刑事事件を担当する中で、逮捕された本人やその家族から、「国選弁護人と私選弁護人はどちらがいいのか」「まだ逮捕されていない段階でも依頼できるのか」といった相談を受けることがあります。
私選弁護人は、本人だけでなく、法定代理人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹も選任できます。そのため、本人が逮捕されて外部と自由に連絡できない場合でも、家族が弁護士を探して依頼を進めることができます。詳しくは家族が逮捕された方へのページもご確認ください。
私選弁護人はいつから頼めるか
私選弁護人は、逮捕前の捜査段階、逮捕直後、勾留中、在宅で捜査を受けている間、起訴された後まで、どの段階でも依頼を検討できます。
これに対して被疑者国選弁護人は、原則として勾留状が発せられた被疑者について、貧困その他の事情で自分では弁護人を選任できない場合に、請求によって選任される制度です。そのため逮捕前や在宅捜査の段階では、国選弁護人がまだ選任されていないことがあります。逮捕から起訴までの流れは刑事手続の流れで確認できます。
私選弁護人でできること
依頼した弁護士は、契約した範囲で、身柄を拘束されている本人との接見、取調べの状況確認、勾留を避けるための対応、示談交渉、起訴後の保釈請求や公判の準備などを行います。接見で確認できる内容は千葉で弁護士接見を考える方へのページをご覧ください。
国選弁護人・当番弁護士との違い
私選弁護人、国選弁護人、当番弁護士は、選任の方法や依頼できる時期が異なります。ただし、選任された後の弁護人としての権限や役割そのものに、私選か国選かによる優劣があるわけではありません。
| 確認する点 | 私選弁護人 | 国選弁護人 | 当番弁護士 |
|---|---|---|---|
| 選任方法 | 本人や一定の親族などが弁護士を選びます。 | 法律上の条件を満たす場合に、裁判官・裁判所が選任します。 | 本人や家族の申込みにより、弁護士会が派遣します。 |
| 依頼できる時期 | 逮捕前、逮捕直後、在宅捜査中でも検討できます。 | 原則として勾留状が発せられた後、一定の条件のもとで選任されます。 | 逮捕・勾留などで身柄を拘束されている段階が対象です。 |
| 弁護士の選択 | 相談したうえで、依頼する弁護士を選べます。 | 特定の弁護士を自由に指定できる制度ではありません。 | 派遣される弁護士を申込者が指定できるものではありません。 |
| 費用 | 弁護士との契約により決まります。 | 国選制度の仕組みにより支払われ、訴訟費用の負担が命じられる場合があります。 | 最初の1回は無料です。継続依頼には別途契約が必要です。 |
段階によって対応は変わる
同じ私選弁護人への依頼でも、どの段階かによって最初に行うことは変わります。
- 逮捕直後:本人との接見、取調べの状況確認、勾留を避けるための事情整理を先に行います。千葉で逮捕された後の流れもご確認ください。
- 勾留中:取調べへの対応、準抗告などによる身柄解放、家族との連絡、被害者対応を検討します。
- 在宅事件:次の取調べに向けた準備、供述調書、示談、不起訴に向けた対応が問題になります。千葉の在宅事件のページで説明しています。
- 起訴後:証拠と争点の確認、保釈、公判に向けた準備が中心になります。
私選弁護人でも結果が変わるとは限らない
私選弁護人へ依頼したからといって、必ず釈放される、不起訴になる、執行猶予になるというものではありません。見通しは、事件の内容、証拠、本人の供述、被害者の意向、前科・前歴、生活環境などによって変わります。
「必ず釈放できる」「必ず不起訴にできる」という説明だけで依頼を決めないでください。
刑事事件の結果は、弁護士だけで決められるものではありません。どの証拠と事情を根拠にした説明なのかを確認してください。
依頼前に確認すること
事務所名や実績件数だけで決めず、実際に誰が担当するのかを確認してください。相談を担当した弁護士と、接見や示談交渉、公判を担当する弁護士が同じとは限りません。
接見のみの依頼なのか、示談交渉や起訴後の公判まで含む依頼なのかによって、対応範囲と費用は変わります。着手金のほか、接見日当や報酬金など、追加費用が生じる条件も契約前に確認しておくと、後の認識のずれを防げます。費用の詳細は刑事事件の弁護士費用のページをご確認ください。
説明に不明点が残る場合は、その場で契約する必要はありません。複数の弁護士から話を聞き、方針と費用を比較したうえで判断しても構いません。
