在宅事件とは、逮捕や勾留による身体拘束を受けずに、日常生活を続けながら捜査が進む刑事事件です。逮捕されていないため安心に見えることがありますが、警察や検察の捜査は続いており、起訴・不起訴の判断も問題になります。
在宅事件でまず確認すべきこと
在宅事件では、逮捕されていない分、対応を後回しにしてしまうことがあります。しかし、取調べで作成される供述調書、被害者対応、示談、起訴・不起訴の見通しは重要です。
警察から呼び出しを受けている場合は、何を認めるのか、何を争うのか、記憶があいまいな点をどう説明するのかを、早い段階で整理する必要があります。
1 呼び出し状況
警察・検察からの呼び出し、次回日程、聞かれている内容を確認します。
2 供述内容
事実関係、記憶と推測の区別、調書の内容を整理します。
3 今後の見通し
示談、不起訴、逮捕リスク、仕事や学校への影響を確認します。
このページで分かること
- 在宅事件とは何か
- 在宅事件と身柄事件の違い
- 在宅事件でも注意すべき取調べ・供述調書
- 在宅事件から逮捕される可能性
- 在宅事件で弁護士に相談する意味
早めに相談した方がよい場面
- 警察から呼び出しを受けている
- 取調べで何を話すべきか不安がある
- 供述調書に署名押印してよいか迷っている
- 被害者対応や示談が必要になりそう
- 逮捕されないか、起訴されないか不安がある
在宅事件とは何か
在宅事件とは、逮捕や勾留によって身体拘束を受けることなく、普段の生活を続けながら捜査が進む刑事事件のことです。
警察から呼び出しを受けて取調べを受けたり、必要に応じて検察官へ送致されたりしながら、最終的に起訴されるか、不起訴になるかが判断されます。
逮捕されていないため、身柄事件より落ち着いて対応できるように見えることがあります。しかし、在宅事件でも刑事事件であることに変わりはありません。
在宅事件と身柄事件の違い
在宅事件と身柄事件の大きな違いは、身体拘束の有無です。身柄事件では、逮捕や勾留によって行動の自由が制限されます。これに対し、在宅事件では、日常生活を続けながら捜査に対応します。
在宅事件
- 逮捕・勾留による身体拘束がない
- 警察や検察の呼び出しに応じる
- 仕事や学校に通いながら対応することがある
- 対応を後回しにしやすい
- 起訴・不起訴の判断は問題になる
身柄事件
- 逮捕・勾留によって身体拘束を受ける
- 逮捕後72時間、勾留など短期間で手続が進む
- 本人と家族が直接連絡しにくい
- 勾留回避や釈放対応が急ぎになる
- 早期の接見が重要になる
身柄事件については、逮捕後の流れや釈放を目指す方へも確認してください。
在宅事件でも取調べ対応は重要です
在宅事件では、警察や検察から呼び出しを受け、取調べを受けることがあります。逮捕されていないからといって、取調べが軽い意味しか持たないわけではありません。
取調べで話した内容は、供述調書としてまとめられることがあります。調書の内容が自分の認識と違う場合や、あいまいな記憶が断定的に書かれている場合には、慎重に対応する必要があります。
取調べで注意すべきこと
- 記憶と推測を分けて話す
- 覚えていないことを断定しない
- 調書の内容をよく確認する
- 内容が違う場合は訂正を求める
- 納得できない内容に署名押印しない
取調べについては、取調べについての解説を確認してください。
在宅事件から逮捕されることはあるのか
在宅事件として始まった場合でも、その後に必ず逮捕されないとは言い切れません。
たとえば、呼び出しに応じない状態が続く場合、関係者への働きかけや証拠隠滅が疑われる場合、事件内容が重く見られる事情が出てきた場合には、逮捕が問題になることがあります。
呼び出しへの不対応
理由なく呼び出しを無視し続けると、逃亡のおそれを疑われることがあります。
関係者への接触
被害者や関係者への連絡が、証拠隠滅や働きかけと見られることがあります。
事件内容の変化
捜査の進行により、事件が当初より重く見られることがあります。
ただし、在宅事件だから直ちに逮捕されるという意味ではありません。重要なのは、呼び出しや取調べを軽く考えず、現在の状況を整理することです。
被害者がいる事件では示談も問題になります
在宅事件でも、被害者がいる事件では、謝罪、被害弁償、示談が問題になることがあります。
示談や被害弁償は、不起訴の見通しや処分判断に関係することがあります。ただし、示談が成立すれば必ず不起訴になるわけではありません。
また、本人や家族が被害者に直接連絡すると、かえって相手方の不安を大きくしたり、接触の問題を生じさせたりすることがあります。
示談については、刑事事件の示談についてを確認してください。
不起訴を目指す場合に確認すること
在宅事件では、逮捕されていないため危機感を持ちにくいことがあります。しかし、最終的に検察官が起訴するか不起訴にするかを判断します。
不起訴を目指す場合には、証拠関係、本人の供述、被害者対応、示談、被害弁償、反省状況、再発防止策などを整理します。
不起訴については、不起訴を目指す方へを確認してください。
在宅事件で弁護士に相談する意味
在宅事件では、日常生活を続けられるため、弁護士に相談するタイミングが遅れやすい傾向があります。
しかし、取調べでの供述、調書の内容、示談の進め方、逮捕リスク、起訴・不起訴の見通しは、早めに整理した方がよいことがあります。
特に、次の取調べまでに何を準備すべきか、どこまで話すべきか、示談を進めるべきか、仕事や学校への影響をどう抑えるかを確認しておくことが重要です。
在宅事件で相談時に確認すること
- 警察や検察からの呼び出し状況
- 取調べで聞かれている内容
- 供述調書の有無と内容
- 被害者の有無、示談の必要性
- 逮捕される可能性
- 起訴・不起訴の見通し
- 仕事・学校・家族への影響
在宅事件対応で坂口靖が確認すること
私は、在宅事件の相談では、まず警察や検察からどのような連絡を受けているかを確認します。呼び出しの日時、容疑名、取調べの回数、これまで話した内容、調書を作成したかどうかを整理します。
そのうえで、事件の内容、証拠関係、本人の認識、被害者の有無、示談の必要性、前科・前歴、仕事や学校への影響、逮捕リスクを確認します。
在宅事件で確認する主なポイント
呼び出し・取調べ
いつ、どこから、何の件で呼ばれているのかを確認します。
供述内容
事実関係、記憶、推測、調書の内容を整理します。
示談・被害者対応
直接連絡のリスクを避けながら、必要な対応を確認します。
処分の見通し
不起訴、起訴、略式手続、正式裁判の可能性を整理します。
当事務所の対応例については、解決実績も確認してください。結果は事案ごとに異なりますが、相談前に対応のイメージを持つ参考になります。
在宅事件では、早めに現在地を整理することが大切です
在宅事件は、逮捕されていない分、すぐに生活が大きく変わるわけではありません。しかし、捜査は進んでおり、供述内容や初期対応がその後に影響することがあります。
逮捕されていないから大丈夫と考えるのではなく、現在どの段階なのか、次に何を準備すべきかを早めに整理することが重要です。

在宅事件では、取調べ、供述調書、示談、不起訴、逮捕リスクを早い段階で整理することが大切です。警察や検察から呼び出しを受けている方は、次回の取調べ前にご相談ください。
