別の犯罪が問題になることがあります。
電子計算機使用詐欺が問題になるのはどのような場合ですか
不正な入力や操作によって、財産上の利益を得たとされる場合には、電子計算機使用詐欺が問題になることがあります。 不正アクセスの先で金銭的な利益が発生しているかどうかは、見通しを考えるうえで重要です。
パソコンやスマートフォンが押収されることはありますか
あります。 不正アクセス事件では、パソコン、スマートフォン、USBメモリ、クラウド上の記録などが重要な証拠になることがあります。 そのため、端末の差押えやデータの解析が問題になる場面は少なくありません。
押収を拒否することはできますか
任意提出の場面か、令状に基づく差押えかで状況は変わります。 令状に基づく差押えが問題になっている場合には、自己判断で対抗しようとせず、まず弁護士を通じて状況を確認することが重要です。
データを消せば問題はなくなりますか
そのようにはいえません。 データを消したり、端末を初期化したり、アカウントを削除したりすると、かえって証拠隠滅を疑われるおそれがあります。 自己判断で処理せず、まず状況を整理することが大切です。
示談ができれば不起訴になりますか
示談や被害回復が有利な事情になることはありますが、成立したからといって必ず不起訴になると断言できるわけではありません。 アクセスの内容、被害の程度、反復性、別の犯罪の有無などによって見通しは変わります。
不正アクセス事件で前科はつきますか
有罪判決や略式命令による罰金などの刑事処分が確定した場合には前科になります。 不起訴で終われば、通常は前科はつきません。 そのため、起訴前の対応が重要になることがあります。
家族ができることはありますか
あります。 何のシステムやアカウントが問題になっているのか、どの端末が関係しているのか、現在どの段階にあるのかを整理し、弁護士への相談につなげることが大切です。 特に、データや端末を自己判断で消去しないことが重要です。
その場で発覚しなければ安心してよいのでしょうか
そのようにはいえません。 不正アクセス事件では、アクセスログ、通信履歴、端末の解析などから、後日になって呼出しや捜査が進むことがあります。 その場で何もなかったように見えても、後から手続が始まることがあります。

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