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詐欺事件とは|逮捕・取調べ・示談・不起訴・前科への影響を弁護士が解説

詐欺事件は、相手をだまして金銭や物を受け取ったとされるときに問題となる刑事事件です。たとえば、お金を借りるときの説明、売買や契約の内容、仕事や投資の勧誘、インターネット上の取引、給付金や保険金の請求など、日常のさまざまな場面で詐欺が疑われることがあります。本人としては返すつもりだった、最初からだますつもりはなかった、誤解があるだけだと考えていても、相手方の申告や客観的資料の集まり方によっては、警察の捜査を受けることがあります。

詐欺事件は、窃盗事件のように物を持ち去る類型とは違い、やり取りの内容や当時の認識が強く問題になります。そのため、どのような説明をしていたのか、実際にはどのような事情だったのか、受け取ったお金をどう使ったのか、返済や履行の意思と可能性があったのかといった点が重視されやすい事件です。表面上は民事上のトラブルに見える場合でも、事情によっては刑事事件として扱われることがありますし、逆に、はじめから詐欺と決めつけてよいとはいえない場面もあります。詐欺事件は、事実関係の整理が特に重要な分野です。

詐欺事件とは何か

刑法では、人を欺いて財物を交付させた者は詐欺罪になると定められています。さらに、財物そのものではなく、財産上の利益をだまし取った場合にも処罰の対象になります。つまり、現金を受け取った場合だけではなく、サービスの提供を受けた場合や、支払うべき義務を免れた場合なども、内容によっては詐欺が問題になることがあります。法定刑は10年以下の拘禁刑で、窃盗と異なり、条文上は罰金刑が置かれていません。

また、近年は電子的な処理を利用した類型も問題になりやすく、刑法には電子計算機使用詐欺の規定も置かれています。もっとも、実際の事件では、単純に条文名だけで整理できるものではなく、どの時点で、どの説明が、どの程度虚偽だったのかが重要になります。

詐欺事件でよくある場面

詐欺事件として相談が多いのは、金銭の借入れに関するトラブル、売買代金や着手金を受け取ったのに約束どおり履行しなかったとされるケース、インターネットオークションやフリマアプリでの商品未発送、投資や副業の勧誘、保険金や給付金の請求に関する問題などです。

ただし、すべてが直ちに詐欺になるわけではありません。お金を借りたものの返済できなくなった場合でも、借入れの時点で返す意思も可能性もあったのであれば、直ちに詐欺といえるとは限りません。契約どおりに進まなかった取引でも、最初からだます意図があったのかどうかは慎重に見られます。詐欺事件では、結果だけではなく、最初の時点の認識や説明内容が非常に重視されます。

そのため、警察から連絡が来たときに、あわてて場当たり的な説明をしてしまうと、あとで話が不自然になりやすいという難しさがあります。やり取りの履歴、振込記録、メッセージ、契約書、領収書など、客観的資料の整理が特に大切です。

詐欺事件で逮捕されることはあるのか

詐欺事件でも逮捕されることはあります。とくに、被害額が大きい場合、被害者が複数いる場合、余罪が疑われる場合、住所不定の場合、証拠隠滅や逃亡のおそれがあると見られる場合などは、身柄を取られる可能性があります。反対に、在宅のまま捜査が進む事件もあります。

ただ、在宅事件であっても安心はできません。警察から任意の呼び出しを受けている段階でも、説明の内容や今後の対応によっては、不利な流れになることがあります。詐欺事件では、話した内容が供述として後に大きく影響しやすいため、初動対応が重要です。

詐欺事件で問題になりやすいポイント

詐欺事件では、単にお金を受け取ったというだけではなく、だます行為があったのか、相手がその説明を信じて交付したのか、財産的な処分行為があったのかといった点が問題になります。言い換えると、何をどう説明したのか、その説明が虚偽だったのか、その結果として相手が金銭などを交付したのかという流れが重視されます。詐欺の成否は、こうした事情の積み重ねで判断されるため、誤解や思い込みだけで動くと危険です。詐欺罪と電子計算機使用詐欺罪は刑法上別に規定されています。

また、詐欺事件では、被害者との金銭トラブルが先に存在していることも多く、民事上の争いと刑事上の争いが重なることがあります。返済を進めれば直ちに刑事責任がなくなるわけではありませんが、被害回復の有無はその後の見通しに関わる重要な事情です。

詐欺事件のその後の流れ

詐欺事件では、警察の捜査を経て、検察官が起訴するか不起訴にするかを判断します。不起訴にはいくつかの類型がありますが、一般に知られているものとしては、証拠が足りない場合の嫌疑不十分や、事情を総合して起訴しないと判断する起訴猶予があります。検察庁の案内でも、事情によっては起訴しないことがあり、それを起訴猶予というと説明されています。近年の検察統計でも、不起訴の中では起訴猶予が大きな割合を占めています。

詐欺事件で不起訴や軽い処分を目指すうえでは、被害回復ができているか、被害者の処罰感情がどうか、前科前歴があるか、同種事案を繰り返していないか、本人の反省が具体的かといった点が重要になります。もっとも、これは機械的に決まるものではなく、被害額や手口、計画性、被害者数などによって見通しは大きく変わります。

示談や被害弁償が重要な理由

詐欺事件でも、被害回復は重要です。受け取ったお金を返すことができるのか、どのような形で被害者に謝罪し、話し合いができるのかは、その後の処分判断に関わることがあります。とくに、被害者がいる財産犯では、被害弁償や示談が重要な意味を持つことがあります。

ただし、被害者に直接連絡すればよいわけではありません。連絡の仕方を誤ると、圧力や口裏合わせのように受け取られるおそれもあります。詐欺事件では、やり取りの内容自体が後から証拠として見られることも多いため、慎重な対応が必要です。

詐欺事件で前科はつくのか

前科がつくのは、有罪判決を受けた場合です。罰金刑の定めがない詐欺罪では、起訴された場合の見通しをより慎重に考える必要があります。反対に、不起訴で終われば、一般に前科はつきません。詐欺事件で不安を感じている方の多くは、前科を避けられるのか、仕事や家族への影響を抑えられるのかを強く気にされます。詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑です。

もっとも、前科を避けられるかどうかは、初犯かどうかだけでは決まりません。事件の内容、被害回復の状況、供述の内容、今後の生活再建の見通しなど、さまざまな事情が見られます。だからこそ、早い段階で現状を整理し、どの点が問題になっているのかを見極めることが大切です。

家族が詐欺で捜査を受けているときに大切なこと

家族が詐欺事件で警察から連絡を受けたり、逮捕されたりした場合、まず何が事実で何がまだ不明なのかを分けて整理することが大切です。詐欺事件では、周囲が感情的になりやすく、本人も説明を変えてしまいやすい場面があります。しかし、曖昧なまま動くと、その後の対応が難しくなることがあります。

大切なのは、どのような被害申告がされているのか、被害者は誰なのか、金銭の流れはどうなっているのか、本人はどのような説明をしているのかを整理することです。詐欺事件は、証拠と供述の整合性がとても重要な事件です。家族としても、焦って直接相手方に連絡したり、安易に説明を広げたりしないことが大切です。

詐欺事件で弁護士に相談する意味

詐欺事件では、事実関係が複雑になりやすく、民事上の争いと刑事上の問題が重なることも少なくありません。そのため、いま何が本当に問題になっているのかを整理すること自体に大きな意味があります。借入れなのか、契約不履行なのか、最初からだます意思があったと見られているのかによって、対応は大きく違います。

また、取調べへの対応、供述の注意点、被害回復の進め方、今後の見通しを早めに立てることで、不必要に不利な流れになることを避けやすくなります。詐欺事件は、表面的な印象だけで判断すると危険な事件です。だからこそ、事実を整理し、客観的資料をもとに、何をどう説明すべきかを考えることが重要です。

千葉で詐欺事件について弁護士を探している方へ

詐欺事件では、警察から連絡が来た段階、被害者から返金を求められている段階、取調べを受けている段階、逮捕されている段階で、それぞれ考えるべきことが違います。しかも、詐欺事件は、単純にお金を返せば終わるというものでも、逆に、返していないから必ず厳しい処分になると一概にいえるものでもありません。

千葉で詐欺事件について不安を抱えている方は、まず、いつ、誰に、何を、どのように説明したのか、金銭の流れはどうだったのか、返済や履行の意思と可能性はどうだったのかを落ち着いて整理することが大切です。詐欺事件は、事実関係の整理がその後を大きく左右する事件です。思い込みで動かず、事実に即して対応することが重要です。

詐欺事件でよくあるご質問

詐欺事件では必ず逮捕されるのでしょうか

必ず逮捕されるわけではありません。詐欺事件では、被害額、被害者の数、余罪の有無、逃亡や証拠隠滅のおそれなどによって、逮捕される場合もあれば、在宅事件として進む場合もあります。ただ、警察から連絡を受けた段階でも、その後の対応によって流れが変わることがありますので、早い段階で状況を整理することが大切です。

お金を返せば詐欺事件にならないのでしょうか

お金を返したからといって、必ず事件にならないとは限りません。もっとも、詐欺事件では、被害回復がどこまでできているかが重要な事情になることがあります。被害弁償や示談が進んでいるかどうかは、処分や今後の見通しに影響することがありますが、それだけで直ちに結論が決まるわけではありません。

借金を返せなかっただけでも詐欺になりますか

借りたお金を返せなかったというだけで、直ちに詐欺になるわけではありません。詐欺事件で問題になるのは、最初の時点で相手をだます行為があったのか、返す意思や見込みがないのに虚偽の説明をして金銭を受け取ったのかといった点です。単なる返済不能と詐欺とは同じではなく、当時の事情や説明内容が重要になります。

詐欺事件で不起訴になることはありますか

あります。詐欺事件でも、証拠関係、被害回復の状況、示談の有無、前科前歴、反省の内容などを踏まえて、不起訴となることがあります。ただし、被害額が大きい場合や、被害者が複数いる場合、計画性が強いとみられる場合などは、より慎重に見通しを考える必要があります。

家族が詐欺事件で警察から連絡を受けた場合、家族は何をすればよいですか

まずは、どのような内容で連絡を受けているのか、誰が被害者とされているのか、金銭の流れがどうなっているのかを整理することが大切です。詐欺事件では、家族が焦って相手方に直接連絡したり、事情をよく確認しないまま説明をしてしまったりすると、かえって対応が難しくなることがあります。まずは状況を落ち着いて把握することが重要です。

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弁護士 坂口 靖

プロスペクト法律事務所 / 千葉県弁護士会所属


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