勾留とは、逮捕後も身柄拘束を続ける必要があると裁判官が判断した場合の手続です。逮捕されたから、当然に勾留されるわけではありません。
今が勾留請求前なのか、勾留決定後なのか、延長段階なのか、起訴後なのかによって、検討する対応は変わります。
まず、勾留決定の有無、接見禁止の有無、勾留の期限を確認してください。
勾留とは何か
勾留は、裁判官の判断によって身柄拘束を続ける手続です。捜査段階の被疑者勾留と、起訴後の被告人勾留があります。
逮捕後の段階では、検察官が勾留を請求し、裁判官が認めるかどうかを判断します。逮捕と勾留は、同じ身柄拘束でも別の手続です。
勾留は刑罰ではありません。勾留されたからといって、有罪や前科が決まったわけではなく、必ず起訴されるわけでもありません。
逮捕から勾留判断までの流れは、千葉で逮捕された後の流れで説明しています。
逮捕から処分判断までの流れ
- 逮捕され、警察の取調べを受ける
- 検察官へ身柄が送られる
- 検察官が勾留を請求するか判断する
- 裁判官が勾留を認めるか判断する
- 勾留中に捜査が進み、起訴・不起訴が判断される
勾留では、住居・逃亡・罪証隠滅などが問題になります
勾留は、自動的に認められるものではありません。罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があることに加え、住居、逃亡や罪証隠滅のおそれなどが問題になります。
具体的には、定まった住居があるか、仕事や家庭との結び付きがあるか、証拠がどの程度確保されているか、被害者や関係者へ接触する可能性があるかを確認します。
家族が監督できることや、釈放後の生活場所が決まっていることも、事件に応じて検討されます。
本人や家族から、被害者や事件関係者へ直接連絡することは避けてください。
謝罪のつもりでも、相手への働きかけや証拠への影響を疑われることがあります。
勾留請求前であれば、住居、身元引受人、家族の監督体制、接触を防ぐ方法を早い段階で整理します。これらを準備すれば、必ず勾留を避けられるというものではありません。
勾留期間と、段階ごとに検討する対応
捜査段階の被疑者勾留は、まず10日間です。やむを得ない事情がある場合には、検察官の請求により、裁判官がさらに10日以内の延長を認めることがあります。
すべての事件で最大期間まで身柄拘束が続くわけではありません。勾留の途中で釈放されたり、期間内に起訴・不起訴が判断されたりする場合があります。
勾留決定に不服がある場合は、準抗告を検討します。勾留後に事情が変わり、勾留の理由や必要性がなくなった場合には、勾留取消しを検討することもあります。
保釈は、起訴後に勾留されている被告人について問題になる制度です。捜査段階の被疑者勾留中に、保釈を請求することはできません。
| 現在の段階 | 確認すること | 検討する対応 |
|---|---|---|
| 勾留請求前 | 住居、監督体制、接触防止、生活基盤 | 勾留請求を避けるための働きかけ |
| 勾留決定後 | 勾留理由、証拠、家族や仕事への影響 | 準抗告など |
| 延長段階 | 延長の理由、捜査状況、事情の変化 | 延長決定への対応、勾留取消しなど |
| 起訴後 | 住居、監督者、保証金、保釈条件 | 保釈請求 |
身柄解放に向けた手続は、千葉で釈放・保釈を求める方へのページで説明しています。起訴後の保釈については、千葉で保釈を求める方へのページをご確認ください。
勾留中の取調べでは、記憶と推測を分けます
勾留中は、外部との連絡が限られた状態で取調べが続きます。精神的に追い詰められ、曖昧な記憶を断定してしまうこともあります。
事実と異なる説明をしてよいわけではありません。ただし、分からないことを無理に埋めず、記憶、推測、他人から聞いた話を分けることが必要です。
供述調書への署名押印を求められた場合は、実際に話した内容と一致しているかを確認します。違う部分があれば、訂正を求めてください。
納得できない内容の調書へ、そのまま署名押印する必要はありません。黙秘するのか、どの範囲を話すのかは、事件の証拠を確認して判断します。
詳しくは、千葉で取調べを受ける方へのページをご覧ください。
家族面会と弁護士接見は分けて考えます
勾留中、家族がすぐに本人と面会できるとは限りません。接見禁止がついている場合には、弁護人等以外との面会や、手紙の授受が制限されることがあります。
家族面会ができる場合も、日時、回数、時間、立会い、差し入れなどに施設上の制限があります。必要な物がある場合は、留置先へ確認してください。
一方、弁護人や弁護人になろうとする弁護士は、原則として立会人なく本人と接見できます。
接見では、本人の体調、取調べの状況、供述調書、家族への伝言、今後の弁護方針を確認します。ただし、本人から聞いた内容を家族へどこまで伝えられるかは、本人の意向や事件の状況によります。
弁護士接見については、千葉で弁護士接見を依頼する方へのページで説明しています。
仕事・学校・治療などへの影響も具体的に確認します
勾留が続くと、欠勤や欠席、通院の中断、家族の介護など、外での生活へ影響が出ることがあります。
身柄解放を求める場合は、「困る」という説明だけでなく、いつ、誰に、どのような影響が出るのかを具体的にします。
勤務先から届いた連絡、学校の予定、診断書や服薬情報、介護の状況など、説明を裏付ける資料がある場合は保管してください。
勤務先や学校への説明については、会社・学校への影響が不安な方へのページも参考になります。
相談時には、警察署、逮捕日時、勾留決定日、勾留期限、接見禁止の有無、本人の体調、仕事や家庭への影響が分かる範囲で構いません。
現在の段階を確認したうえで、準抗告、勾留取消し、起訴後の保釈のうち、何を検討できるかを分けて考えます。
複数の弁護士から説明を受け、身柄解放の方針や費用を比較して決めても構いません。
