起訴とは、検察官が刑事事件を裁判所にかける手続です。起訴されたからといって、その時点で有罪が確定するわけではありません。しかし、正式裁判、略式手続、保釈、前科、会社や学校への影響など、考えるべき問題は一気に具体化します。
起訴とは|千葉で刑事事件が裁判になった方へ 正式裁判・略式手続・保釈・前科を弁護士が解説
このページで知ってほしいこと
起訴とは、検察官が刑事事件を裁判所にかける手続です。法律上は、公訴の提起と呼ばれます。起訴されると、それまで「被疑者」と呼ばれていた人は、刑事裁判を受ける立場である「被告人」となります。
起訴された段階で、有罪や前科が確定するわけではありません。ただし、起訴されると、正式裁判や略式手続、保釈、前科、仕事や学校への影響などが現実的な問題になります。
私、坂口靖が起訴に関する相談で重視しているのは、「もう起訴されたから終わり」と考えないことです。起訴内容を認めるのか争うのか、保釈を請求できるのか、示談や被害弁償を進めるべきか、執行猶予を目指すべきかを整理し、裁判に向けた具体的な準備を進めます。
刑事事件で「起訴されました」と聞くと、多くの方が「もう有罪が決まった」「必ず前科がつく」「刑務所に行くのではないか」と強い不安を感じます。
しかし、起訴は有罪判決そのものではありません。起訴後に裁判が行われ、裁判所が証拠を確認したうえで、有罪か無罪か、どのような刑にするかを判断します。
もっとも、起訴されると、手続の段階は大きく変わります。起訴前は、検察官が「起訴するか不起訴にするか」を判断する段階です。起訴後は、裁判所で「有罪か無罪か」「刑をどうするか」を判断する段階になります。
起訴前であれば、千葉で不起訴を目指す方へのページもあわせて確認してください。起訴後であれば、正式裁判なのか略式手続なのか、身体拘束が続いているのか、保釈を請求できるのかを早めに整理することが重要です。
このページでは、千葉で刑事事件の起訴について不安を感じている方やご家族に向けて、起訴の意味、不起訴との違い、起訴状、正式裁判、略式手続、前科、保釈、示談、執行猶予、仕事や学校への影響を整理します。
起訴とは何か
起訴とは、検察官が刑事事件を裁判所にかける手続です。法律上は、公訴の提起と呼ばれます。
警察が捜査を行い、事件が検察官へ送られると、検察官は証拠、被疑者の供述、被害者の意向、示談や被害弁償の状況などを踏まえて、起訴するか不起訴にするかを判断します。
起訴は、検察官が「裁判所で審理すべき」と判断したという意味を持ちます。ただし、起訴された段階で有罪が確定するわけではありません。
裁判では、検察官が証拠に基づいて犯罪事実を立証し、被告人と弁護人はそれに対して防御活動を行います。起訴内容を争う事件もあれば、起訴内容を認めたうえで執行猶予や量刑が問題になる事件もあります。
起訴できるのは誰か
刑事事件で起訴を行うのは、原則として検察官です。被害者や警察官が直接、刑事裁判を始めるわけではありません。
警察は、逮捕、取調べ、証拠収集などの捜査を行います。その後、事件が検察官へ送られ、検察官が起訴・不起訴を判断します。
そのため、刑事事件では、警察段階だけでなく、検察官が判断する段階までを見据えて対応する必要があります。
被害者がいる事件では、示談や被害弁償の状況が検察官の判断に関わることがあります。示談については、示談とはのページも参考になります。
起訴されると立場が変わる
起訴される前は、犯罪の疑いを受けている人は「被疑者」と呼ばれます。
起訴されると、刑事裁判を受ける立場になり、「被告人」と呼ばれます。この立場の変化は、手続上とても重要です。
起訴前は、検察官が起訴するか不起訴にするかを判断する段階です。起訴後は、裁判所で有罪か無罪か、どのような刑にするかが問題になります。
また、逮捕・勾留されている事件で起訴された場合には、起訴後の勾留が続くことがあり、保釈を請求できるかが重要になります。保釈については、保釈とはのページも確認してください。
起訴状には何が書かれるのか
起訴されると、検察官は裁判所に起訴状を提出します。
起訴状には、被告人を特定する事項、公訴事実、適用される罰条などが記載されます。
公訴事実とは、検察官が裁判で主張する犯罪事実のことです。いつ、どこで、どのような行為をしたとして起訴されているのかが記載されます。
起訴状は、裁判の出発点になる重要な書面です。起訴された場合には、まず起訴状を確認し、何を認めるのか、何を争うのか、どの部分に注意が必要かを整理することが大切です。
起訴状一本主義とは
起訴状一本主義とは、裁判官が事件について先入観を持たないようにするため、起訴状には裁判官に予断を与えるような証拠資料などを添付してはならないという考え方です。
刑事裁判では、裁判官が最初から捜査機関側の記録を読んで有罪方向の印象を持つのではなく、公判で提出された証拠に基づいて判断することが重要です。
そのため、起訴状には公訴事実や罰条などが記載されますが、証拠そのものがすべて付いてくるわけではありません。
起訴後は、弁護人が証拠を確認し、証拠関係を整理して弁護方針を検討していくことになります。
起訴と不起訴の違い
起訴は、検察官が事件を裁判所にかける判断です。不起訴は、検察官が刑事裁判にかけないと判断する処分です。
不起訴となれば、通常は刑事裁判に進まず、前科もつきません。一方、起訴されると、正式裁判や略式手続に進み、有罪判決や略式命令による罰金が確定した場合には前科が問題になります。
不起訴には、嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予などがあります。中でも起訴猶予は、犯罪の疑いがある場合でも、事件の内容、本人の事情、被害者対応、反省状況、再発防止策などを踏まえて、検察官が裁判にかけないと判断するものです。
不起訴について詳しく知りたい方は、不起訴とはのページも確認してください。
起訴されるまでの流れ
刑事事件では、警察が捜査を行い、その後、事件が検察官に送られることがあります。
身柄事件では、逮捕、検察官送致、勾留という流れの中で、検察官が起訴するか不起訴にするかを判断します。
在宅事件では、逮捕されずに日常生活を送りながら捜査が進み、後日、検察庁から呼び出しを受け、起訴・不起訴が判断されることがあります。
逮捕や勾留がある事件では、比較的短い期間で処分判断が迫ることがあります。一方、在宅事件では、捜査から処分までに時間がかかることもあります。
逮捕については逮捕とは、勾留については勾留とはのページも参考になります。
起訴の種類
刑事事件で起訴される場合、大きく分けると、正式裁判に進む起訴と、略式手続による処理があります。
正式裁判に進む場合には、公開の法廷で審理が行われ、検察官、弁護人、裁判官の前で証拠調べや意見陳述が行われます。
一方、比較的軽い事件で、罰金刑が見込まれる場合には、略式手続が問題になることがあります。略式手続では、公開の法廷での正式な裁判ではなく、書面審理によって罰金や科料が命じられることがあります。
ただし、略式手続で罰金になった場合でも、有罪の処分であることに変わりはありません。「罰金で終わるから前科ではない」というわけではない点に注意が必要です。
- 公開の法廷で審理される
- 起訴内容を認めるか争うかを明らかにする
- 証拠調べや被告人質問が行われる
- 無罪、罰金、執行猶予、実刑などが問題になる
- 事実関係を争う事件や重い事件で問題になりやすい
- 書面審理で進む
- 罰金または科料が問題になる
- 本人の同意が必要になる
- 罰金が確定すれば前科になる
- 不服がある場合は正式裁判の申立てを検討する
正式裁判になる場合
正式裁判になると、裁判所で公判が開かれます。
公判では、裁判官が本人確認をし、検察官が起訴状を朗読し、裁判官から黙秘権などについて説明がされます。そのうえで、被告人や弁護人が起訴内容について認めるのか争うのかを明らかにします。
その後、検察官の冒頭陳述、証拠調べ、証人尋問、被告人質問、検察官の論告・求刑、弁護人の弁論、被告人の最終陳述などを経て、判決が言い渡されます。
起訴内容を認めている事件では、被害者対応、反省、再発防止策、家族の監督体制、仕事や生活の状況などが情状として問題になります。
起訴内容を争う事件では、証拠関係、供述の信用性、防犯カメラ、スマートフォンのデータ、目撃者の話などを検討し、事実関係を争うことになります。
略式手続になる場合
略式手続は、一定の比較的軽い事件について、正式裁判を開かずに、書面で罰金または科料を命じる手続です。
略式手続を行うには、事件が略式手続に適した内容であることに加え、本人が略式手続について説明を受け、同意することが必要になります。
略式手続は、正式裁判に比べて手続の負担が軽い面があります。しかし、略式命令による罰金が確定すれば、有罪の処分であり、前科になります。
そのため、「略式で済むなら問題ない」と安易に考えるのは危険です。仕事、資格、今後の生活に影響する可能性がある場合には、略式手続を受け入れるべきか、不起訴を目指す余地があるかを検討する必要があります。
前科については、前科とはのページも参考になります。
略式命令に不服がある場合
略式命令が出た場合でも、内容に不服があるときには、正式裁判の申立てが問題になることがあります。
もっとも、正式裁判の申立てをするかどうかは慎重に考える必要があります。争点があるのか、罰金額が妥当なのか、正式裁判にした場合の見通しはどうか、仕事や生活への影響はどうかを確認する必要があります。
略式手続に同意する前の段階で、不起訴を目指せる可能性や、正式裁判で争うべき事情がないかを検討することが大切です。
起訴されたら前科がつくのか
起訴されたこと自体で、直ちに前科がつくわけではありません。
前科は、有罪判決や略式命令による罰金などが確定した場合に問題になります。
ただし、起訴されると、前科がつくリスクは現実的になります。正式裁判で有罪判決が確定した場合や、略式命令による罰金が確定した場合には、前科として扱われます。
そのため、起訴前の段階では、不起訴を目指せるかどうかが重要になります。起訴後は、有罪を前提とする事件であれば、刑を軽くする事情、執行猶予を目指す事情、再発防止策などを整理することが大切です。
起訴されたら必ず実刑になるのか
起訴されたからといって、必ず実刑になるわけではありません。
事件の内容によって、罰金、執行猶予付き判決、実刑判決など、さまざまな可能性があります。
初犯の事件、被害弁償や示談が成立している事件、本人の反省や再発防止策が整っている事件では、執行猶予が問題になることがあります。
一方で、重大事件、被害が大きい事件、前科前歴がある事件、再犯の危険が高いと見られる事件では、厳しい判断がされることがあります。
執行猶予について詳しく知りたい方は、執行猶予とはのページも確認してください。
起訴後も勾留が続くことがある
逮捕・勾留されている事件で起訴された場合、起訴後も身体拘束が続くことがあります。これを被告人勾留といいます。
起訴後の勾留は、起訴前の被疑者勾留とは手続や期間の考え方が異なります。
起訴後も勾留が続くと、仕事、学校、家庭生活への影響はさらに大きくなります。そのため、起訴後は保釈を検討することがあります。
保釈が認められれば、自宅で生活しながら裁判に対応できる可能性があります。ただし、保釈は必ず認められるものではありません。保釈保証金、身元引受人、保釈後の生活環境、被害者や関係者と接触しない体制などが問題になります。
釈放や保釈が不安な方は、千葉の刑事事件で釈放を目指す方へのページも参考になります。
起訴後の裁判で見られる事情
裁判では、まず事件そのものの内容が中心になります。犯行態様、被害の程度、動機、計画性、証拠関係、前科前歴などが重要です。
そのうえで、事件後の対応も見られます。被害者に謝罪しているか、示談や被害弁償ができているか、反省が深まっているか、再発防止策があるか、家族や職場の支援があるかといった事情です。
起訴内容を認める事件では、これらの情状をどのように整理して裁判所に伝えるかが重要になります。
一方、起訴内容を争う事件では、事実関係や証拠の信用性を慎重に検討する必要があります。認めるべき部分と争うべき部分を混同しないことが大切です。
疑わしきは被告人の利益にという考え方
刑事裁判では、検察官が有罪を立証する責任を負います。
裁判所が証拠を検討しても、有罪であると確信できない場合には、被告人に有利に判断されます。一般に「疑わしきは被告人の利益に」といわれる考え方です。
そのため、起訴されたからといって、すべてを認めなければならないわけではありません。事実と違う部分、証拠が足りない部分、評価が争える部分がある場合には、弁護方針を慎重に検討する必要があります。
一方で、争うべきでない事実まで無理に争うと、反省状況や情状面に影響することもあります。認める事件なのか、争う事件なのかを早い段階で整理することが大切です。
起訴と示談の関係
被害者がいる事件では、示談が起訴・不起訴の判断や、起訴後の量刑に関係することがあります。
起訴前に示談が成立している場合には、不起訴を目指すうえで重要な事情になることがあります。もっとも、示談が成立すれば必ず不起訴になるわけではありません。
起訴後に示談が成立した場合でも、裁判での情状として考慮されることがあります。被害弁償が済んでいること、謝罪が行われていること、被害者の意向が示されていることは、裁判での判断に影響する場合があります。
示談を考えている方は、千葉の刑事事件で示談したい方へのページも確認してください。
起訴されると会社や学校に知られるのか
起訴されたからといって、必ず会社や学校へ連絡が行くとは限りません。
しかし、正式裁判に進む場合や身体拘束が続く場合には、会社や学校に知られる可能性が高くなることがあります。
勾留が続いて出勤や登校ができない場合、欠勤・欠席の説明が必要になります。保釈された場合でも、裁判期日に出頭する必要があるため、日程調整が必要になることがあります。
職場や学校が事件の関係先である場合、被害者や関係者が同じ職場・学校にいる場合には、説明や接触回避の方法を慎重に考える必要があります。
会社や学校への影響が不安な方は、会社・学校に知られたくない方へのページも確認してください。
起訴と実名報道の不安
起訴されると、実名報道が不安になる方もいます。
起訴されたからといって、必ず実名で報道されるわけではありません。
ただし、正式裁判は公開の法廷で行われるのが原則です。事件の内容、社会的関心、本人の職業や立場、被害の重大性などによっては、報道リスクが問題になることがあります。
実名報道を完全に防げるとは限りませんが、起訴前に不起訴を目指す対応、起訴後の保釈、示談、裁判への準備、生活への影響を抑える対応などを早めに整理することは重要です。
実名報道が不安な方は、実名報道を避けたいのページも参考になります。
起訴後に家族ができること
家族が起訴を知った場合、まず確認すべきなのは、正式裁判なのか略式手続なのか、身体拘束が続いているのか、保釈を検討できるのかという点です。
正式裁判になる場合には、被害者対応、反省文、再発防止策、家族の監督体制、勤務先や学校への対応、裁判への出頭準備などが問題になります。
身体拘束が続いている場合には、保釈保証金の準備、身元引受人、保釈後の住居や生活環境の整理が必要になることがあります。
家族としては、本人を責めるだけでなく、今後の裁判に向けて、どのような事情を整えるべきかを冷静に考えることが大切です。
家族が逮捕された場合の初動については、家族が逮捕されたらのページも参考になります。
起訴されたときに弁護士へ相談する意味
起訴された後は、裁判に向けた準備が必要になります。
起訴内容を認めるのか争うのか、どの証拠が問題になるのか、示談や被害弁償をどう進めるのか、保釈を請求するのかを整理しなければなりません。
認める事件では、反省、再発防止策、家族の監督体制、被害者対応、仕事や生活の状況などを裁判所に伝える準備が重要になります。
争う事件では、証拠の内容、供述調書、防犯カメラ、スマートフォンのデータ、目撃者の話などを慎重に確認し、無理に認めるべきでない点を整理する必要があります。
起訴後は、裁判の日程、保釈、証拠開示、弁護方針など、手続が具体的に進みます。早めに弁護士へ相談し、見通しを確認することが大切です。
弁護士坂口靖が起訴後の刑事事件で重視している対応方針
私、坂口靖が起訴後の刑事事件でまず確認するのは、正式裁判なのか略式手続なのか、身体拘束が続いているのか、起訴内容を認める事件なのか争う事件なのかという点です。
起訴内容を認める事件では、示談、被害弁償、反省、再発防止策、家族の監督体制、仕事や生活の状況を整理し、執行猶予や量刑に関わる事情を丁寧に裁判所へ伝える準備をします。
起訴内容を争う事件では、供述調書、客観証拠、防犯カメラ、スマートフォンのデータ、位置情報、目撃者の供述などを確認し、検察官の主張に対してどの部分を争うのかを明確にします。
身体拘束が続いている場合には、保釈の可能性を早めに検討します。保釈保証金、身元引受人、住居、被害者や関係者と接触しない体制、仕事や家族への影響を整理し、裁判を受けながら生活を立て直せる可能性を探ります。
当事務所でこれまで対応してきた刑事事件の一部は、解決実績として掲載しています。解決実績は過去の対応例であり、同じ罪名でも同じ結果になるとは限りませんが、相談前に当事務所の対応方針を確認したい方は、あわせてご覧ください。
弁護士としての経歴や刑事事件への考え方は、弁護士紹介のページにも掲載しています。
千葉で起訴について不安な方へ
起訴とは、検察官が刑事事件を裁判所にかける手続です。起訴されたからといって、その時点で有罪が確定するわけではありません。
しかし、起訴されると、前科、刑罰、正式裁判、略式手続、保釈、会社や学校への影響が現実的な問題になります。
起訴前であれば、不起訴を目指す余地があるかを確認することが重要です。起訴後であれば、正式裁判なのか略式手続なのか、保釈を請求できるか、示談や再発防止策をどう整えるかを考える必要があります。
千葉で刑事事件の起訴について不安がある方は、まず現在の段階を確認してください。逮捕・勾留中なのか、在宅事件なのか、起訴前なのか起訴後なのかによって、取るべき対応は変わります。
弁護士費用が気になる方は、千葉での弁護士費用についてもご確認ください。
起訴に関するよくある質問

