まず知っておいてほしいこと
刑事事件では、弁護士でも見落とすことがある実務上の注意点があります。今回の動画では、特に「在宅事件の被告人が実刑判決を受けた後の海外渡航」と、「接見禁止が付いている事件で、処分保留後の再逮捕のタイミングに起こることがある手紙や面会」の2点について解説しています。
在宅で裁判を受けていた被告人であっても、実刑判決を受けた後に海外へ行こうとする場合には、裁判所の許可が必要になることがあります。保釈中ではないから自由に海外へ行ける、と考えてしまうのは危険です。
また、接見禁止が付いている事件でも、処分保留でいったん釈放され、その後すぐに再逮捕される場面では、次の勾留決定が出るまでの短い時間に、手紙が本人に渡されたり、一般の方との面会ができたりするケースがあります。ただし、必ずできるわけではなく、警察署や留置施設の運用、事件の内容によって異なります。
刑事事件では、制度を知らなかったことや、タイミングを逃したことによって、本人や家族に不利益が生じることがあります。在宅事件、接見禁止、勾留、再逮捕、実刑判決後の対応に不安がある場合には、早い段階で刑事事件に対応している弁護士に確認することが重要です。
この動画では、刑事事件を扱う弁護士でも見落とすことがある、かなり実務的な注意点を2つ取り上げています。
刑事事件では、逮捕、勾留、保釈、不起訴、示談、刑事裁判といった大きな流れに注目が集まりがちです。しかし、実際の事件では、条文や一般的な手続を知っているだけでは足りない場面があります。
「そのタイミングで何が起こるのか」「本人や家族が何をしてよいのか」という、現場に近い知識が、本人や家族の行動に大きく影響することがあります。
今回お話ししているのは、在宅の被告人が実刑判決を受けた後の海外渡航の問題と、接見禁止が付いている事件で、処分保留後の再逮捕のタイミングに生じることがある手紙や面会の問題です。どちらも、一般の方はもちろん、弁護士でも意外と意識していないことがあるテーマです。
動画で詳しくご覧になりたい方は、以下からご確認ください。
刑事事件の弁護士でも意外と知らない話を解説したYouTube動画はこちら
在宅の被告人が実刑判決を受けた場合の注意点
動画の前半では、在宅の被告人が実刑判決を受けた場合に、海外旅行や海外渡航をするには裁判所の許可が必要になることがある、という点について解説しています。
ここでいう在宅の被告人とは、保釈されている人ではなく、最初から逮捕・勾留されずに起訴され、そのまま在宅事件として刑事裁判を受けていた人を指します。
この問題で怖いのは、本人が「在宅事件だから自由に動いてよい」と思い込んでしまうことです。保釈中であれば条件を意識する方も多いですが、最初から逮捕・勾留されていない在宅事件では、本人も周囲も油断しやすいところがあります。
しかし、第一審や控訴審で実刑判決の言渡しを受けた場合には、在宅で裁判を受けていた人であっても、海外へ行くことについて慎重に考える必要があります。
執行猶予が付かない実刑判決を受けた後、裁判所の許可を得ずに海外へ行ってしまうと、勾留される可能性があります。これは比較的新しい制度でもあり、刑事事件を扱っている弁護士でも、必ずしも十分に意識しているとは限らないところです。
そのため、在宅事件で裁判を受けている方が実刑判決を受けた場合には、「弁護士から何も言われていないから大丈夫」と自己判断するのではなく、海外渡航を考えている段階で、必ず弁護士に確認することが重要です。
弁護士から明確に説明を受けていなかったとしても、実際に損をするのは被告人本人です。刑事裁判中や判決後の行動については、思い込みで判断せず、慎重に確認する必要があります。
接見禁止が付いている事件で起こることがある実務上の話
動画の後半では、接見禁止に関する少し珍しい実務上の話をしています。
逮捕・勾留された方に接見禁止決定が付くと、家族や知人が本人と面会したり、手紙のやり取りをしたりすることが制限されることがあります。逮捕後の面会や弁護士接見については、接見に関するページでも解説しています。
接見禁止が付いている事件では、家族や交際相手が「何もできない」と思い込んでしまうことがあります。たしかに、接見禁止が付いている間は、一般の方との面会や手紙のやり取りが制限されることがあります。
ただ、実務上は、最初の逮捕・勾留で10日間または20日間接見禁止が続いた後、処分保留でいったん釈放され、すぐに別件で再逮捕されるような場面で、次の勾留決定が出るまでの短い時間に、手紙が本人に渡されたり、面会できたりすることがあります。
これは必ずできるという話ではありません。警察署や留置施設の運用、事件の内容によって扱いは異なります。しかし、こうしたタイミングを知っているかどうかで、家族や関係者が取れる行動が変わることがあります。
接見禁止中でも手紙を送っておく意味
動画では、接見禁止中であっても、本人宛てに手紙を送っておくことに意味がある場合についても触れています。
接見禁止中に外部の人が被疑者に手紙を送っても、その時点では本人に渡されないことがあります。しかし、処分保留で釈放されたタイミングなどで、留置施設に保管されていた手紙が本人に渡されることがあります。
そのため、家族や交際相手、知人が逮捕され、接見禁止が付いてまったく連絡が取れない場合でも、手紙を送っておくことで、後のタイミングで本人に届く可能性があります。
手紙を送る場合には、本人を励ます内容や、生活上必要な連絡にとどめるなど、慎重に対応することが大切です。
再逮捕のタイミングで面会できる場合があること
また、処分保留で釈放されてすぐに再逮捕された場合、次の勾留決定が出るまでの短い時間に、一般の方が面会を申し込むと、面会できることがあります。
もっとも、これは必ずできるという話ではありません。留置施設の運用や事件の内容によって扱いは異なります。実際に面会できるかどうかは、その場で確認してみなければ分からない部分があります。
それでも、接見禁止が付いているから何もできないと思い込むのではなく、処分保留後の再逮捕のタイミングなど、限られた場面でできることがある可能性を知っておくことは、家族や関係者にとって意味があります。
刑事事件では、細かな実務知識が本人と家族を守ることがあります
刑事事件では、逮捕されたかどうか、勾留されたかどうか、接見禁止が付いたかどうか、在宅で裁判を受けているかどうか、実刑判決を受けたかどうかによって、取るべき対応が大きく変わります。刑事事件全体の流れについては、刑事手続の解説ページも参考になります。
そして、実際の事件では、一般的な法律知識だけでなく、現場でどのような扱いがされるのかという実務上の知識が重要になることがあります。
今回の動画で話している内容は、派手な話ではありません。しかし、知らなければ本人や家族が不利益を受ける可能性がある、とても大事な話です。
千葉で刑事事件についてお困りの方、家族が逮捕されて接見禁止が付いている方、在宅で刑事裁判を受けていて今後の対応に不安がある方は、早い段階で刑事事件に対応する弁護士にご相談ください。
刑事事件の実務に関するよくあるご質問
在宅の被告人でも、実刑判決を受けた後に海外へ行くには許可が必要ですか?
実刑判決を受けた場合、在宅で裁判を受けていた被告人であっても、海外渡航について裁判所の許可が必要になることがあります。保釈中ではないから自由に海外へ行ける、と自己判断するのは危険です。
弁護士から説明されていなければ、海外へ行っても大丈夫ですか?
説明を受けていなかったとしても、自己判断で海外へ行くのは危険です。許可が必要な場面で無断で海外へ行くと、勾留される可能性があります。海外渡航を考えている場合は、必ず事前に弁護士へ確認してください。
接見禁止が付いていると、家族は一切連絡できませんか?
接見禁止が付いている場合、家族や知人との面会や手紙のやり取りが制限されることがあります。ただし、事件の状況やタイミングによっては、手紙が後で本人に渡されたり、面会できたりするケースもあります。
接見禁止中に手紙を送っても意味はありますか?
意味がある場合があります。接見禁止中に送った手紙がすぐに本人へ渡されなくても、処分保留で釈放されたタイミングなどで本人に渡されることがあります。ただし、事件内容や供述内容に踏み込んだ記載は避け、慎重に対応する必要があります。
再逮捕された直後なら面会できることがありますか?
処分保留で釈放され、その後すぐに再逮捕された場合、次の勾留決定が出るまでの短い時間に面会できるケースがあります。ただし、必ず面会できるわけではなく、警察署や留置施設の運用、事件内容によって異なります。
接見禁止が付いた場合、家族はまず何をすべきですか?
まずは、本人の状況を正確に把握することが重要です。接見禁止が付いている場合、家族だけでできることには限界があります。早めに刑事事件に対応している弁護士に相談し、本人の状況、勾留の見通し、今後の対応を確認することが大切です。
在宅事件でも弁護士に相談した方がよいですか?
在宅事件でも、起訴された後の裁判対応や判決後の行動について注意が必要になることがあります。身柄拘束されていないから大丈夫と考えるのではなく、今後の見通しやリスクを確認するためにも、早い段階で弁護士に相談することが重要です。
刑事事件では、いつ弁護士に相談すべきですか?
できるだけ早い段階で相談することが大切です。逮捕直後、勾留前、接見禁止が付いた場合、在宅で起訴された場合、実刑判決を受けた場合など、それぞれの段階で取るべき対応が変わります。

刑事事件において、逮捕・勾留・接見禁止・示談・不起訴・刑事裁判まで、事件の段階に応じた対応を重視しています。本人とご家族が不利益を受けないよう、早い段階で状況を整理し、現実的な見通しを踏まえた弁護活動を行います。
