児童買春や児童ポルノの事件では、まず、何をしたと疑われているのかを確認します。相手と会った事件なのか、画像を保存した事件なのか、送信や撮影まで疑われているのか。ここを分けなければ、今後の対応は決められません。
相手が年齢を偽っていたという相談もあります。ただし、その説明だけで結論が出るわけではありません。プロフィールやメッセージを見ながら、当時どのように年齢を考えていたのかを確認します。
児童買春と児童ポルノは別の行為です
法律上の児童は、18歳未満の人を指します。児童買春では、金銭や物などの対価を渡し、または渡す約束をして、児童と性交等をしたと疑われる場合が問題になります。
金銭が実際に渡されたかだけではなく、どのような約束があったのかを確認します。交通費、食事、贈り物などが関係する場合も、その趣旨とやり取りを見なければなりません。
児童ポルノ事件では、法律上の定義に当たる画像や動画について、保存、所持、撮影、送信、提供などが問題になります。児童買春と児童ポルノの両方を疑われる事件もありますが、それぞれ確認する事実は異なります。
性犯罪全体の違いは、千葉の性犯罪のページで案内しています。
相手の年齢をどう認識していたかを確認します
相手が18歳未満だと分かっていたのかは、この種の事件で問題になる点です。相手が成人だと説明していた場合は、その説明を信じた経緯を具体的に確認します。
SNSのプロフィールだけではなく、学校や仕事についての発言、会話の内容、会った場所や時間も判断材料になります。相手の外見だけで年齢認識が決まるわけではありません。
相手が年齢を偽っていたとしても、それだけで問題がなくなるとは限りません。年齢を確認する機会があったのか、不自然な点に気付いていたのかも検討されます。
メッセージの一部だけを取り出さず、知り合ってから事件後までの流れを確認します。本人に不利なやり取りが残っている場合も、隠さずに見なければ方針を誤ります。
保存・送信・撮影では問題になる点が違います
画像が端末に残っている場合は、誰が、いつ、どのように取得したのかを確認します。自動的に保存されたのか、本人が選んで保存したのかでも事情は異なります。
送信や提供を疑われている場合は、送信先、回数、相手との関係を見ます。グループチャットやクラウド上の共有状況が確認される場合もあります。
撮影が問題になる場合は、誰が撮影したのか、どのような経緯で記録が作られたのかを確認します。撮影行為そのものが問題になる事件については、千葉の盗撮・性的姿態等撮影事件でも説明しています。
| 疑われている行為 | 主に確認すること | 主な資料 |
|---|---|---|
| 児童買春 | 対価の内容、約束、相手の年齢に関する認識 | メッセージ、送金記録、決済履歴 |
| 所持・保管 | 取得経緯、保存方法、画像の認識、保管の目的 | 端末データ、保存日時、ダウンロード記録 |
| 送信・提供 | 送信先、回数、共有した範囲、送信時の認識 | 送信履歴、クラウド記録、アクセスログ |
| 撮影・製造 | 撮影者、撮影の経緯、相手とのやり取り | 撮影日時、位置情報、メッセージ |
端末のデータを削除したり、アカウントを消したりしてはいけません。相手へ連絡し、説明を合わせることも避けてください。証拠への働きかけを疑われる原因になります。
捜索差押えを受けたときは記録を残します
この種の事件では、自宅の捜索や、スマートフォン、パソコンなどの差押えが行われることがあります。端末が押収された場合は、何を持って行かれたのかを確認してください。
捜索差押許可状や押収品目録など、交付された書類は保管します。家族が対応した場合は、警察が来た日時、人数、質問された内容を記録しておくと、その後の確認に役立ちます。
押収された端末だけではなく、クラウド上のデータ、通信履歴、契約情報が確認される場合もあります。捜索後に別の端末からデータを消すことは避けてください。
警察から連絡を受けた後の確認
- 警察から伝えられた内容を記録する
- 端末、メッセージ、決済記録を消さずに残す
- 相手との関係と年齢認識を整理する
- 保存、送信、撮影などの行為を分ける
- 取調べと今後の生活への対応を検討する
逮捕か在宅捜査かは事件名だけでは決まりません
児童買春や児童ポルノの事件でも、逮捕される場合と、在宅のまま捜査される場合があります。事件名だけで身柄拘束の有無を断定することはできません。
住居や連絡先が明らかか、呼び出しに応じているか、相手や関係者へ接触していないか、証拠を隠すおそれがあるかなどが確認されます。
警察からの呼び出しが任意であっても、軽く考えるべきではありません。取調べ前に、知り合った経緯、会った回数、金銭や画像のやり取りを資料と照らします。
相手本人や保護者へ直接連絡することは避けてください。謝罪のつもりでも、接触の継続や証拠への働きかけと受け取られるおそれがあります。
家族は資料を保管し、勤務先への影響も分けて考えます
家族は、警察からの連絡内容と、押収された物を記録してください。相手やその家族の連絡先を探し、家族から連絡することは避けます。
勤務先へ必ず事件が知られるとは限りません。ただし、逮捕による欠勤、会社の端末の押収、仕事に関係する連絡先の確認などによって、説明が必要になる場合があります。
関与を認める事件では、インターネットの利用環境や生活状況を見直すことがあります。必要に応じて医療機関や支援先を検討しますが、家族だけで診断を決めてはいけません。
弁護士が最初に確認するのは、警察からの書類、端末の状況、相手とのメッセージ、送金や決済の記録です。相手のプロフィール、会った日時、画像を受け取った経緯も時系列にします。
警察から呼び出された、捜索差押えを受けた、家族が逮捕されたという段階では、相談を検討してください。複数の弁護士から説明を受け、方針や費用を比較して決めても構いません。
