不同意性交罪や不同意わいせつ罪ができてから、「お酒を飲んだ後に性的なことがあったけれど、この件は大丈夫なのだろうか」「逮捕されるのではないか」と、不安を感じている方は増えているのかなという印象があります。
ただ、実際に事件を見ていると、当初言われていたほど、不同意性交事件や不同意わいせつ事件で安易に逮捕・勾留されているわけではないという印象を受けています。
お酒を飲んでいる中で性的な行為があったというケースでも、必ずしもすぐに逮捕されるわけではありません。 むしろ、逮捕・勾留をせず、在宅事件として捜査が進んでいく事案も多いのかなと思います。
では、どのような事案が逮捕・勾留され、どのような事案が在宅事件として進んでいくのか。 今回は、その分かれ目になるポイントについてお話しします。
不同意性交事件でも、必ず逮捕されるわけではありません
不同意性交罪や不同意わいせつ罪について、インターネット上では「すぐに逮捕される」「重大な事件だから大変なことになる」といった説明を見かけることがあります。
もちろん、適切な対応を取ることはとても重要です。 ただ、実際には、不同意性交事件や不同意わいせつ事件だからといって、必ず逮捕されるという話ではありません。
逮捕・勾留されるのか、それとも在宅事件として捜査が進んでいくのか。 その分かれ目には、いくつかのポイントがあるのかなと思います。
分岐点① 被害申告までの早さ
まず一つ目は、被害者とされる方が、被害を受けたと主張している日時から、どれだけ早く警察に相談しているかという点です。
簡単に言うと、事件があったとされる日時から早い段階で警察に相談している場合には、その分、逮捕・勾留のリスクが高まってくるというのが正直あります。
分岐点② 被害の申告を裏付ける証拠があるか
二つ目は、不同意性交や不同意わいせつの被害を受けたという話について、どれだけ裏付けとなる証拠があるかという点です。
例えば、LINEや電話などで、「このようなことをされた」と誰かに報告していたり、相談していたりする場合があります。
警察に相談していることはもちろん、相手方に対して、その出来事についてすぐに抗議をしているかどうかも、一つの大きなポイントになっているのかなと思います。
逆に、事件の後も相手方に対して、「今日はありがとうございました」といった普通のやり取りをしている場合には、意に反する性行為ではなかったのではないかという見方につながることもあります。
その結果、逮捕・勾留をせず、在宅事件として捜査が進められる可能性が高まることもあるのかなと思います。
分岐点③ 早い段階で弁護士が付いているか
三つ目は、加害者とされる側に、できるだけ早い段階で弁護士が付いているかという点です。
弁護士が付いているという事実だけでも、「逮捕・勾留をしなくても取調べに対応できます」「必要なときには出頭できます」という事情につながります。
それに加えて、早い段階で弁護士が付いていると、自分にとって有利になる証拠を確保するという点でも、プラスになるのではないかと思います。
防犯カメラなどの証拠は、早めに確保することが重要です
私がこれまで依頼を受けた事案では、性的な行為があったとされる前の行動を調べ、事前に立ち寄っていた飲食店の防犯カメラを確保したことがあります。
また、飲食店のエレベーターの防犯カメラについて、映像が削除されないよう、早い段階で確保したこともあります。
その映像から、双方が普通に親しく接していて、嫌がっているような様子が見られなかったり、被害者とされる側から積極的な身体接触があったことが分かったりする場合があります。
そのような証拠を確保することで、「同意があった可能性がある」と指摘できることもあります。
その結果、逮捕・勾留をされることなく、事件が進んでいくことにつながった事案もあります。
やはり、できるだけ早めに弁護士に相談し、必要な証拠を確保することは、逮捕・勾留を回避するための一つの要素にはなり得るのかなと思います。
不安をあおって契約を迫る法律事務所には注意してください
ただ、ここで注意していただきたいことがあります。
「あなたはすぐ逮捕されますよ」 「逮捕される可能性が高いですよ」 「すぐに弁護士を付けないと大変なことになりますよ」
このように不安をどんどんあおられ、そのまま契約を迫られるということも、最近の法律事務所ではあるように思います。
弁護士に相談する場合には、できれば複数の法律事務所に相談して、それぞれの説明を聞いていただきたいと思います。
そのうえで、そもそも弁護士に依頼する必要があるのか、依頼するとすればどの法律事務所にするのかを、慎重に検討していただきたいと思います。
実際の経験がある弁護士に相談してください
不同意性交事件や不同意わいせつ事件では、必ずしも逮捕されるわけではありません。
ただ、適切な対応を取ることはとても重要です。
不同意性交事件などの弁護を実際に多く経験している弁護士に相談し、その説明を聞いたうえで、本当に自分にとって一番よい選択をしていただきたいと思います。
千葉県弁護士会所属
プロスペクト法律事務所
弁護士 坂口 靖
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今回の内容は、YouTubeでもお話ししています。
