刑事事件には、暴力犯罪や財産犯罪などの分類だけでは探しにくい事件があります。建物へ立ち入った、公務員ともみ合いになった、他人名義の書類を作ったという場合がその例です。
つきまといや無断ログインも、行為の内容によって刑事事件になります。まず、何をしたと疑われているのかを確認し、ご自身の事件に近い項目をご覧ください。
このページで扱う主な刑事事件
このページでは、住居侵入、公務執行妨害、文書偽造の概要を説明します。ストーカーと不正アクセスについては、確認事項が多いため詳細ページを設けています。
同じ出来事から、複数の犯罪を疑われることもあります。住居へ立ち入った後の行為や、無断ログイン後に行った操作などは、別の犯罪が問題になる場合があります。
| 事件 | 主に問題になる行為 | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| 住居侵入 | 正当な理由なく住居や建物などへ立ち入った疑い | 場所、立入りの目的、管理者の承諾 |
| 公務執行妨害 | 職務中の公務員への暴行や脅迫の疑い | 公務員の職務、双方の行動、映像 |
| 文書偽造 | 権限なく他人名義の文書を作成・使用した疑い | 名義、作成権限、承諾、使用状況 |
| ストーカー | つきまとい、待ち伏せ、反復した連絡など | 目的、回数、期間、警告や命令の有無 |
| 不正アクセス | 他人のアカウントなどへ権限なくアクセスした疑い | 利用権限、ログイン方法、アクセス後の操作 |
住居侵入では、場所と立ち入った経緯を確認します
住居侵入は、正当な理由なく、人の住居や管理されている建物などへ立ち入った場合に問題になります。玄関や扉が開いていたからといって、自由に入ってよいとは限りません。
知人から招かれていた、会社の業務で立ち入ったという事情があれば、その範囲を確認します。以前は出入りを認められていても、当時も承諾があったかは別の問題です。
マンションの共用部分、店舗、事務所への立入りが問題になる場合もあります。防犯カメラ、入退館記録、鍵の使用状況、当事者のメッセージなどが確認されます。
窃盗や盗撮などの目的で立ち入ったと疑われる事件では、その後の行為も含めて捜査されることがあります。
公務執行妨害では、職務と双方の行動を分けて見ます
公務執行妨害は、職務を行っている公務員に対して、暴行や脅迫を加えた場合に問題になります。警察官による制止や職務質問の場面で、もみ合いになった事件もあります。
公務員がけがをしていなくても、暴行が問題になる場合があります。一方で、身体が接触したという事実だけで、直ちに公務執行妨害が成立するわけでもありません。
誰が先にどのような行動をしたのか、本人が何を認識していたのかを確認します。警察官の装着カメラ、防犯カメラ、録音、目撃者の説明などが資料になります。
飲酒により記憶が曖昧な場合でも、推測で説明を作るべきではありません。覚えている部分と、記録で初めて分かった部分を分けて話します。
文書偽造では、名義と作成権限が問題になります
文書偽造では、文書の内容が正しいかだけでなく、誰の意思に基づいて作成された文書かが問題になります。公文書か私文書かによっても、適用される規定は異なります。
家族、会社、取引先の名前を使った場合でも、本人から作成を任されていたことがあります。その場合は、どの範囲まで承諾されていたかを確認します。
契約書、申請書、証明書、委任状などを作成した経緯は、メールやチャットに残っていることがあります。署名、印鑑、作成日時、提出先も確認の対象です。
偽造したと疑われる文書を提出したり、相手へ示したりした場合は、作成とは別に使用した行為も問題になることがあります。
ストーカーと不正アクセスは記録を消さずに残します
ストーカー事件では、連絡をした事実だけでなく、目的、回数、期間、相手が接触を拒んでいたかなどを確認します。警察からの警告や禁止命令を受けている場合は、その内容も確認してください。
相手へ謝罪したい場合でも、直接の連絡を続けることは避けるべきです。詳しくは、千葉のストーカー事件で説明しています。
不正アクセス事件では、他人のIDやパスワードを使ったのか、現在も利用する権限があったのかを確認します。以前教えてもらったパスワードでも、その時点で利用権限がなければ問題になる場合があります。
アクセスログ、端末、認証メール、メッセージなどを削除しないでください。詳しくは、千葉の不正アクセス事件をご確認ください。
警察から連絡を受けた後の対応
疑われている行為から確認する
- 建物や敷地への立入り → 場所、目的、承諾を確認
- 警察官などとのトラブル → 職務と双方の行動を確認
- 書類の作成や提出 → 名義、権限、使用状況を確認
- つきまといや反復した連絡 → 目的、回数、警告を確認
- 他人のアカウントへのログイン → 権限と操作内容を確認
警察から連絡を受けた場合は、担当部署、日時、疑われている行為を記録します。任意の呼び出しであっても、何を聞かれるのかを確認せずに対応するべきではありません。
端末や書類を処分したり、関係者へ説明を合わせてもらったりすることは避けてください。被害者や関係機関への連絡も、方法を決めてから行います。
謝罪や被害回復が処分で考慮される場合はあります。ただし、相手が公務員や公的機関である事件など、一般的な示談と同じようには進まないこともあります。
警察から呼び出された、家族が逮捕された、被害者への連絡に迷っているという段階では、相談を検討してください。複数の弁護士から説明を受け、方針や費用を比較して決めても構いません。
