控訴とは、第一審判決に不服がある場合に、上級裁判所へ見直しを求める手続です。刑事事件の控訴期間は14日と短いため、判決内容に疑問がある場合は、判決後すぐに検討する必要があります。
控訴を考えるときにまず確認すべきこと
控訴は、「納得できない」というだけで判決が変わる手続ではありません。第一審判決のどこに問題があるのかを、判決書や記録に基づいて整理する必要があります。
量刑不当、事実誤認、法令違反、訴訟手続の問題、判決後に生じた示談や更生環境などを、控訴理由との関係で確認します。
1 控訴期間
刑事事件の控訴期間は14日です。判決後すぐに確認します。
2 控訴理由
量刑不当、事実誤認、法令違反など、何を理由にするかを整理します。
3 記録の確認
判決書、第一審記録、証拠、判決後の事情を確認します。
このページで分かること
- 控訴とは何か
- 控訴期間と控訴趣意書の重要性
- 控訴理由として問題になる主な内容
- 被告人側だけが控訴した場合の不利益変更禁止
- 控訴を検討する段階で弁護士に相談する意味
早めに相談した方がよい場面
- 第一審判決が重すぎると感じている
- 実刑判決を受けた
- 事実認定に納得できない
- 判決後に示談や更生環境の変化があった
- 控訴するか迷っているが、期間が迫っている
控訴とは何か
控訴とは、第一審の判決に不服がある場合に、上級裁判所へ見直しを求める手続です。
千葉地方裁判所などで第一審判決が出された場合、控訴審は東京高等裁判所で審理されることになります。
ただし、控訴審は、第一審を最初からすべてやり直す手続ではありません。第一審判決のどこに誤りがあるのかを、判決書や記録に基づいて具体的に主張する必要があります。
控訴期間は14日です
刑事事件の控訴期間は14日です。判決内容に疑問があっても、期間を過ぎると判決が確定してしまう可能性があります。
そのため、第一審判決に不服がある場合は、判決後すぐに、控訴するかどうかを検討する必要があります。
控訴理由として問題になる主な内容
刑事事件の控訴では、量刑不当、事実誤認、法令違反、訴訟手続の法令違反などが問題になります。
量刑不当
言い渡された刑が重すぎると考えられる場合です。
事実誤認
判決の前提となる事実認定に誤りがあると考えられる場合です。
法令違反
法律の解釈や適用に誤りがあると考えられる場合です。
訴訟手続の問題
裁判の手続に重大な問題があると考えられる場合です。
どの控訴理由を中心にするかは、事件内容と第一審記録によって変わります。単に不満を述べるのではなく、判決のどこを問題にするのかを絞る必要があります。
控訴審で判決が変わることは簡単ではありません
控訴すれば必ず判決が変わるわけではありません。控訴審では、第一審判決にどのような問題があるのかを具体的に示す必要があります。
第一審で十分に審理され、量刑判断も一般的な範囲から大きく外れていない場合には、控訴しても結論が変わらないことがあります。
だからこそ、控訴を考える場合は、判決への不満と、法律上主張できる控訴理由を分けて整理することが大切です。
不利益変更禁止について
被告人側だけが控訴した場合、控訴審で第一審判決より重い刑を言い渡すことはできないとされています。これを不利益変更禁止といいます。
ただし、検察官も控訴している場合には、被告人側だけが控訴した場合とは異なります。重い判決が言い渡される可能性も含めて、別に検討する必要があります。
被告人側だけが控訴
- 原則として、第一審より重い刑は言い渡されない
- 不利益変更禁止の原則が問題になる
- 控訴理由と見通しを整理して判断する
検察官も控訴している場合
- 不利益変更禁止とは別の検討が必要
- 第一審より重い判断が問題になることがある
- 検察官控訴の内容を確認する必要がある
控訴趣意書が重要です
控訴を申し立てた後は、定められた期間内に控訴趣意書を提出します。控訴趣意書は、第一審判決のどこに問題があるのか、どの理由で見直しを求めるのかを記載する書面です。
控訴審では、控訴趣意書の内容が審理の中心になります。判決書、第一審の記録、証拠関係、判決後の事情を踏まえて、主張を整理する必要があります。
控訴審で新しい事情を主張できることがあります
控訴審では、判決後に生じた事情が問題になることがあります。たとえば、第一審判決後に示談が成立した場合、更生環境が整った場合、治療や就労の準備が進んだ場合などです。
もっとも、控訴審は第一審を最初からやり直す場ではありません。新しい事情をどのように主張できるかは、事案や第一審の審理状況によって変わります。
被害者がいる事件では、示談についての解説も確認してください。
実刑判決後は保釈も問題になることがあります
第一審で実刑判決を受けた場合、控訴とあわせて、控訴審までの身柄の問題が生じることがあります。
事案によっては、保釈を検討することもあります。ただし、保釈が認められるかどうかは、事件の内容、生活状況、逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれなどによって変わります。
保釈については、保釈についての解説をご覧ください。
控訴対応で坂口靖が確認すること
私は、控訴の相談では、まず判決日と控訴期間を確認します。そのうえで、判決書、量刑理由、第一審での主張、証拠関係、判決後の事情を確認します。
控訴をするかどうかは、感情だけで決めるものではありません。何を変えたいのか、どの控訴理由が問題になるのか、控訴審で現実的に主張できることは何かを整理します。
控訴対応で確認する主なポイント
判決日と控訴期間
控訴期間を過ぎていないか、まず確認します。
判決書・記録
判決理由、証拠関係、第一審での主張を確認します。
控訴理由
量刑不当、事実誤認、法令違反など、どの理由が問題になるかを整理します。
判決後の事情
示談、更生環境、治療、就労、家族の支援体制を確認します。
当事務所の対応例については、解決実績も確認してください。結果は事案ごとに異なりますが、相談前に対応のイメージを持つ参考になります。
控訴で大切なのは、期間と記録の確認です
控訴を考えるときは、まず14日という期間を確認します。そのうえで、判決書と第一審記録をもとに、どこを争うのかを具体的に検討します。
控訴は、単に判決への不満を述べる手続ではありません。第一審判決のどこに問題があるのかを整理し、控訴審で主張できる形にすることが重要です。

控訴を検討する場合は、判決日、控訴期間、判決書、第一審記録、量刑理由、判決後の事情を確認します。期間が短いため、判決内容に疑問がある場合は早めにご相談ください。
